【新日本】1.4 WRESTLE KINGDOM 15 in 東京ドーム〔全試合結果・バックステージコメント掲載〕飯伏「2021年は飯伏幸太の年にしたい」

新日本プロレスは4日、東京ドームで『WRESTLE KINGDOM 15』を開催した。

年間最大のビッグマッチである東京ドーム大会の初日となる今大会では、メインイベントでIWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタルダブル選手権試合、王者・内藤哲也と挑戦者・飯伏幸太の同級生対決が実現。

セミファイナルでは昨年G1最終日にオカダ・カズチカを裏切りTHE EMPIREを結成したウィル・オスプレイとオカダ・カズチカが対戦。第5試合では棚橋弘至とグレート-O-カーンがスペシャルシングルマッチで戦った。

その他の試合を含めた、東京ドーム大会初日の模様を試合結果・バックステージコメント含め全文掲載。

WRESTLE KINGDOM 15 in 東京ドーム

日時:2021年1月4日(月) 15:00開場 17:00開始
会場:東京ドーム

観衆:12,689人

◆オープニング◆ドン・キナシこと木梨憲武が長州力を引き連れてオープニングコール

長州力は孫を抱いての入場

▼第0試合 「KOPW 2021」進出者争奪ニュージャパンランボー

1.チェーズ・オーエンズ〇
2.石井智宏 ✖
3.鈴木みのる ✖
4.永田裕志 ✖
5.トーア・ヘナーレ ✖
6.後藤洋央紀 ✖
7.高橋裕二郎 ✖
8.YOSHI-HASHI ✖
9.真壁刀義 ✖
10. 本間朋晃 ✖

11.天山広吉 ✖
12. ロッキー・ロメロ ✖
13.DOUKI ✖
14.SHO ✖
15.BUSHI〇
16.タイガーマスク ✖
17.バッドラック・ファレ〇
18.ゲイブリエル・キッド✖
19.上村優也✖
20.辻陽太✖
21. 矢野通〇

34分40秒 オーバー・ザ・トップロープ

※チェーズ、ファレ、BUSHI、矢野が「KOPW 2021」決定戦4WAYマッチ進出権を獲得。

失格順:永田裕志、鈴木みのる、トーア・ヘナーレ、後藤洋央紀、YOSHI-HASHI、真壁刀義、DOUKI、高橋裕二郎、石井智宏、本間朋晃、天山広吉、ロッキー・ロメロ、SHO、タイガーマスク、ゲイブリエル・キッド、辻陽太、上村優也

▼バックステージコメント

BUSHI「ハッハッハッハッハ! 見たか、結果、残ったぞ。第0試合が組まれて、この『ニュージャパンランボー』の必勝法を思いついたよ。それは、参加しないことだ。見たか? 俺は別に落とされてないよ。ね、(失格になるのは)オーバー・ザ・トップロープ、3カウント、ギブアップ、そのどれかでしょ? でも俺はリングサイドにいたからね。カウントも取られてない。つまり、非協力的に不参加ならば、最後まで残る。この必勝法をゲットして、そして明日の第1試合、『KOPW 2021』決定戦4WAY、この出場権をゲットしたんだ。今年、幸先いいね。楽しみだ!」

チェーズ「(※インタビュースペースの椅子を蹴倒して)どうよ!? ファイナル4人のうちの2人がここにいるぞ! 『KOPW 2021』決定戦4WAY、タイトルマッチなのかトロフィー争奪戦なのか分からないが……トロフィーマッチかな? この2人が残ったぞ! ただ一つ、俺が今ムカついているのは……」

ファレ「前にも言ったが……」

チェーズ「ヤノ!オマエだよ! オマエにムカついてるんだ! 俺がナンバー1だったはずなのに、邪魔しやがって!」

ファレ「ろくにリングにも上がらず、あんなズル賢いことしやがって!」

チェーズ「俺たち2人、BULLET CLUBの2人が残ったんだ! BUSHI、ヤノとの4WAYは、俺たちでアイツらを倒してやろうぜ! 2人でアイツらを蹴倒してやるんだ!」

