【CIMOのプロレス観戦記】G1 CLIMAX 29の振り返りと今後の展開予想~飯伏が優勝できた理由の振り返りと今後のシングルベルト戦線の行方~

G1 CLIMAX 29が飯伏幸太の優勝で幕を閉じた。このコラムでは今年のG1を振り返り、今後の展開を予想していきたい。

◆G1クライマックスの振り返り◆

飯伏幸太はシリーズの開幕戦で足を怪我。優勝はおろかシリーズの完走すら厳しいのではないかとの心配をよそに驚異的な回復力と忍耐力で「諦めない」戦いぶりを見せつけた。

飯伏幸太本人は精神的に未成熟な部分があり母性をくすぐるレスラーとみられてきた。DDT時代は「他の選手と合同練習をしない」ことで有名だったし、DDTと新日本のW所属になったと思いきや、一転「飯伏プロレス研究所」を設立しフリーにアメリカに戦いの場を移すかと思いきやそうでもなく。新日本に所属が決まる際には中澤マイケルとも契約が必要ではと新日本サイドが気をつかったほど。G1の決勝の際に解説のミラノコレクションさんが「飯伏が新日本の巡業バスのどこに座ればいいか相談してきた」とのエピソードを話していたようにレスラーとしてというよりも一人の人間として足りない所がありすぎた。

そんな飯伏をテレビ局も見逃すはずもなく、フジテレビ系の「アウト×デラックス」に出演した際には
・魔界村16時間、ファイナルファイト12時間とゲームのやりすぎで腱鞘炎になり試合を欠場
・満員電車が苦手なため途中下車して遅刻するほど人混みが苦手
・めんどくさい、自由でいたいという思いが勝り女性と付き合えない 等のエピソードも語られた。

G1優勝決定戦当日の飯伏。キレキレの身体は腹筋が割れ血管が浮き上がる

そんな飯伏は盟友であるケニーオメガと昨年ゴールデン☆ラヴァーズとして活動するも、その盟友ケニーは米国AEWへと活躍の場を移してしまう。飯伏にも超高額の契約金を用意していたと一部報道にもあったが、そんな誘惑を断ち切って飯伏は今年4月に新日本プロレスに正式入団。「死ぬまで、終わるまで。それがボクの契約期間です」と生涯を新日本プロレスで貫き通す決意を固める。

この頃から飯伏の体つきが変わってきた。かねてより飯伏の身体の美しさには定評があったが、その食生活は「ジャンクフード」好きで「高脂肪・高カロリー」路線一直線であった。ハンバーグに大量のチーズをのせたり、ホットケーキにアイスクリームをトッピングしたり、試合後の食事は毎回ファーストフードにコーラの様なイメージだったが、覚悟が定まり、心が整ったことで摂生をし身体を更に鍛え上げ始めたのだろう。以前にもまして身体のキレがとてつもないことになっていった。

かつて飲めなかったお酒を勢いよく飲む飯伏。覚悟が定まったからこその素晴らしい飲みっぷりに 記者陣からも「オー!」と歓声が上がった。

その精神面、肉体面の充実の結果がG1優勝という形となって現れた。優勝決定戦当日はバレットクラブの面々が10名でリングインしたのに対し飯伏はたった1人。しかしその状況にもめげずに魂のこもったファイトとアメリカに渡った先輩・友への思いも背負って見事にG1の優勝旗をその手にした。

戦前からの優勝予想でもAブロックの人気1位の飯伏とBブロックの人気2位のジェイが通過したことでファンの満足度も非常に高い大会となったと感じている。ジェイホワイトは開幕3連敗後の6連勝で見事に決勝進出。憎々しいまでの徹底したヒールっぷりが板につき会場でのブーイングの大きさがその存在感の大きさを感じさせている。今後も新日本の主力戦線の台風の目としてかき乱していってくれるだろう。

◆G1の結果を受けての今後の展開予想◆

さてG1が終わり、今後のシングル戦線がどうなっていくのかの展望を予想したい。毎年G1が終わるとその後に見据えるのは翌年1.4の東京ドームに向けてのROAD TO 東京ドーム戦線となる。今回のG1でも各シングルチャンピオンが軒並み参戦しており、様々な遺恨が発生している。これらを東京ドームに向けて清算しながら年間最大のビッグマッチである東京ドームに向けてベルトを保持できるかが見どころとなりそうだ。

© New Japan Pro-Wrestling Co.,Ltd.

