【アイスリボン】ICEx∞は藤本つかさが鈴季すずを破り王者交代!藤本「私が先頭走っていきます」すず「ハードコア!やりたいんじゃ~」1.23 後楽園「アイスリボン~冬物語~」

アイスリボン後楽園大会
「アイスリボン~冬物語~」
2021年1月23日(土)後楽園ホール
10時45分開場/11時30分開始
観衆:391人

◆第1試合 6人タッグマッチ20分1本勝負
春輝つくし&星ハム子&×Yappy(11分00秒 ギブアップ)宮城もち&青野未来&テクラ〇
※ウィーバックネヒト


新IW19王者のつくしがハム子&Yappyの『私達♡ころんころん。』とトリオを結成。もち&青野の『ロングヘアー引かれ隊』に4ヵ月半ぶり参戦のテクラを加えたトリオとの一戦に臨んだ。大会前の会見でつくしのIW19王座への挑戦を表明したテクラは、久々のアイスのリングで軽快な動きをみせていく。標的のつくしとのからみでは激しいエルボー合戦から変則的なキックのコンビネーションを仕掛けたテクラは、最後もYappyにスピアーからのハイキック2連発を決めると、ウィーバックネヒト(=変形鎌固め)でフィニッシュした。試合後、ベルトを掲げるつくしに不敵な笑顔で歩み寄ったテクラ。つくしvsテクラのIW19王座を巡る戦いに注目だ。

◆第2試合 タッグマッチ20分1本勝負
〇中島安里紗&真白優希(11分09秒 レッグクラッチSH)星いぶき×&石川奈青


中島と真白の超異色タッグが実現。序盤こそ真白の摩訶不思議ムーブを微笑ましくアシストしていた中島だが、真白のクロスボディが誤爆し、さらに倒れた真白に躓いたりと、今一つ息が合わず、試合のリズムを乱されるシーンが続出。その隙を衝いていぶき&石川があえて標的を中島に絞っての攻撃を仕掛けていく。終盤、真白を呼び込んでの合体攻撃も決めた中島はいぶきにエルボー連打を叩き込み、最後はレッグクラッチ・スープレックス・ホールドでカウント3を奪ったが、試合後、握手を求める真白に中島は強烈な張り手を見舞い、さっさとリングを降りてしまった。

◆第3試合 トライアングルリボン選手権試合15分1本勝負
〇ラム会長(10分11秒 エビ固め)松屋うの×
※ダイビングヒップドロップ
※もう一人はチェリー
※第38代王者2度目の防衛に成功


今大会で行われた3大タイトルマッチ中2試合は『Rebel&Enemy』vs『Joint Army』の軍団対抗戦でもあった。まずは『Joint Army』のリーダーうのの挑戦試合。師匠のチェリーと共にトライアングルリボン王座に挑んだ。開始と同時に共闘策に出たうのとチェリーだが、どうにも息が合わない。そこをしっかりと衝いた会長が序盤から試合を有利に進めていく。共闘策が厳しいと判断したチェリーは中盤からうのにも攻撃を仕掛け、熟練のインサイドワークで試合の主導権を握っていく。しかし、ジョイアミのリーダーであるうのも必死の反撃を仕掛け、試合は長期戦になるかと思われたが、エプロンでもつれ合ううのとチェリーにドロップキックを放ち、チェリーを場外に落とした会長が、このチャンスを逃さずに619からダイビングヒップドロップを決め、王座V2を果たした。

◆第4試合 6人タッグマッチ30分1本勝負
世羅りさ&柊くるみ&×藤田あかね(14分15秒 ジャーマンSH)山下りな&トトロさつき&青木いつ希〇
※2/20後楽園で世羅の持つファンタスト王座へ青木の挑戦決定。通常技2カウント&凶器使用3カウントの変則カウントルールに。


Fantast ICE王者の世羅を筆頭に、パワーファイターが揃った6人タッグ。試合はいきなりボディスラムの競演(=山下、トトロ、青木が同時に決めようとするが、山下のみくるみに切り返され、くるみ、トトロ、青木の競演になったが…)でスタート。6選手がパワー全開の攻防を展開し、予想をさらに上回るド迫力マッチになった。最後は青木が躍動。あかねの雪崩式ブレーンバスター、変形バックフリップをしのぐと、逆にあかねにバックフリップを決め、世羅のパイプ椅子攻撃をあかねに誤爆させると、ラリアットから滞空時間の長いジャーマン・スープレックス・ホールドでカウント3を奪取。試合後、「勝ったーっ!」と地声で会場中に響き渡る雄たけびを上げた青木は引き上げようとする世羅を引き留めた。