ファレ「えっ、もしオマエが勝ったら、俺はどうなるんだ?」

チェーズ「キミは今日、チャンスがあったんだからいいじゃん! 俺に花を持たせてくれよ!」

ファレ「うるさい!(※と、チェーズの胸をど突いて控室へ)」

矢野「2021年、KOPWから、戦いが始まった! そして私はこの激闘を勝ち抜き、明日はさらなる激闘を勝ち抜くであろう! さようなら!」

ヘナーレ「ダメージは一切ない、見ての通りだ! ランブルなのでそんなことを言っても仕方ないが、今日は2人に勝つことができた。去年はツジ1人だったが、今年はナガタとスズキを排除することができた。すごく尊敬している2人に勝ててうれしい。アメリカには『一生懸命努力していれば、アイドルがライバルになる』ということわざがある。それがまさに今日、自分の戦いとして現れた1日だった。去年の最後に言った通りだ。(※日本語で)『2021年、トーア・ヘナーレは新日本プロレスで一番真面目な外国人』だ!」

▼第1試合 60分1本勝負
『BEST OF THE SUPER Jr. 27』優勝者 vs 『SUPER J-CUP 2020』優勝者スペシャルシングルマッチ

ファンタズモはSuper J-Cup覇者の証であるゴールドジャケットを手にしての入場

<BOSJ27優勝者>〇高橋 ヒロム vs ✖エル・ファンタズモ<SJC2020優勝者>

17分46秒 ウラカン・ラナ

※ヒロムが1.5東京ドーム大会でIWGPジュニアヘビー級王座に挑戦

▼バックステージコメント

※スーツ姿でベルトを肩にかけた石森が先にインタビュースペースにやってくると、「あーっ、クソッ!」と叫びながら入ってくるヒロムを拍手で迎え入れる。

ヒロム「これはこれは、チャンピオン様じゃないですか」

石森「おお! 明日、俺の相手はヒロムになったか。だいぶ、ファンタズモにやられてたけど……てか、オマエ、ギリギリで勝ったな!(笑) ま、俺が明日、とどめを刺す、ってことだな(※と、マイクを置いて立ち去ろうとする)」

ヒロム「言いたいことだけ言って帰るんですか? 言いたいことだけ言って終わりですか? まぁ、俺のマイクも聞いていってくださいよ。石森さん、あなたと東京ドームで思いっきり戦えることをとても大変うれしく思います。あなたも同じでしょ? ホントは、俺とバチバチやり合いたかったんじゃないですか? どうでしょう、マイクを渡した方がいいですか?」

石森「あー、俺はファンタズモとやりたかったなー」

ヒロム「残念ながら、その願いは叶わなかったようです。それでは、明日楽しみにしていてください。『BEST OF THE SUPER Jr.』覇者、現IWGP ジュニアヘビー級王者、どちらが強いかハッキリさせましょう。楽しみに待ってます。お帰りください」

※石森は満面の笑みを浮かべながら退出。

ヒロム「あー……東京ドーム、第1試合、クソみたいな試合になっちまったな。何かは分からない。何かは分からないが、この戦い、全くフェアじゃなかったぞ。分かんねぇだろ。見てる方には分かんねぇよな。俺だって必死にそれが何なのか確かめたく、試合しちまったからな。でも、アイツは何かしてるぞ。ハッキリ言っといてやるからな。世界中の人間が見てるだろう。世界中の人間がこの試合を見ただろう。アイツは何か反則をしている。調べてくれ。(※報道陣に)何か質問があるんですか?」

──その“何か”というのは具体的に、ヒロム選手の中では何なのか分かってるんですか?

ヒロム「それが何か分からないから、あれだけ試合中、試合後、レフェリーにチェックしろと、体をチェックしろと言っていたんですが、それでも分からなかった。何があったのか分からない。ただ、フェアな試合じゃなかった」

──改めて明日のタイトル挑戦への意気込みを。

ヒロム「絶対勝ちます。それしかないでしょう。それ以外の言葉、聞きたいですか? 聞きたくないでしょう。ストレス溜まってんだよ! こっちだって毎日毎日、こんなつまらない世界で、すとれす溜めてんだ! 見に来てるお客さんだってストレスが溜まって仕方ねぇだろう! だったら、プロレスにぶつけろ! プロレスに思いっきりストレスをぶつけろ! 俺たちがそれを全て、きれいサッパリ、発散させてやる。そんな試合を、俺と石森ならできるでしょう。そしてみんなも楽しみにしてるでしょう。明日は、そのストレスを、全ストレスを、取り除いた上で、俺がチャンピオンになる。『BEST OF THE SUPER Jr. 27』覇者、そしてIWGPジュニアヘビー級チャンピオンになるのは、この俺だ」

