【新日本】大張高己社長インタビュー<第2弾>スターダム合同興行、約3年ぶりのイギリス大会、50周年イヤー集大成の1.4ドーム、そして亡き猪木さんへの思いを語る

新日本プロレスは2022年団体設立50周年を迎え、様々な仕掛けを実施し、早くも4分の3の日数が過ぎた。

プロレスTODAYでは新日本プロレスの大張高己社長に50周年イヤーについて今年2回目の独占インタビューを実施。

今回はAEWとの合同興行、G1 CLIMAX32の振り返り、シンニチイズムの地方展開、9月の声出し大会、スターダムとの合同興行、約3年ぶりのイギリス大会、50周年の集大成となる来年の1.4東京ドーム、そして10月1日に逝去されたアントニオ猪木さんに対する想いについて多岐に渡り語ってもらった。

今回はインタビュー第2弾を掲載。

【新日本】大張高己社長インタビュー<第1弾>AEWとの禁断の扉、全選手が完走した『G1』、感謝のシンニチイズム、涙の9月声出し大会の裏側を明かす!

①11月20日(日)有明アリーナ『Historic X-over~新日本プロレス×STARDOM合同興行~』開催について


©新日本プロレス

Historic X-over
日時:2022年11月20日(日) 15:30開場 17:00開始
会場:東京・有明アリーナ
大会情報:https://sp.njpw.jp/tornament/369838

<既報カード>

◆タッグマッチ
トム・ローラー&朱里
vs
ザック・セイバーJr.&ジュリア

◆タッグマッチ
棚橋弘至&林下詩美
vs
後藤洋央紀&舞華

◆8人タッグマッチ
タイチ&金丸義信&中野たむ&なつぽい
vs
エル・デスペラード&DOUKI&スターライト・キッド&渡辺桃

◆IWGP女子初代王者決定戦
(岩谷麻優vs渡辺桃の勝者)vs(林下詩美vsひめかの勝者)の勝者
vs
KAIRIvsアルファ・フィーメル(ジャジー・ガーベルト)の勝者

ー-11月20日(日)、有明アリーナで開催する『Historic X-over~新日本プロレス×STARDOM合同興行~』についてお話をお願いします。

「来月に迫りましたね。これも50周年のドリームマッチの一つだと思います。ブシロード15周年が今回のテーマなんですけど、まだ一部カードしか決定していないんですよね。ミックスドマッチとIWGP女子のみ発表ということで。」

――この試合が決まったという部分では、木谷オーナーが非常に今回気合を入れたメッセージを出しておられますけれども、大張社長としてはいかがでしょうか?


©新日本プロレス

「もちろんこれらの試合は楽しみでしょうがないんですけど、これらの試合以外にももちろんいろんな試合が組まれていくと思います。今まで新日本プロレスと女子の選手が同じリングに立つってそんなになかったじゃないですか。蝶野(正洋)さんとジョニー・ローラー。あれはショッキングでしたけど、昔からの女子と関わる、女子をリングに上げるというのは、言ってみれば偏見と言うか、そういう考え方はもう環境として変わってきていると思うんですよ。

 猪木さんが立ち上げた新日本プロレスはそれこそ50年間、偏見との闘いだったんです。誰でも偏見をもってものを見るし、見られている。ただ偏見との闘いは忘れてはいけないと思います。世の中を見返してやるエネルギーです。それに、スターダムを筆頭として、彼女たちの頑張りで女子プロレスが見直されていると思うんですよね。このネーミングは、実はヒストリックは木谷から出てきて、クロスオーバーは私が考えたんですけど、最初は運命のクロスオーバーにしようかなと思っていたんですが、やはり必然的な交流なんですよね。

 もちろんこれ、交流戦だけじゃない、ミックスドマッチだけじゃないんだけど、すごく象徴的なカードが今並んでいて、IWGPのあとに女子という言葉がつくというね。新しいことに常に挑戦するから僕は新日本プロレスだと思うし、ダメだったらやめたらいいじゃない、っていう話だと思うんですね。ここは新しい挑戦の象徴でもあるし、一つ一つのカードの意味がすごく深いと思います。より1試合1試合の意味が強く深い。全てが歴史に名を残す、記憶も記録も残すような試合になると思いますし、ここに出てきている4試合、それ以外にもカードは組まれると思います。」

――そうですね。確か全9試合ですね。

「それぐらいになるかなと思います、見どころやテーマは今後間違いなく増えてきます。増えてくるので、チケットを今のうちに買っておいたほうがいいと思います。最前列は実際売り切れましたし、2列目、3列目、ロイヤルシートも残りわずかになっていますから、これは早めに、全容が見える前に買っておいたほうがいいかもしれないですよ。」

――既に選手間でもSNS上でも情報発信だとか、これに対する並々ならぬ意気込みも皆さん各々語られていると思うんですけど、私たちなんかは、今までは例えば北朝鮮で全日本女子プロレスの人たちが参戦して試合をわかせて、新日本プロレスでも東京ドームの第0であったり、通常のラインナップとして試合に入ったりすることはあったと思うんですけど、ミックスドマッチというところが今回本当に新しいチャレンジだなと思っています。

先ほどの偏見の言葉という言葉があったと思いますが、昔気質のプロレスファンというのはあまり女子を受け入れる素地がなかったのかなと、今は逆にスターダムの躍進がすごいなという部分があって、新日本プロレスのマットに上がってから格段にファンも増えてきているなと思います。だからこそ、このミックスドマッチを含めた戦いで大きく飛躍する選手がまた出てくるんじゃないかと思うんですよね。大張社長としてスターダムで推したい選手と言うと語弊があるかもしれないですけど、あえて言うとどの選手に注目していますか?

