【ハードヒット】椎葉おうじが「第1回Break through tournament」優勝!11.25新木場大会レポート

ハードヒットは11月25日(金)新木場1stRINGにてニコプロpresentsハードヒット「第1回Break through tournament」を開催。

椎葉おうじが前口太尊との決勝戦を制して「第1回Break through tournament」優勝を果たした。

大会レポートはこちら

ニコプロpresentsハードヒット「第1回Break through tournament」
日時:2022年11月25日(金)
開場:18時00分
開始:19時00分
会場:新木場1stRING
観衆:ブラックフライデー(主催者発表)

▼ダークマッチ① 第1回Break through tournament1回戦 5分1本勝負(延長3分)
○小林ゆたか(夕月堂本舗)
延長 判定
●橋本圭右(Physical Space柔術アカデミー)

▼ダークマッチ② 第1回Break through tournament1回戦 5分1本勝負(延長3分)
○前口太尊(飯伏プロレス研究所)
3分49秒 TKO(掌底→レフェリーストップ)
●服部健太(フリー)

▼ダークマッチ③ 第1回Break through tournament1回戦 5分1本勝負(延長3分)
○田馬場貴裕(IMPACT)
延長41秒 ギロチンチョーク
●井上凌(全日本プロレス)

▼ダークマッチ④ 第1回Break through tournament1回戦 5分1本勝負(延長3分)
●十文字アキラ(JUST TAP OUT)
4分12秒 TKO(掌底→レフェリーストップ)
○椎葉おうじ(フリー)

▼第1試合 デッドリフ太郎presents 3ロストポイント制 10分1本勝負
○阿部諦道(浄土宗西山深草派)
2分57秒 キーロック
●SUSHI(フリー)

▼第2試合 グラップリングタッグマッチ 5ロストポイント制 15分1本勝負
○田村男児(全日本プロレス)/仁木琢郎(2AW)
10分24秒 足4の字固め
松本崇寿(Physical Design Works)/●KURO-OBI(トライフォース柔術アカデミー)

▼第3試合 第1回Break through tournament準決勝 3ロストポイント制 10分1本勝負
●小林ゆたか(夕月堂本舗)
5分50秒 KO(掌底→10カウント)
○前口太尊(飯伏プロレス研究所)

▼第4試合 第1回Break through tournament準決勝 3ロストポイント制 10分1本勝負
●田馬場貴裕(IMPACT)
4分47秒  スリーパーホールド
○椎葉おうじ(フリー)

▼第5試合 松本幼稚園/当たり前田のニールキックpresents エキシビジョンマッチ MMAユニファイドルール 5分2R
−川村亮(パンクラスイズム横浜)
エキシビジョンマッチのため勝敗なし
−和田拓也(フリー)

▼セミファイナル 3ロストポイント制 10分1本勝負
○佐藤光留(パンクラスMISSION)
7分00秒 アキレス腱固め
●渡辺壮馬(GLEAT)

▼メインイベント 合同会社RYSKパートナーズpresents 第1回Break through tournament決勝戦 5ロストポイント制 15分1本勝負
●前口太尊(飯伏プロレス研究所)
13分21秒 フロントネックロック
○椎葉おうじ(フリー)
※椎葉が第1回Break through tournament優勝。12.31ハードヒット新宿大会のメインで鈴木みのるとの対戦が決定。

今大会では「突き抜ける」をテーマにした8人制の第1回Break through tournamentを開催。1回戦はダークマッチ5分1本勝負(ロストポイント無し、延長3分)で行われた。

小林ゆたか(夕月堂本舗)vs橋本圭右(Physical Space柔術アカデミー)は寝技に持ち込みたい橋本に対し、小林もうまく対応したことで5分では決着がつかず延長へ。スタンドでの打撃で優勢だった小林は、残り1分のところで掌底を食らって体勢を崩した橋本の顔面にヒザを叩き込む。レフェリーがダウンを取る前にグラウンドに雪崩れ込んでいき、小林がアンクルホールドで追い込んだが、そのまま時間切れに。判定の結果、小林が準決勝に進出。

前口太尊(飯伏プロレス研究所)vs服部健太(フリー)は胴タックルを仕掛ける服部に対し、前口はヒザ蹴りを叩き込む。服部も胴絞めスリーパーを仕掛けるが、脱出した前口はボディブローからのローでダウンを奪ったかに思えたが、これはスリップと判断される。しかしまだダメージのある服部に、思い切り踏み込んで左フック気味の掌底を叩き込む。倒れた服部を見て、レフェリーは即ストップ。前口が準決勝に進出。