ファンタズモ「俺の人生最大のショーで、とんでもない侮辱をされたもんだな。オマエはずっと、俺のシューズの中に何か入っていると言い続けていたが、オマエに一つ教えてやろう。俺は3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月までずっと、スーパーキックとストンピングを練習し続けていたんだ! そして最強のスーパーキックの開発に時間を費やしてきたんだ。だから、俺のキックには仕掛けなど一切ない! 俺の顔にズームして、よく見てくれよ。オマエは俺の口をこじ開けて、ずっと何か言っていたが、逆にオマエもブーツの中に何か仕込んでいたんじゃないか? そう思うと、本当に悔しいよ。本来なら俺は今日、この試合に勝って『WRESTLE KINGDOM』のDay2で、俺の親友であり、IWGPジュニアヘビー級チャンピオンである石森と試合ができるはずだった。でも、そうはいかなかった。しかもこんなに無理矢理に口をこじ開けられ、ひどい状態だ。今夜一晩、俺は眠れずにずっと考え続けているんだろう。『もし俺のスーパーキックがアイツに当たっていれば』と。まぁでも、幸運を祈るよ。オマエは持ちうる限りの運を使い果たしても、明日の試合に勝てるかどうか分からないからな。ありがとう」

▼第2試合 60分1本勝負 IWGPタッグ選手権試合

<第87代チャンピオンチーム>
ザック・セイバーJr.&タイチ✖
vs
<チャレンジャーチーム/WORLD TAG LEAGUE2020優勝チーム>
〇タンガ・ロア&タマ・トンガ

エイプシット→片エビ固め

※王者組が3度目の防衛に失敗。タマ&タンガが新王者組となる。

▼バックステージコメント

タマ「(先に入ってきた邪道とハグをして)やったぞー! (邪道に向かって)I love you!」

タンガ「(邪道に向かって)I love you too!」

──史上最多の戴冠回数となったわけですけど、試合を振り返って、今ベルトを手にして、どんなお気持ちですか?

タンガ「やってやったぞ! タッグのツアーが始まった時に俺は世界に向けて言ったんだ。俺たちは今、使命に向けて進んでいるんだ、と。その使命とは何か? 一つは今年のタッグリーグで優勝すること。これは達成した。チェック! そしてトーキョードームに来て、元々俺たちのものであるはずのこのタイトルを獲り返す。これも達成した。チェック! IWGPヘビー級のタッグ王座は俺たちのものなんだ。これ以上、俺は何を言うべきか? 自分たちがここまで今年、何を乗り越えてきたかということもお前たちは理解しなければいけないだろう。俺たちが何を乗り越えたか? それは世界中で起こっているこのパンデミック。また、タッグリーグでは9つのタッグチームと戦い、そこを勝ち抜いてのトーキョードームであるということだ。そして、今日、ザックとタイチをこの場で倒して、7回目のヘビー級タッグのチャンピオンの座に就くことができた。もし、俺たちのことを最強と呼ばないのなら、何が最強なのか説明してほしい」

タマ「俺が自分の兄弟に声をかけ、ゲリラズ・オブ・デスティニーを結成したのが2016年。そしてここまでの4年間は戦いばかり。それもつらい戦いばかりだった。山あり谷あり。それも激しいものだった。ヘビー級のタッグのチャンピオンになったとはいえ、なかなか『WORLD TAG LEAGUE』で勝つことができなかった。しかし、この1年は自分たちの強さをさらに証明することができた1年だったと思う。そして、この『WRESTLE KINGDOM』で、俺たちを押さえられると思ったか? それは大間違いだ。俺たちは進むべき道を進むのみ。絶対に諦めないし、歩みも止めない。俺たちが倒れるところを見ることは、お前たちはないのだろう。もし倒れるところを見たいのだったら、完全に息の根を止めてみるがいい。そうでないならば、必ずカムバックしてみせるんだ。そして、俺を怒らせないほうがいい。なぜなら、俺を一度怒らせれば、手がつけられない状態になるのはお前たちもわかっていることだろう。しかしながら、ここ10年はとても長い道のりだった。ついにトーキョードームで初勝利を上げることができた。ゲリラズ・オブ・デスティニーの略、G.o.D。そのまま読めばゴッド、神だ。それが俺たちなんだ。7回目のIWGPヘビー級タッグのチャンピオン。史上最多の記録を打ち立てることができた。間違いなく俺たちは最強だろう(と言って、タンガと邪道と一緒にToo Sweetを決めて抱擁。その後、3人でZIMAで乾杯をしながら写真撮影に応じてから退場)」