〈試合後のリング上〉
青木「世羅りさーっ!勝ったぞーっ!私、トトロさつきさんとさつきいつ希ってタッグで絶対タッグも狙っていくって決めてるんですけど、その前にーっ!このカードが組まれた時、私は世羅さん、あなたの腰にあるベルトを~自由なルールのそのベルトを~絶対に挑戦する、勝って挑戦するって決めてたんですよ!」

世羅「そうですか。何なんだ、このなんかちょっと暑苦しい、ウザったらしい感じ。でも目の前で勝たれてしまっては断る理由もありませんね。青木いつ希、いいでしょう。やりましょう。場所…せっかくだから1ヵ月後の2月20日、後楽園ホール大会、この場所でどうですか?」

青木「もちろーん!OK~!」

世羅「すげ~な。マイク使わずその声量なの?うるせえ。はい。大声対決とかだと負けちゃう気がするんで、ルール考えます。あ、いや、せっかくだからさ、青木いつ希選手って、この前の世羅りさプロデュース興行(=10・24ラジアントホール)のときに初ハードコア挑戦してくれて、ハードコアやりたいんだよね、今後?」

青木「やりたい。」

世羅「じゃあハードコアマッチ…と言いたいところですが、この前初ハードコアをやった人を相手にハードコアをやるような鬼畜なチャンピオンじゃないんですよ、私。だから彼女が勝ちそうなところあった方がいいでしょ?優しいんで、私。ということなので、ハードコアはやりたい。だから、凶器を使用する攻撃は3カウントルール、凶器を使用しない通常の技での攻撃は2カウントルールでいかがでしょうか?」

青木「ん~よく…ちょっとわから…理解しとくよ、来月までに!OK-っ!よろしくお願いしまーす!」

◆第5試合 インターナショナルリボンタッグ選手権試合30分1本勝負
〇雪妃真矢&尾﨑妹加(16分27秒 エビ固め)本間多恵&進垣リナ×
※タイガードライバー
※第50代王者初防衛に成功
※試合後うのの呼び掛けによりチェリーがジョイアミに加入


『Rebel&Enemy』vs『Joint Army』の第2ラウンドタイトルマッチ。トライアングルリボン王座は『Rebel&Enemy』の会長がしっかりと王座を防衛しただけに、雪妃&妹加にとっても負けられない初防衛戦だ。試合は王者チームの雪妃の蹴りのコンビネーションと妹加のパワー攻撃に対して、挑戦者チームはジョイアミらしいグランドへ持ち込んでの関節技攻撃で応戦と、お互いの持ち味を真っ向からぶつけ合う、軍団対抗戦らしい意地の張り合いが随所で見られる熱い攻防戦が繰り広げられた。終盤、雪妃をグランドで追い込んだ進垣だが、じわじわとコーナー際に雪妃が引っ張っていったところ、コーナーに控えていた妹加がダイビングセントーンを決める豪快なアシスト。さらに妹加が進垣をアルゼンチン・バックブリーカーに決め、そこにコーナートップから雪妃がニーパットを叩き込む合体攻撃を決めると、最後は雪妃が飛び込みニー、タイガー・スープレックスでフィニッシュ。王座初防衛を飾った。

〈試合後のリング上〉
雪妃「初防衛しました~っ!Joint Armyのお2人、正直、私たちRebel&Enemyに対抗してくれるユニットがいるのはめちゃくちゃ喜ばしいことなんですよ。でも私たちRebel&Enemyはベルト、ユニットによる総獲りを狙ってますので、まだまだ負けるわけにいかないです。だけど何度でも相手しますよ。今後ともよろしくお願いします。」

本間「…まず、Joint Army、リーダーのうのさん。今日すっごい苦い思いをしましたが、でも、やっぱりプロレスは楽しいし、チャンピオンとやるタイトル戦、すっごい楽しいです!負けてめちゃめちゃダサいけど、でも、私達は皆さんが2021年期待するユニットです。今まだ1月ですよね。2021年残りめちゃめちゃあります。でも、その残りの時間全てをインターナショナルリボンタッグやトライアングルリボンのベルト、それに費やす気はサラサラないので。もっともっと、もっともっと強くなりますよ。ね、リーダー。」