各ベルト戦線ごとに今後の展開を予想してみたい。
※あくまで一個人の予想なのでなんの保証もありませんことをご了承ください。

【1.4東京ドームのIWGPヘビー挑戦権利証】

飯伏幸太が獲得した権利証。例年の流れに従えば、この権利証を巡り東京ドーム大会まで飯伏は防衛を重ねる必要がでてくる。

飯伏がG1で黒星を喫した選手は
・KENTA
・EVIL
この二人が防衛戦の最有力候補と言えよう。10.14両国国技館のビッグマッチでいずれかの選手と防衛戦が組まれる可能性が高いと考える。果たして飯伏幸太は東京ドーム大会までたどり着くことはできるのか?そして1.4でIWGPを獲得して、一夜明け会見で提案した1.5にインターコンチとの統一戦を成立させ二冠チャンピオンになることができるか期待だ。

【IWGPヘビー級王座】

現在のチャンピオンはオカダカズチカ。G1では破竹の7連勝で、すわぶっちぎりの全勝優勝か?とも思わせたが終盤に星を落とした。

オカダカズチカがG1で黒星を喫した選手は
・SANADA
・飯伏幸太

このうち飯伏はG1で優勝し権利証を保持したことにより、直接すぐに防衛戦となるよりも1.4東京ドームで直接雌雄を決すると考えるのが筋。となると優勝者以外で唯一苦杯をなめたSANADAと10.14両国での防衛戦が浮上してくる。両国での”ライバル”同士の決戦はテクニックとフィジカルの高レベルな次元の鉄板カード。但しその前に8.31ロンドンでの鈴木みのるとのIWGPヘビー戦をオカダが防衛することが必要となる。

もしここでオカダがベルトを落とし、鈴木みのるがチャンピオンになると1.4までのIWGPロードはどうなることやら全く予想がつかなくなる。しかしそれはそれで全く新しい世界が開け見てみたいと言えば見てみたくもなる…

【IWGPインターコンチネンタル王座】

現在のチャンピオンは内藤哲也。G1では開幕から2連敗。まさかの事態にロスインゴファンは多少「焦った」かもしれないが、その後2連勝と星を持ち直した。しかしモクスリーにまさかの敗戦であわや優勝戦線から脱落かと、またロスインゴファンを多少「焦らせ」た後、3連勝。Bブロック最終戦で惜しくもジェイ・ホワイトに敗れたものの内藤哲也ここにありの存在感を示した。

内藤哲也が星を落とした相手は
・矢野通
・タイチ
・ジョンモクスリー
・ジェイホワイト

このうちジョンモクスリーは現在IWGP USヘビー級のベルトの保持者であるのでインターコンチのベルトにはしばらくは絡まないと考えてよさそう。となると最終戦で星を奪われたジェイ・ホワイトと雌雄を決する一戦。もしくはなんだかんだ因縁をふっかけてくる聖帝タイチとの防衛戦が行われそうだ。

矢野通とも黒星を清算をしたいところだが、元来G1の矢野は急所攻撃や丸め込みで一瞬の隙をついての勝ち星を得るタイプであるだけにインターコンチの防衛戦の相手には少々役不足の印象。とはいえ個人的には矢野通とベルトをかけて試合をしたらとても面白いことになるとは思っている。矢野が白いベルトを盗んだり、内藤の足をテープでグルグル巻きにしてリングアウト勝ちしたら痛快だ。