ザック「(コメントスペースに入ってくるなりイスを蹴飛ばして激怒しながら)レフェリーはいったい何をやっているんだ! このニュージャパンのレフェリーはいったい何をやっているんだ! もしかしたら盲目なのか? ケンタはその中でも唯一と言っていいまともなレフェリーだと思っていたけど、それも間違いだったようだな。俺はニュージャパンのレフェリー全員に視力検査を義務づけたいと思う。タッグのベルトをこのトーキョードームで失うなんてあり得ない事態だ。あっちは6回チャンピオン、7回目と言っているけども、俺たちはわずか6カ月の間にこのベルトの価値を上げてやったんだ。すぐにでも再戦をしたい。今すぐにリマッチをやろうじゃないか! あいつらは自分たちがこの会社を代表するタッグチームだと言っているけども、もしそれを証明したいのなら、すぐにリマッチをして、お前たちの強さを俺たち相手に証明してみせるがいい。(脇に置いてあったZIMAを見て)あのZIMAもふざけんな! 目に入ってくるだけで気分が悪い! あっても俺たちは飲めないし、本当に胸糞悪い!」

DOUKI「どけろ、ZIMA!」

ザック「いつでもどこでもいいから早く再戦を決めてくれ。目障りだ!」

DOUKI「おい、ザックの言った通りだ! こいつらはたった6カ月で、ベルトの価値を上げまくっただろう。(それが)なくなっちまっただろう。なんだ、あの勝ち方! それよりレフェリーふざけんじゃねえ! ちゃんと見てんのか、この野郎! おいおい、目は節穴かよ! 今日は東京ドームだぞ。ちゃんとチェックしろよ、この野郎! ハァァァッ、クソッ! クソッ! 俺も責任感じてるよ。あの邪道のタコを俺がちゃんと止めてればよ、おい! おい!(と言って鉄パイプでテーブルを殴る)。こんなことにならなかったんだ、おい! このままじゃ終わらねえぞ! おい、リマッチだ! リマッチだ、あいつらと、おい! おい、邪道! てめえも俺と1vs1でやれ、この野郎! あああああああ!(絶叫)」

※タイチはDOUKIに背負われてコメントブースにやって来るが、イスに座って突っ伏したままノーコメント。

▼第3試合 60分1本勝負
IWGP USヘビー級王座挑戦権利証争奪戦

<権利証保持者/NJCUSA優勝者>〇KENTA vs ✖小島 聡<チャレンジャー>

14分12秒 go 2 sleep → 片エビ固め

※KENTAが権利証の防衛に成功

▼バックステージコメント

KENTA「(※権利証のケースを机に置くと、報道陣に)はい、起立! 気をつけ! 礼!(※報道陣、頭を下げて一礼)はい、着席。見た? ジョンモクのVTR見た? カッコよすぎんだろ、何だアレ。誰も、アイツが戻ってくること望んでない……いや、メチャクチャ望んでたっつの。(※机を小刻みに叩きながら)メチャクチャ望んでたっつーの! えぇ!? で? 『この試合に勝ったヤツとやってやる』? いやいや、俺『やる』なんて言ってねぇよ、ひと言も。コレ!(※と、権利証のケースを指して)俺、コレ永久に守るから。オマエが、俺とやりたかったら、オマエが挑戦してこいよ。オマエ、何回防衛してんだよ。それよりも俺はコレ、防衛してっから。今日のキジマだって、年齢感じさせないぐらい頑張ったじゃねぇかよ。でも、俺のレベルじゃねぇんだよ。挑戦したかったら、オマエがコレに挑戦してこいよ。……って言いたいとこだけど、俺挑戦するぅ、勝ったから、喜んで。次、決まってんでしょ? 行くよ? やるよ? 来るの? やるよ、いつでもどこでも! 本当に俺が、シンプルに、何が言いたいかっていうと、『普通にやっと挑戦できてうれしい』ってこと。はい、起立! 気をつけ! 礼!(※報道陣、頭を下げて一礼) はい、解散!」