うの「ね!」

雪妃「負けたの、リーダーも?」

うの「今日は私もダメだった。でも、ジョイアミ、今年は絶対ベルト巻こう!」

雪妃「本当に思ってんの?」

うの「思ってるよ!」

会長「負けたくせに!」

うの「その価値があるベルト、どんどん挑戦していこう。」

本間「もちろんです!」

うの「ジョイアミ、もっと高み目指していきましょう。そのためにですね、もう1人、ジョイアミに入って欲しい人がいるんだけど、紹介してもいいかな?お呼びしますね。チェリーさん!」
※チェリーがリングへ。初めて聞いて驚く本間と進垣。

うの「チェリーさん、今日戦ってみて分かりました。ジョイアミにチェリーさん必要です。チェリーさんのテクニック、そしてキャリア、今のジョイアミに足りないものたくさんあるんです。是非自分たち、チェリーさんから学んでいきたいんです。ジョイアミに入りませんか?」

チェリー「今、自分たちって言ったけど、2人は初耳みたいですけど大丈夫ですか?みんなの意見ですか?」

本間「初耳ですが、私、柔術はもちろん、リング内の華やかさ、あと悪いこと、そういうのめちゃめちゃ盗みながらリングに立たせて頂いてるので。チェリーさんがジョイアミに入ってくださるというならば、高みを目指すのはもちろん、チェリーさんも超えて行けるように私はなりたいと思うので、本間はめちゃめちゃ賛成です。」

進垣「はい。何も言うことはないです(笑)。」

チェリー「入って欲しいの?」

進垣「お願いします。」

チェリー「みんなの意見ということなので、はい、私、ジョイアミに加入して、これからアイスリボン引っかき回したいと思います!よろしくお願いします!」

雪妃「(うのに詰め寄り)強い人を入れるのはいいことだけど、リーダー取って変わられないようにね。今後ともよろしくお願いします。」

◆第6試合 ICEx∞選手権試合30分1本勝負
×鈴季すず(18分50秒 片エビ固め)藤本つかさ〇
※ビーナスシュート
※第31代王者5度目の防衛に失敗。藤本が第32代王者となる。
※2/20後楽園で山下の挑戦決定