「いやぁ、立場的に言いづらいなぁ(笑)個人的には私はひめか選手やレディ・C選手推しなんですよね。私もこれまで人より背が高いことによる偏見も期待も色々とありまして、共感する部分があります。あとイギリスで見たアルファ・フィーメル選手もすごかったし、WWEで名を馳せたカイリ選手もドーム映えするのでは、という。あくまでも個人的なものですけど。」

――いろんなワクワク感が止まらないんですね。

「はい。最初にドームに上がってもらったじゃないですか。実はドームに上がってもらうときに大変だったんです。資料を作って、いろんなところにお願いしたんです。入退場はこうやって、リングアナはこうやって、レフェリーはこうやってやるので、東京ドームの第0試合で戦わせてくれ、ってお願いしに行ったんです。そのときって、海の物とも山の物とも、分からない状態じゃないですか。知名度だって多分10分の1とかですよ。集客力とか見ても分かると思うんですけど。そこから私はずっと見てきていて、そこをスタートに見てきているから、今の飛躍はものすごくうれしいし、私は新日本プロレスの社長でもあるけど、ブシロードのスポーツ&ヘルスケアのユニット長でもあって、その中には新日本とスターダムとブシロードウェルビーという三つの兄弟会社があって、私にとってとても大事な3社なんですけど、スターダムが飛躍してきてくれたことが偏見を打ち破る一番のキーだったなと思いますね。

 女子なんて、ってみんな思っていたかもしれないけど、見てみたら分かるって、っていう。もちろん体力的な違いはあるんだけど、それは男性の選手の中にもあるわけじゃないですか。だから、その違いというのを良さに変えるという。まさに今世の中でダイバーシティが叫ばれていますけど、興行、大会、戦いというのを、男性も女性もいるかたちで良さに変えて、今までになかった種類の良さを出すことへの挑戦なんです。そこにチャレンジを今までしなかっただけで、海外ではこういう蓋は既にいろんな団体が開けていますよ。新日本とスターダム、日本のトップで、女子で言うとスターダムは世界一です。組んだらどんなレベルのものができるのかって、楽しみで仕方がないです。」


©STARDOM

――僕もすごくワクワクしています。それとプラスアルファで、今回IWGP女子初代王者決定戦に関しては、結構ファンの方からもこれについての賛否という部分でもあったかなと思うんですけど、先程の挑戦と言う言葉が一番自分的には納得できる部分ではあるのかなと思うんですけど、改めてこのIWGP女子初代王者に関しては、ご苦労も非常に多いんじゃないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか?

「これ実は3年ぐらい前に話があったんです。」

――そんな前からこの話はあったんですか。

「コロナに入る前からIWGP女子構想はあったんです。でもそのときはさっきの話と違って、お客さんの反応的には想像できますよね。ドームに上がる前の苦労の話はさっきしましたけど、そういう世間の偏見、常識と戦わなきゃいけなかった。それを今の何倍にも浴びることになるし、面白いチャレンジだけど、まだだなと判断したんです。決してNGではなく、まだだなと。それで、結果これができているということは、IWGPという名前に手が届く所までスターダムの選手はきているということだと思います。」

――なるほど腹落ちしました。3年かけてここにきたということですね。

「グループ入りしたあとだったかと思います。そのときから話はあったんです。1回はっきり断っています。」

――そうなんですね。今のスターダムであればIWGPを名乗ってもおかしくない選手たちが揃っているという認識になったんですね。


©STARDOM

「あとはこの戦いがどうかですよね。お客さんの審判はここからですよ。IWGP女子に反対って、私は偏見だと思います。ただ、IWGPを争う闘いとして、もしこの試合が大したことなかったら、それは不合格だとお客さんは言うと思います。それこそが偏見のない公正なジャッジだと思います。この試合は面白くなかったからIWGPに相応しくない。この試合は面白かった。さすがIWGPだ。女子だから、男子だから、じゃなくて、それで見てほしい試合ですね、これは。人口の半分は女性です。私にも2人の娘がいます。男女の別だけで判断されたくはないですよね。」

――これは早めにチケット買っておいたほうがよさそうですね。

「そう思いますよ。私はそんな予感がします。」

――歴史に残る大会になりそうです。

「はい。これは全カードが出る前にチケットを買ったほうがいいし、試合に行くかどうか迷う人は、絶対に行ったほうがいいですよ。もう一度言いますが、絶対に現地に行ったほうがいいです。」

――ありがとうございます。

➡次ページへ続く

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