小島「(※フラつく足取りでインタビュースペースにたどり着き)昨年の12月23日にジュース・ロビンソン選手の代打を請け負って、そこからKENTAに挑戦表明し、約2週間、とても濃密な、自分にとってかけがえのない時間を過ごすことができました。ジュースのケガはとても心配だし、ずっと『早く治してほしい』と願っています。だけど、俺に巡ってきたこの機会は、やはり逃したくはなかった。あえて“チャンス”とは言わない。別に、人のケガをチャンスなんて思いたくないから。ただ、そういう機会がたまたま俺のところに回ってきた。だから、そういう機会を逃さないようにやってこそ、長いキャリアを持っているプロレスラーだと、そう思って、今日の試合に臨みました。ですが、そんなに甘くない。だからこそ、甘くないから、今日までずっと夢中になってプロレスを続けてきたんだと、そう思ってます。そんな簡単に物事が運んだら、こんなにつらい思いで、厳しい気持ちでプロレスを続けてはいなかったと思います。いいこともいっぱいあるけど、たぶんその何倍も大変なこととか、つらいこととかの方が多いと思う。どのプロレスラーも、そういうレスラー人生を送っていると思う。だから俺みたいにとても長いキャリアの人間はそういう、頑張れば報われるというところを見せたかった。たくさんいるプロレスラーの人に。そういう姿を見てもらいたかった。そしてこんな俺にも、いろんなことを重ね合わせて応援してくれるファンの方にも、そういう姿を見せたかった。たとえプロレスラーじゃなくても、サラリーマンでもその他の仕事でも、俺と同じぐらいの年齢で、俺と同じぐらいのキャリアで、様々な悩みを抱えている人間の、その代弁者となって、俺は今日の試合に勝ちたかった。だけど、甘くないからこそ、また明日から頑張ろうと、思っています。すげぇありがたいプロレス人生だよ。こんな、30年迎えるにあたって、こんなかけがえのないパートナーが、試合前に『セコンドついてやるよ』って言ってくれる、そんないいプロレス人生ねぇだろって、俺は思ってるから。だからもうちょっと、俺のやれること、できることを、信念を持って続けていきたいと思います。ありがとうございました」

▼第4試合 60分1本勝負 スペシャルシングルマッチ

〇棚橋 弘至 vs ✖グレート-O-カーン

17分13秒 ハイフライフロー→片エビ固め

▼バックステージコメント

棚橋「はい! ありがとうございました!」

──今日は新たなコスチュームで試合に臨みましたけど、その新たなコスチュームに込めた思いを聞かせてもらっていいですか?

棚橋「派手に行きたいなと。いろいろね、こういう状況の中でどっか行けなかったり、好きなもん食えなかったりっていうのがあるから、僕の格好だけでも派手でいいんじゃないかと、そういう思いがありましたね」

──そして、東京ドームでシングルの舞台。相手はオーカーン選手でしたけども、戦ってみての改めての気持ちっていうのはいかがですか?

棚橋「ああ、強いっすよ。何が強いかって、見ての通り、凱旋帰国っていうのはプロレスラーにとっては華なんですよ。マスター・ワトもそうだし、オーカーンもそうだし、本来であれば凱旋帰国=華々しく活躍するっていうね、思いがあって海外に行ってたと思うんですよね。それがこういう状況の中で悔しいだろうなって。相手のことだけど、相当悔しいだろうなと。でも、オカダ・カズチカの凱旋が一つの形であれば、オーカーンはオーカーンなりの爪痕を今しっかり残している最中だから。今日はたまたま勝ったけど、今のIWGPインターコンチ戦線にいる選手。新日本プロレスは今、選手が充実してきてますよ」

──前哨戦でかなり膝をやられていましたけど、今日はパイプイスを持って、でも攻撃しなかった。あの時の葛藤はどうだったんですか?

棚橋「ファンの思いを乗せたかったんですけど、僕ね、自分の一番短所だと思うんですけど、怒りの持続力がないんですよ。もう昨年末のことじゃないですか? それだったらば、ドームで最高のパフォーマンスを見せるっていうほうに、僕のエネルギーが注がれてしまうんで。ただね、まだね、彼との戦いは続いていきますよ。そんな気がします」

──試合の前にプロレスがこの状況の中でできることに感謝したいというお話がありましたけども、改めてこの環境の中で東京ドームで戦ったレスラーとしての思いっていうのはどうですか?