昨年8・9横浜文体大会で雪妃から王座を奪い初めてのチャンピオン・ロードを邁進してきたすずにとっては、5度目の防衛戦。このタイミングで名乗りを挙げたのは×60も合わせて過去に6度、王座戴冠を果たし、過去最多連続防衛記録(11回)も保持している藤本。昨年3・14後楽園ホール大会でのシングル戦で藤本から初フォール勝ちを飾ったことで、事実上、ICE×∞王座挑戦の切符を手にしたすずにとっては、藤本を破り王座防衛をすることは一つの大きな壁でもあった。一方の藤本は旗揚げ15周年の大一番でもある8・9横浜武道館大会を見据えての王座挑戦。まさに横浜武道館への流れを左右するタイトル戦だったわけだ。試合はロックアップでスタート。先に仕掛けたのはすず。コーナーに藤本を振っての串刺しタックルを決める。さらにはりつけドロップキックを決め、カバーに入るがカウントは2。今度は藤本がボディスラム、サッカーキック連打からお返しのはりつけドロップキックからのカバーはカウント2。さらにグランドでのフェースロックを決めた藤本。これをロープに逃れたすずがドロップキックを決め、藤本をコーナーに振ろうとするが、藤本が逆にすずを飛ばして串刺しドロップキック。再度、コーナーに振ろうとするが、これはすずがこらえ、ロープ際の攻防から場外戦へ。リングに戻ると、藤本が闘魂タオルを首にかけての卍固め。さらに串刺しドロップキック。2発目を狙う藤本にカウンターのドロップキックをヒットさせたすずは逆に藤本をコーナーに追い込んでの串刺しドロップキック。激しいエルボー合戦から藤本の延髄をブリッジでかわしたすずがスピアー。すずがコーナーに上がるも、藤本がデッドリードライブからカサドーラへ。藤本が丸め込めば、すずも反転して丸め込む。丸め込み合戦を逃れた藤本がヘッドスプリングで立ち上がるとサッカーキック、ミサイルキックを連続ヒットでカバーもカウント2。藤本がインフィニティを狙うが、これをすずが振り払う。藤本が延髄を決め、ビーナスシュートを狙うが、同じスピードでエプロンに出たすず。藤本をエプロンでのダイヤモンドカッター、助走付き顔面蹴り、さらにリングに戻ってのミサイルキックを放ちカバーに入るもカウント2。すずがお返しのサッカーキックからグランドへ。ロープに逃れた藤本のバックを取ってジャーマンを仕掛けたすずだが、藤本は投げられながらバク宙して着地するとサッカーキックを叩き込む。エルボーの打ち合いから、すずの両腕をキャッチした藤本はそのままグランドへ持ち込み、極楽固めへ。ロープに逃れたすずだが、藤本は串刺し低空ドロップキックを決めると、コーナーに上がりダイビング・ローリングネックブリーカーでカバーに入るがカウント2。再び藤本のバックを取ったすずだが、藤本は必死にこらえるとサッカーキックの連打、PKの連打を放つ。インフィニティを完璧な形で決めた藤本だが、すずはカウント2でキックアウト。三度、藤本のバックに回ったすずだが、バックを取り返した藤本がすずを掟破りのジャーマン投げっぱ。起き上がったすずが掟破りのインフィニティを初公開。ここで両者ダウン。2度目のエルボー合戦からすずがカウンターの竜巻旋風脚。すかさず藤本が延髄ハイキック。今度はすずがジャンピング・ハイキック。藤本はダブルチョップですずを吹っ飛ばし、カバーもカウント2。藤本のたいようちゃん☆ボム狙いを逃れたすずがテキーラショットもカウントはギリギリ2。再び藤本のバックを取るすずだが、これをこらえた藤本はすずのバックに回り、肩車。ジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックスの体勢に入るがこれを前方回転で逃れたすずがそのままカバーもカウント2。今度はドルフィンバスターもカウント2。その場飛びのスパニッシュフライもカウント2。5度目のトライで藤本のバックを取ったすずだが、藤本はこれも必死にこらえるとインフィニティで切り返す。今度は藤本が2度目のジャパニーズ・オーシャン・サイクロンを狙ってすずを抱え上げる。空中で反転したすずは前回、藤本を破った裏高角度回転エビ固めを決めるもカウント2。すずがグラン・マエストロ・デ・テキーラを決めるが、藤本が反転して逆フォール。エビ固めの応酬となり、藤本がツカドーラもカウント2。ふらふらと起き上がったすずに藤本がビーナスシュートを決め、遂にカウント3を奪取。藤本が約2年ぶりにICE×∞王座返り咲きを果たした。

〈試合後のリング上〉

藤本「超新星のすずに、古株の藤本つかさが勝って残念でしたか?時代が戻ったって思いますか?また藤本かって思いますか?私まだまだ頑張りたいんですよ。体だって痛いとこないし、心だって強いし、まだまだ負けたくない!体張ってやってるんですよ。私だってすずだって、勝ちたいと思って、女子プロレスやってるんですよ。今年は団体の15周年、私が先頭走っていきます。すず、ちょっとこっちおいで。(すずが近くに来ると)勝って親孝行するって言ってくれたけど、人間生まれた時から既に親に親孝行してんのだわ。すずがプロレス界に入ってくれただけで私に親孝行してくれてるの。存在がまず嬉しい。ありがとう。だから、可愛くて愛おしいすずには、何も背負って欲しくないし、自由にやりたいことをやって欲しい。あなたが今、一番やりたいことは何ですか?」

すず「(しばし黙って藤本を見つめた後)鈴季すずが一番やりたいこと、それは、デスマッチ!ハードコア!やりたいんじゃ~っ!」

藤本「うん、知ってる。ず~っと言ってたもんね。好きなようにやったらいいんじゃないかなあ。」

すず「アイスリボンに入ったきっかけ、それは、世羅りさがやるデスマッチ。だから今度は自分がデスマッチ界の先頭に立って、アイスリボンにデスマッチを見て入団して来ましたってヤツを連れてくるぞーっ!覚悟は、覚悟はもう出来てます!藤本さん、ベルト獲られて悔しい!しかも新しいベルト!藤本つかさの色は赤だって言ってたのに、新コスチュームに緑入っててるし~!すべてが悔しい!でも、そんな藤本つかさと試合ができて嬉しかった。絶対リベンジして取り返すから待っとけーっ!」
※藤本からすずに抱きつく。

