【新日本】大張高己社長インタビュー<第1弾>50周年の重みを実感、ファンへの感謝を込めてシンニチイズムを開催、今後も様々な仕掛けを展開!


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⑤新日本プロレス50年を皆様と共に!
 #シンニチイズム全国展開のクラウドファンディングについて

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――現在は名古屋で行われていると思いますが(3月21日に終了)東京会場に1万人来場ということを含めて、私自身も思ったんですけど、もっと全国の人にこのシンニチイズムを観て欲しい。本当に全国の皆さんにお届けしてほしいなという希望が、ある意味、クラウドファンディングに結びついているのかなと思います。クラウドファンディングをまずやり出そうというきっかけは何だったんですか?

 

大張社長:まずは今回、シンニチイズム50周年展をやる時には、中途半端なものにはできない。50年だぞと。借金抱えても、新日本ってこんなものか、みたいな中途半端なものは作りたくない。そう考えて。ただ、コロナを言い訳にはしたくないですけど、来場を躊躇(ちゅうちょ)する方は一定数いるだろうと。1万人の方が当日券大人で2,000円で2000万円。その費用ではあの規模はできないわけです。だから、東京だけと私は決めていたんです。

 

――経営的な判断で。

 

大張社長:そうです。事業計画上、シンニチイズムは過去の新日本に携わってくれた方々に対する恩返し。内も外も含めて恩返しだし、未来の新日本を知ってもらうためのプロモーションだと決めて、これはコストだと。1発だけここだけやるんだと。そうやって決めましたので。正直に申し上げて、おかわりは当初、想定していないし、事業計画に入れていなかったです。

 

――そうだったんですね。

 

大張社長:そうなんですよ。ただ私もTwitterを去年の12月から始めて。それ以前もアカウントは持っていたんだけど。もう無数にリクエストが。

――こっちでもやってほしいと。

 

大張社長:全国展開してくれと。

 

――特に行った人は写真をいっぱい上げてくださる訳じゃないですか。あれを見たら行きたくなりますし、わが街に来てほしいとなりますよね。

 

大張社長:後楽園で最初、発表したとき、皆シーンとしていましたからね。ネット上でも「新日本50周年なのにつまんね」というその言葉は私の心にも刺さりました。「今に見ていてくださいよ」と。英語で「うちでもやってくれ」とアメリカから来たり。これがまず始めた時から決断する前までの話です。あとは実際問題、選手がクラウドファンディングを提言する映像があったじゃないですか。あれリアルですからね。真壁選手と棚橋選手が会場を見て感想を教えてくれて、「皆来てください」というシナリオのつもりで私はいたんです。そうしたら真壁選手がこっち向いて「社長、話がある」と。「話が全然違うんじゃないか」って思いましたよ。映像のスタッフも「全国展開やってくれ」と言う。それで内部からも背中を押されたのと、あとはここ数年、クラウドファンディングという手法が一般化して、他のプロレス団体でもクラウドファンディングでバスを購入したり。私は新日本としては取ってはいけない手段だと思って決めていたんです。(資料を見せながら)コロナ禍に入った時の戦略オプションのリストがこれです。二重線で消しているけど、表中に残しているのはやらないオプションという意味。クラウドファンディングだけは新日本が取ってはいけない手段だと決めて、他のは結構、実現しましたね。この横線を取ったのがお客さんの声、選手の声が重なった時だったんですね。私はこの幹部会で1回言ったんですよ。「クラウドファンディングって両面あるよ。新日本のブランドを毀損しかねない」と、クラウドファンディング慣れしていない人はネガティブに捉えるかもしれない。だから、やるのかどうか。もう1回丁寧に議論しようって。そして「やりましょう」となったんです、結局。それはいくらになったらどこでやりますという一般的な形ではなくて、新日本プロレスをいろんな人に見てほしいし、恩返しもしたいから。やはり、ふたを開けてみれば自分は見たけど、他の人に見てほしいという人がたくさんいてくれて。「今日見に行ったけど、他の人にも見てほしいから出資しました」。まさに新日本プロレスをたくさんの人に見てほしいんだという思いを持つのは、プロレス特有のマインドじゃないですか。それを表す場所として、もちろんさっき言った予算感と合わないのはわかると思うんですけど目標金額が(クライドファンディングの目標金額1,000万円)。それを表せてもらえる場所としてつくりましょうと。全額を皆さんから頂いて、そこへ行かないとやりませんではなくて。こういう応援してもらえるクラウドファンディングという場所を作ったので。新日を皆に見てもらうことに賛同してくださる方は、ここでご表明ください、というふうにしたんです。ただ我々からのお礼もしたいので返礼品として全部にお返しする形です。あといくら行ったらどこで開催という個別具体的な条件は付けていない。なので、クラウドファンディングの進展を見ながら、あとコメントも全部読んでいますが、それを受けて名古屋、そして次は福岡(2022年4月2日(土)から5月8日(日)までキャナルシティ博多で開催)でやろうと追加していく感じです。