棚橋「う~う、う~う、東京ドームのメインイベントを何回も経験してきて、昨年もイッテンヨン、イッテンゴと満員がついて、さあいよいよこっからだって。選手としてのね……残酷な話、選手としてのピークは過ぎてるかもしれない。けど、もう一度! もう一度っていう思いがあった中でのこういう状況で、本当にどうしようかなと思ったんですよ。新日本プロレスをね、もう一度盛り上げて復活させてきたって、皆さんに言ってもらえるので、残りのキャリアでベルトを狙うのはもちろんなんだけど、もう一回プロレスを盛り上げます。残りのキャリア全部使ってでも。それが今までプロレスで(徐々に涙声になり)たくさん……たくさん応援してもらった俺の最後の……最後って言いたくないけど、俺の仕事だと思います」

──こういう環境で大きな声で叫べないような状況ですけど、ファンは棚橋さんのあの一言を聞きたい、いつか聞きたいと思っていた方がたくさんいると思うんですよね。そのファンの方に最後メッセージをいただけたらと思います。

棚橋「まずはプロレスファンの皆さん、日々の生活に気をつけて。本当に行きたくても行けない状況っていうのはあると思うし、それは僕も理解しているし、だからこそ、そういう方にももちろん感謝の気持ちを持っているし、今日来てくれたファンの方々にももちろん感謝の気持ちでいっぱいだし。ただ絶対に、絶対にプロレスはなくさないから。(涙で声を詰まらせながら)状況が落ち着いたら、たまにはプロレス会場に遊びに来てください。そう思います。以上です。(立ち上がって)最後はカッコ良くポーズ写真でも撮りますか。せっかく髪型もやってきたし、体も絞ったし。(撮影が終わると)絶対もう一回おもしろくするから」

オーカーン「(腹を押さえながらコメントブースに現れてテーブルの前でマイクを握り、息を切らしながら)ああ……負け犬に……語る言葉は……ねえんだけど……(座り込んで)あいつとさ……あいつの……なんだろう? 教えとかがよ、ねえわけじゃねえんだよ。帝国の侵略は止まんねえよ。(立ち上がって)あいつと一緒だよ(と言って、マイクを叩きつけて退場)」

▼第5試合 60分1本勝負スペシャルシングルマッチ

〇オカダ・カズチカ vs ✖ウィル・オスプレイ

35分41秒  レインメーカー→片エビ固め

▼バックステージコメント

オカダ「(※疲れ切った表情と足取りでインタビュースペースにやってくると、机に座ってもまだしばらくはつらそうな表情を浮かべていたが、マイクを持ち)無事に、新年が明けたような気がします。やっぱり、プロレスラー、プロレス・ファンも、やっと1.4で新年でしょう。いやぁ……手強かった……。強かった、ウィル・オスプレイ。いいんじゃないの、俺を裏切って正解だったんじゃないの。今日の戦いを見て、誰も『オスプレイ、何で裏切ったの?』って、思わないでしょう。こういうプロレスラーになりたいから、こういう戦いがしたいから裏切ったんじゃないかなと思いますし、まぁ裏切ったところで、そんなに簡単にプロレス界のトップ線戦には行けないですから。俺がね、東京ドームで棚橋弘至を倒すのに、何年かかったと、思ってるのか。けっこう長いことかかったよ。そういうのも、オカダとウィル・オスプレイの戦いの歴史の一つとして、作っていけたらいいんじゃないかなと思います。まぁやっと、今日でオカダvsオスプレイ、今まではやっぱり兄弟というような感じでしたけども、対等に向き合って試合ができたんじゃないかなと思います。リング上でも、オスプレイには俺の気持ちっていうのは伝えさせてもらったんで、気になる人は、何とかして……別に、俺がここで言うことがカッコいいと思ってないですから。ただ、俺とウィル・オスプレイ、2021年1月4日からスタート。今までのオカダvsオスプレイっていうのは、ここまでの序章に過ぎないから、これからどんどんどんどん、すごい戦いが2人で行われていくと思います。ありがとうございました」