藤本「デビュー2年のすずとこういう試合が出来るとは思わなかった。いや~、なんて最高の日だ。今日は私が締めたいと思います。全選手、リングに上がってきてください。」

雪妃「待て待て待て。」
※Rebel&Enemy軍がリングイン。

藤本「今日はレネミーも一緒に私を祝って円陣に入ってくれるの?

雪妃「違うんですよ、藤本さん。私たちRebel&Enemyはベルト総取りを狙ってキャンペーン中でございます~。ね、山下さん。」

山下「そういうことです。そのベルトです。」

藤本「え…このピッカピカのベルトがほしいの?今、絶好調の傷だらけの山下りなと、タイトルマッチということですか?最高じゃないですか。やりましょう。2月20日、後楽園ホールでやってやろうじゃないか!いやあ、そういうことね。いいね、ユニットって。名古屋で前哨戦しようよ。私も良い仲間連れてくるから、4対4で3本勝負とかどうかな。やりましょう。では、改めて全選手リングに上がってきてください。」
※Rebel&Enemy軍がリングを降り、代わって他の選手たちがリングイン。

藤本「今年はアイスリボン15周年イヤーです。アイスリボンの歴史はイコール藤本つかさの歴史だと思ってます。私がチャンピオンになったからには、15年間の中で団体に関わってくれた相手と防衛戦したいなって思っております。15年目のアイスリボンも、皆さんついてきて下さい!ここは夢叶うリング、そうあり続けたいと思います。またいつ会えなくなるか分からない状況ですけども、プロレスを観に来てくれてありがとうございます。プロレスでハッピー!アイスリボーン!」

〈試合後の藤本つかさ〉
「ピカピカのベルト、巻くことができました。めちゃくちゃ嬉しいです。すずと対戦して思ったのは、すずはきっとまたこのベルトを巻くと思います。彼女はもっと強くなる。そう思いました。このリングが一番、夢叶うリングにしたくて、後輩たちにはやりたいことをやってほしいなって思います。だから私も一選手としてやりたいことをこれから、このリングでやっていきたいと思いました。」

――やりたいことをやるためにもベルトが必要だったと。

「そうですね。デスマッチ女ファイターの山下が名乗り出てくれて、やっぱ嬉しいですね。やりたいって言ってくれる人がいっぱいいるのは。アイスリボン、団体の15周年ということなので、この15年間の中で団体にかかわってくれた人たちと防衛戦を重ねていきたいなっていう、自分の考えはあります。何度、ベルトを巻いてもやっぱり嬉しいですね。みんなすずに勝ってほしいとお客さんは思っていたんじゃないかなと思います。新人の若き王者すずに藤本つかさが負けるところを、本当は見たかったのかなと思うんですけど、自分はまだまだ体調も万全ですし、ケガしているところもないですし、やっぱりレスラーたるもの、やれるときは全力でやりたいなって思います。そのきっかけが団体の15周年っていうことですね。めちゃくちゃ嬉しかったです。」

――すず選手がチャンピオンとして背負ってきたものを軽くしてあげたかったっていう思いもありましたか?

「軽くしてあげたかったというか、やりたいことをやってほしいなっていうのがあって、本当にすずのことをわかっているから、あの子はここにいる意味というか、アイスだからやれることっていうのを一番わかっていたから、自由にやってほしいなっていう気持ちはあります。でも、団体を背負っていくとか、象徴っていうのは何人いてもいいと思うので、私もまだまだその座を譲る気はないですし、だからと言って、すずには下がってほしくないし、たくさんの柱があっていいんじゃないかなと思います。」

――15周年イヤーのいいスタートが切れましたか?