※調印式会場

 

――僕も最初、クラウドファンディングは「そうなんだ」と一瞬、思ったところもありました。

 

大張社長:思いますよね。

 

――王者、新日本プロレスがクラウドファンディング?コロナ禍より前は、困ってる感がクラウドファンディングのイメージにあったので。やり方によっては後で等価交換だという考え方もあると思うんですよね、クラウドファンディングって。

 

大張社長:チケットを渡すとかですね。

 

――そうですね。個人的にはこのシンニチイズムを本当に日本全国の主要都市で開催して欲しいですね。私も大阪出身なので、大阪の府立体育館近くでやってほしいですね。本当にとてもいい企画だと思います。あれを考えた人は本当にすばらしいという言葉をかけたいと、本当に思っていました。ありがとうございます。

 

大張社長:4畳半ぐらいのエリアでやるんだったら、できるでしょうけど。新日本に求めるレベルのものを実現していくためには、その予算の捻出は困りましたよ。会社の1年間の経営プランからすると予算外なので。そこを追加していくのはどうやって費用を捻出するのかという。困った感というか、本気で困りました(笑)。

 

――気持ち的には経営者として悩みどころだな、というのはすごく感じました。それ以上にファンからのリスペクト、新日に対する「ありがとう」という感謝の気持ちは、すごくあのイベントを通じて感じました。私も会場を取材をしながら、お客さんは「わぁ、すごい」という言葉がすごく出ていましたね。オールドファンから若いファンまで、特にアンドレ(アンドレ・ザ・ジャイアント)の巨大パネルもそうですが、皆が写真を撮れるインスタ映えするスポットとか。そういったものはすごくエキサイトするようなイベントで、なかなか今なかったりするので。新日ファンだけじゃなくて、プロレスファンの人たちが駆けつけても喜んでもらえるような企画になっていたとおもいます。

 

大張社長:立ち止まるポイントは十人十色で面白いですよね。本当にタイガー・ジェット・シンのサーベルで立ち止まる人もいれば、お子さんだとAR(拡張現実)に夢中になってくれていたり。それぞれで楽しめるポイントが散りばめられている。具体化してくれた人間にも本当に感謝しています。

 

――本当に面白かったです。ありがとうございます。これからのいろんな地方展開、楽しみにしておりますので、ぜひ皆さん頑張ってください。

 

大張社長:一言付け加えておくと、50周年だからという理由でご協力いただける方や展示物を集められた側面が強いと思います。これが51周年、52周年だと相当歯抜けになると思うんです。だから、あれだけのものが1箇所で1つの会場の中に収まっているというのは、多分向こう50年でないし、過去50年でもちろんなかったです。何がすごいって、あれが1箇所に集まって、1枚のチケットで見られるということだと思うんですよ。だから、私はファンとして言うと、絶対に見逃してほしくないです。「また来年もやるでしょう」って言われても、あれはできないですから。


※アンドレ・ザ・ジャイアントの巨大パネル

 

――そうですよね。

 

大張社長:奇跡的なつながりとか、お願いし倒して借りてきたものとかあるんですよ。たくさんあるんです。

 

――あれだけのものは、プロレスヒストリーと言えるぐらい、博物館みたいな感じでしたからね。

 

大張社長:あれをぜひ見ておいてほしいです。絶対損はさせないので。採算度外視ですよ。

 

――私もよくあれだけ揃えたなと思いましたよ。すごいなと思って。

 

大張社長:何人かに借りができているんじゃないですかね。計算しなきゃいけない、心配になるぐらいです。この50年で、30年、40年でやれているのかと言ったら、やれていないわけです。あれだけ集めているんだから、何か無理しているんじゃないかな。非日常ですよ、あれは。

 

――本当に開催してくれてよかった。今、名古屋(中京地区)、福岡の人はすごく喜んでいると思うんですよ。

 

大張社長:そう思って頂けると嬉しいです。

 

新日本プロレス50年を皆様と共に! #シンニチイズム全国展開のクラウドファンディング
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大張高己社長インタビュー<第2弾>コロナ禍を乗り越えて新機軸を打ち出す!『新日SS』アプリ開発、旗揚げ記念日大会を終え“リベンジプロレス”を見据える!

<インタビュアー>

プロレスTODAY総監督 山口義徳

 

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