──35分を超える戦いで、最後の最後に、ついにレインメーカーが出ました。

オカダ「そうですね。まぁ、レインメーカーと言っときながら、今日も金の雨は降ってないですし、お年玉ですよ、僕から。でも、今日は本当につらい攻撃も多い中で、しっかりと立ち上がる姿ってのは見せることができたんじゃないかなと思いますし、やっぱりこういうコロナ禍の中で、少しでもね、元気になってもらわないと、僕たち戦ってる意味がないと思いますので、元気にしたり勇気を与えられるような、試合をしてですね。その中でも、やっぱりこういう状況でもこれだけのお客さんが来てくれて、声も出せない中、しっかりと応援もしてもらって、僕たちもパワーはだいぶいただいてるんで、そこはしっかり返していきたいなと思います。ホントに、プロレス関係者の皆さんもそうですし、ファンの人たちにもホントに、こういう状況でも、無事にこうやって大会ができて、ありがとうございました。まぁちょっと、棚橋弘至っぽいんで、やめときます(笑)」

──途中、マネークリップで仕留めようと思ったでしょうができず、逆にオスプレイ選手のレインメーカーを受けた時には、どういう気持ちでしたか?

オカダ「その前にだいぶ、強烈なものを食らってましたけど、あのオスプレイのレインメーカーがなければ、今日のレインメーカーもなかったと思いますし。ただやっぱり、マネークリップ、今日は決めることができなかったので、そういう意味ではまたしっかり、新しいものを考えて、マネークリップで決められるようにやっていきたいなと思います」

──オカダ・カズチカの2021年は、どういう年にする予定?

オカダ「まぁ……“オカダの年”。ホントに、僕が中心になって、プロレスを……見てる人も、オカダの戦いで熱くなってもらいたいですし、プロレスを知らない人にも、僕を知ってもらってまたプロレスに引き込んでいってですね、プロレスのよさを知ってもらいたいですし。だからやっぱり、2020年はあまりいい結果も残せなかったですし、なので、今年は“オカダの年”にして、この『新日本プロレス・ワールド』も世界中に配信されてるわけですし、どこでも見ることは可能なので、僕の戦いであったり新日本プロレスの戦いを世界中にお届けして、日本も世界も元気にしていきたいと思います」

──今日でちょうど、オカダ選手の腰からベルトがなくなって365日になります。ベルトがない1年間はどうでしたか?

オカダ「慣れましたね。今まではずっと、1年間(ベルトが)なかったということは、帰ってきてからはなかったんじゃないかなと。僕が忘れてるだけかもしれないですけど。まぁ……やっぱ淋しいですよ。やっぱり、ベルトを持って最後に入場してくるからこそ、チャンピオンのすごさっていうのは伝わると思いますし、外の世界に出て行っても、チャンピオンの影響力っていうのはありますし。ただまぁ、2020年にそこに行けなかったのは、僕がふがいなかっただけだと思いますし。今年はしっかりと、その戦いに加われるように。ホントにまぁ、今年の1.4、1.5と、去年の1.4、1.5の僕を抜いた3人が主役のような形になってますから、僕だけ置いてけぼり食らってますんで。そこにしっかりと入っていけるように、追い越せるようにしていきたいなと思います。ありがとうございました」

※オスプレイはノーコメント

▼第6試合 60分1本勝負
IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタルダブル選手権試合

<第72代IWGPヘビー級&第26代IWGPインターコンチネンタルチャンピオン>
✖内藤 哲也
vs
<チャレンジャー/G1 CLIMAX 30優勝者>
〇飯伏 幸太

31分18秒 カミゴェ→片エビ固め

※内藤が2度目の防衛に失敗。飯伏幸太がIWGPヘビー&IWGPインターコンチネンタルの新チャンピオンとなる

▼バックステージコメント

飯伏「僕は今、本当に、本当にうれしいです。この最高のベルトと最強のベルトが今、僕の手元にあるのが夢のようです。でも、ここで終わらせたくない。明日、明日、絶対に守り抜きます。体力全開のジェイ、いつでもなんでも受けてやるよ。なんでも来いよ。僕は絶対に守り抜くから。あと一つ、内藤さん、ありがとう」

──リング上で内藤選手から直接2本のベルトを渡されましたよね? あの時のお気持ちを教えてもらっていいですか?