「そうですね。人って何かきっかけがないと動けないです。動くきっかけていうのが大事だなと思ったので、そういう意味では今年、藤本つかさの年にします。」


〈試合後の鈴季すず〉
「あ~悔しい…!藤本つかさは強かった!やっぱり強かった!藤本つかさという壁を、チャンピオンとして超えないといけないところだったのに。全てが、全てが悔しい!藤本つかさには余裕があったなと思います。勢いだけじゃ超えられない壁。図太くて、分厚くて、一筋縄ではいかない藤本つかさに負けた。本当に悔しい!4回防衛出来たから防衛出来ると思ってたのに…悔しいしか言うことがないです。悔しい。」

――8月にベルトを獲ってからの時間で強くなれたと思いますか?

「それは凄く感じました。やっぱりチャンピオンになってから、アイスリボンの頂点に立ってから、プロレスに対する考え方も変わったし、アイスリボンについての考え方も変わった。自分がチャンピオンじゃない時は、藤本つかさイコールアイスリボン、アイスリボンイコール藤本つかさっていうのが当たり前だと思ってたし、おかしいとも思ってなかった。だけど、チャンピオンになって防衛していくにつれて、アイスリボンイコール藤本つかさっていうのはおかしいと。アイスリボンイコールチャンピオンであるべきだと、鈴季すずであるべきだと思ったし、責任感が芽生えたし、自分がしっかりしなきゃ、自分がアイスリボンを引っ張っていかなきゃって思えるようになったし、やっぱり5ヵ月、たった5ヵ月って言う人もいるかもしれないですけど、5ヵ月で自分は変われたと思っています。でも、まだ変われると思っています。」

――まだ変わるためにやりたいことをやっていく?

「ベルトを持っている時はアイスリボンに相応しく、プロレスでハッピーなアイスリボンに相応しくと、そういうチャンピオンでいなきゃいけないと思って、それが自分の役目だと思ってチャンピオンとしてやってきてましたけど、だからこそ、やりたいことは口に出さないかった、ずっと。だけど、藤本つかさが自由にやっていいよと言ってくれたんで言わせてもらいました。デスマッチがやりたいし、ハードコアもやりたい。だから、鈴季すずはアイスリボンに入ってきた。鈴季すずを生んだたきっかけはそれだと言っても過言ではないので、自分がデスマッチ、ハードコア界のチャンピオン、トップに立てるまでやり続けて、鈴季すずを見てアイスリボンに入ってきました、デスマッチがやりたいですって言ってくれるような子を見つけていきたいなと思います。」

――ベルトを失ってもNGなし?

「はい!NG、本当にないです!マジでNGないので、なんでもやります!」

――すずのために勝つと言っていた藤本選手の言葉の意味を、今、どう受け止めていますか?

「自分はチャンピオンの時はデスマッチがやりたい、ハードコアがやりたいって言わなかったんですけど、でも、藤本つかさはやっぱり言わなくても分かるんだなと。それがやりたい鈴季すずを藤本つかさは気付いてたからこそ、チャンピオンだからこうあるべきだと縛りつけられてる鈴季すずに気付いてたんじゃないかなと。」

――実際はNGなしではなかったと?

「今思うとそうなのかもしれないなと、今日、藤本つかさのマイクを聞いてそう思いました。だから、縛られなくていいんだなと。やりたいことはやる。プロレス人生はいつまで続くか分からないから、今この瞬間、やりたいことはやるし、やりたい人とやりたいことをやる。藤本つかさから取締役選手代表からOKが出たんで、自由にやっていきたいと思います。だから、七番勝負とかやってみたいなと思います。ハードコア七番勝負。ずっとやりたいと思っていた人もいるし、言っていいのか分からないですけど、やりたい人がいるんで。」

――それは誰ですか?

「アイスリボンではおなじみなのかもしれないですけど、宮本裕向さんと。自分がデスマッチを観るようになって、ハードコアを観るようになって、一番心に残った試合が佐々木貴vs宮本裕向の、立体足場建築現場デスマッチ。それを観て、もの凄く衝撃を受けて、そこから観るようになった、宮本裕向さんとやりたい。出来るか分からないですけど、やりたいです。ここで言えば出来るかもしれないから、七番勝負も出来るかもしれないから。やりたいことは言うようにします。やりたいです。やる!やりたいことはやります!悔しいーっ!」

※この発言を受けて藤本は「やりたい相手、すずが決めたらいいと思います。宮本裕向さんはすずがプロレス界に入るきっかけの方なので実現したら感慨深いものがありますね。ぜひオファーさせていただきたいと思います。」と語った。

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