また内藤にはIWGPとインターコンチを同時戴冠するという2冠の夢をニュージャパンカップ、G1とずっと話し続けている内藤にとっては先日の飯伏の、1.5での2冠タイトルマッチの提案は非常においしいと考えているはず。まさにカモがネギをしょってやってくるカモネギ状態なわけで、内藤としては是が非でも1.5までベルトを防衛し続けるモチベーションは高いこと間違いなしだ。

【IWGP USヘビー級王座】

現在のチャンピオンはジョン・モクスリー。束縛の強かった前団体時代から解き放たれて自由でバイオレンスなファイトを新日本とAEWで展開するモクスリーは、6月の両国でジュースからベルトを奪い、海野をタッグパートナーにしながらG1マットでも大暴れ!開幕から5連勝を飾り、スーパースターの実力は伊達じゃない!一時はオカダと共に全勝同士の優勝決定戦もあるのでは?と思わせた。しかしそこからまさかの4連敗。モクスリーのバイオレンスな夏は強烈なインパクトを残したが優勝決定戦には進めなかった。

モクスリーが星を落とした相手は
・矢野通
・ジェイホワイト
・後藤洋央紀
・ジュースロビンソン

USヘビー級のベルトの成り立ちとこれまでの歴代チャンピオンが全員外人であることを考えるとこの中で挑戦権を手にできそうなのはジェイ・ホワイトとジュース・ロビンソン。ジュースと戦えば今年3戦目となるがここまで1勝1敗なので十分ありそう。またジェイ・ホワイトとの戦いも新日本に参戦しているNo.1外人を決める抗争としてかなり盛り上がりそうである。

穴的に後藤が挑戦ということを考えるのであれば、彼はLA DOJOで修行をしてきたからある意味で今背負っているのはアメリカの道場、ということでUSヘビーのベルトにある意味挑戦する意義があるのかもしれない。LA DOJO出身者が歴代USヘビーチャンプに君臨するようになれば、それはそれで胸熱な展開にはなりそう。

【NEVER無差別級王座】

現在のチャンピオンは石井智宏。長州力の魂を受け継ぐ石井はどの試合も根性の据わったものでベストバウト製造機といっても過言でない鉄板ぶりだ。G1でも熱い試合を連日繰り広げたが開幕2連勝の後に負けが続き残念ながら4勝5敗とタイトルホルダーの中では唯一の負け越し。今後の巻き返しに期待したい。

石井智宏が負けた相手は次の通り
・ジョンモクスリー
・内藤哲也
・後藤洋央紀
・鷹木信悟
・タイチ

現状、8.31ロンドン大会でCHAOS・正規軍を裏切ったKENTAの挑戦が決まっているため石井が防衛できるかどうかが重要になってくる。防衛が出来た場合には、現状ベルト保持者のモクスリーと内藤は除外して後藤、鷹木、タイチが黒星清算対象者となるがその3名の中であれば鷹木信悟の挑戦を推したい。Jrヘビーから無差別級をアピールしG1を通じてヘビーにも通用することを示したことから、今後はヘビー級として戦っていく鷹木ならばバチバチのNEVERの戦いを見せてくれるだろう。

もしKENTAが8.31でベルトを奪った場合(現状、ヒールターンをした直後でバレットクラブの介入も大いに考えられるためベルト奪取の可能性は高いと考える)、どこにケンカを売っていくのかに注目が集まるだろう。まずは裏切り者を許さないCHAOS・正規軍から挑戦者がでてきそうだ。例えば裏切られた試合で返り討ちにあったYOSHI-HASHI等…ここで柴田勝頼が戦線復帰してくるようだと非常に盛り上がる展開だ。

以上2019年のG1の振り返りと今後の展開を予想してみた。1.4と1.5の東京ドーム2DAYSに向けてますます盛り上がる新日本プロレスから今後も目を離せそうにない。

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