飯伏「やっぱり、内藤哲也からこの二つのベルトを獲るというのが夢だったんで。それが叶ったっていうのが一つ。あと、まだまだあるんですけど、今ここでは言えないです。それは明日、防衛したら言います」

──今日初めて東京ドームのメインで勝って、一番最後に花道を歩いて帰ってきたと思いますけど、あの時のお気持ちはどうでした?

飯伏「まず花道を歩くこと、メインイベントで花道を歩くこと自体が奇跡というか。僕はデビューして17年経つんですけど、本当に小さなところからコツコツやってきて……(声が詰まってしばらく沈黙してから)よく……ここまで辿りついたなと自分でも思ってます。だからこそ、明日は絶対に負けられないです」

──今日の試合に向けて捨ててしまったものをもう一度取り戻さなければいけないって言ってましたけど、どんなものを取り戻してリングに上がったのでしょうか?

飯伏「やっぱりそのプロレスって、やってるうちにドンドンやっていくことが少なくなっても、技とか動きとかが少なくても試合が作れるし、まあ勝てるようになるんですけど、この1~2年ですかね? 僕はちょっと勝ちにこだわり過ぎたな、自由さがなくなり過ぎたなと思って。もう一度昔のジュニアの頃から、もっと言えばプロレスごっこの頃から、小学校5年生の頃から戻って、改めて自分を思い直して、やっぱり捨て過ぎも良くないなと。もう一度取り返しに行ってきました」

──今日のリングにはあの重富海岸にいた飯伏少年も上がっていたということですか?

飯伏「上がってましたね。それがこの結果だと思います」

──明日のメインに関してなんですが、明日の大会で言っても棚橋選手もいない、オカダ選手もいない、そして内藤選手も出ない。飯伏選手だけだということになりますが、そこで自分が伝えたいもの、見せたいもの、背負ってるもの、そういったところの気持ちがあれば教えてほしいんですが。

飯伏「今こういうコロナの状況で、あんまり人数入れられない状況の中、やっぱり今日もこうやって集まってくれて、僕は一人でもファンの方がいるんであれば、別に僕を見たいわけではなくて、プロレスを見たいという人が一人でもいれば、どこでもタイトルマッチをやります。どこでもなんでも大丈夫です。もっともっとプロレスを広めていきたい」

──明日、改めてジェイ・ホワイト選手と戦う二冠戦に向けて、最後に一言意気込みをお願いします。

飯伏「目標であるプロレスを広めるということをずっと言ってきているんで、それは今も変わらないんで。明日これを守り抜いて、もっともっとプロレスを広めていきたいと思います。2021年は飯伏幸太の年にしたいし、僕だけじゃなくてプロレス界全体を盛り上げていきたい。そう思います」

ジェイ「(外道が拍手して称える中を現れ)一夜限りのものだ。そして、明日の夜にはイブシが持っている、あの2本の輝くベルトは俺のものになる。イブシ、一夜限りだから、しっかりと楽しむがいい。何があっても、常に俺はお前を引きずり下ろす。そもそも、この権利証をお前から奪ったということも忘れてないだろうな? この権利証と同じだ。俺は全てをお前から奪い取ってやる」

内藤「(フラフラとした足取りで現れ、イスを蹴飛ばし、立ったまま)今回の俺の選択、2日連続での防衛戦にチャレンジし、その初日で敗れてしまったわけだけど、後悔はないから。そりゃ2日連続でこの東京ドームのメインイベントに立ちたかったよ。立って、2日間とも花道を反対方向に歩きたかったよ。でも、後悔はないから。お互い今日勝っても、明日ジェイ・ホワイト戦が控えている状況。そんな中、今日、100%俺のほうだけを見てくれた飯伏幸太に俺は感謝してますよ。それにしても、うまくいかないな。本当うまくいかないプロレスラー人生だよ。でもさ、こんなのも俺らしいかな? 俺らしいでしょ。俺らしいプロレスラー人生だよ。(机をバンバン叩いて)さあ、(もう一度机をバンバン叩いて)さあ、明日からいったいどこに向かおうかな? 何を目指そうかな? ちょっと今、わかんないけどさ。でも、でも、はっきり言えることが一つだけあるよ。それは……俺はまたこの東京ドームのメインイベントに帰ってくるから。この東京ドームのメインイベントに、また必ず帰ってくるから。その時をトランキーロ、焦らずに、お待ちください。アディオス!」

(写真提供:新日本プロレス)

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