【編集長コラム】「中国拳法マスター アンディ・ウーの新たな闘いに注目」

3月末をもって活動休止となったWRESTLE-1。フリー戦士になった選手が集った4・1後楽園ホール大会も、新型コロナウィルス問題で無観客試合となるなど波乱続きだった。

その後、全日本プロレスのリングに芦野祥太郎が登場するなど、新たな道も見えてきたが、芦野の参戦が内定していたチャンピオン・カーニバルが無期限延期される等、事態はますます厳しくなっている。

元W-1戦士の「中国拳法マスター」アンディ・ウーも、昨年に続いて5月に開催を予定していた「お寺プロレス」が中止。「何とかならないかな、という甘い考えも緊急事態宣言で完全にアウトですよね」と、マスクから覗く目が寂しげだ。

リングインした後の華やかな剣舞と、小気味よい軽やかなファイトで人気のウー。実は様々な団体から参戦要請が届いていたというが「一旦、保留」続き。全日本プロレスの6・7兵庫・神戸大会に参加は決まったものの、先行きは不透明。新型コロナ問題の終結時期が気になるところだ。

プロレス界だけでなく日本、そして世界がピンチに陥っているが、ウーは「関西出身ですから」と持ち前の明るさで前向きそのもの。W-1時代の先輩、征矢学が「彼は穏やかな性格で、お笑いがすごく好きでとてもいい奴ですよ!」と太鼓判を押すほどの好青年なのだ。

ウーは「いつまでかはわかりませんが、永遠にこのままということはない。いつかは元通りになりますよ。その時に備えて、今やれることを万全にしておきます」と、トレーニングにも一段と力が入っている。

全日本プロレス6・7神戸大会では、同じく参戦する「武藤さんと絡みたい」とキッパリ。グレート・ムタとは戦ったことがあるが、武藤敬司とは初遭遇となる。組むにしろ、闘うにしろ「武藤さんを体感したい」と腕を撫す。

そして全日本プロレスのジュニア抗争への殴り込みだ。「僕がいたころの全日本ジュニアとは、全くメンバーが変わっている。岩本(煌史)や岡田(佑介)と、やってみたい」と目を輝かせた。

W-1でも「クルーザーディビジョン王者」として活躍してきた。最後の王座こそ吉岡世紀に譲ったが、通算4回も戴冠。王座史にその名を残している。「団体は休止でもベルトは存在している。吉岡にどこかのリングで挑戦できれば」と、5回目のW-1クルーザー王座に意欲満々だ。

全日本プロレスの世界ジュニア王座は、現在、DRAGON GATEの横須賀ススムに流出している。「俺が奪還してやる」と、W-1クルーザーそして世界ジュニアの2冠王まで視野に入れている。

もちろん、ターゲットは全日マットだけではない。DRAGON GATEの横須賀に加えて、ジェイソン・リーにも牙をむく。香港出身でカンフーを取り入れたファイトスタイルで暴れているリーに、ウーはデビュー後、間もないころに敗れているのだ。

「借りがあるんです。このままでは、引き下がれません」と、唇をかむ。中国拳法の使い手として、倍返しどころか三倍返しを誓う。幕末の、北辰一刀流と天然理心流のようなライバル関係か「カンフーVS中国拳法」の熱い闘いが、プロレスのリングで見られる日が待ち遠しい。

海外マットにも興味津々のウー。中国拳法そして全日本プロレス、W-1で培ったプロレス力で、新たな戦場を切り開く。正念場を迎えた中国拳法マスターから目を離せない。

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