田馬場貴裕(IMPACT)vs井上凌(全日本プロレス)は体重差があるため、田馬場が上になる場面が目立ったが、5分間では決着がつかず延長へ。開始と同時に放った井上のドロップキックをかわして上になった田馬場は、パウンド掌底からギロチンチョークを極めてギブアップを奪った。田馬場が準決勝に進出。

十文字アキラ(JUST TAP OUT)vs椎葉おうじ(フリー)はお互いに得意の打撃で互角の展開だったが、残り1分のところで足を止めて掌底の打ち合いに。ここで椎葉の左右の掌底が連続でヒットし、十文字はダウン。前のめりにダウンしたため、レフェリーが即ストップ。椎葉が準決勝に進出。

オープニングVのあと大会プロデューサーである佐藤光留が登場。「本日は平日の夜に、若干怪しい興行ハードヒットにご来場ありがとうございます。今日はマスク着用で声援OKで。だいぶコロナも……終わったとは思わないですが、付き合い方が分かってきて。今年も大晦日にハードヒットで締めくくることを目標に、計画を立てて興行をやろうということになりました。大晦日のチケットは本日の試合後に販売します。今日のトーナメントの優勝者が闘う超大物も発表します。VTRを今日の朝4時まで僕つくりました。自分の試合、そしてもう1試合、都合3試合発表します。頑張って交渉して、いいカードが組めました。ニュースになるようなカードが組めたと、自分では思っています。ですが、もちろんプロレスの興行なので名前がある人を金かけて呼んでやるのは、非常に大事なことなんですが、自分のいままでやってきたこと、してもらったことを振り返ったときに、自分はたくさんのチャンスをもらいました。才能という点では、いいところもあれば悪いところもあったと思いますが、『悪いところは放っておいていい。いいところは伸ばせ。その代わり世界一になるまで妥協するな』と言ってくれたのが、パンクラスの上のほうの教えでした。そういう人と出会えたり、DDTに出ているときですかね。レストランで飯食ってるときに、ポッとNOSAWA論外さんが『いまのDDTに俺たちがいた頃みたいな闘いがないんだよ』……そのひとことでDDTで生きる道が決まったこともありました。いろんな人といろんな出会い方をして、いま自分がここにいる。そう感じたときに、大晦日の前にぜひそのチャンスを若い選手、くすぶっている選手、どうしても上に行きたい選手につかんでほしいと思って、本日のトーナメントを組みました。まだ言っていないんですが、今日の決勝戦もメインイベントですが、その決勝で勝利した選手と超大物の対決も12月31日のハードヒットのメインにします! なので今日出ている選手の中の誰かが、今年の、2022年のハードヒットを締めるということになります。自分で決めたときは『ちょっと…大丈夫かな?』と思ったんですが、きっとプロデューサーの想像を超えてくれることも、若いプロレスラーのエネルギーだと信じています! そしてセミで自分と闘うGLEATの渡辺壮馬選手。彼もまた何かを打ち破るために、今日来てくれたんだと信じています。まだまだいろんなものにぶつかります。ですが、もし何か立ち止まったとき、いま自分がブチ当たったという機会を超える機会だと思って、今日の試合を思い出していただければと思います。ハードヒット、コロナ禍でも黙って見られるいい興行だったのですが、せっかく声出しOKなんで、お気に入りの選手がいたらたくさん応援してあげてください。マスクをつけた状態で、おっきい声で応援していただけたらと思います。それに応える、それを突き抜けるようなプレッシャーをこれからもう1回全選手にかけたいと思いますので、ぜひ今日も最後まで応援よろしくお願いします。ありがとうございました!」と挨拶した。

第1試合は阿部諦道(浄土宗西山深草派)vsSUSHI(フリー)。体格で勝るSUSHIがプレッシャーをかけていくが、阿部は冷静に対応。亀になるSUSHIをフェースロックで絞めていくが、SUSHIはどうにか脱出。掌底で前に出るSUSHIだが、阿部の掌底がカウンターでヒット。思わずフラついたSUSHIだが、ガードを下ろして阿部に詰め寄る。すると阿部は強烈な張り手をお見舞い。SUSHIも左右の張り手を連打して前に出るが、前蹴りで距離を取った阿部。しかしSUSHIはショートレンジラリアットでなぎ倒してダウンを奪う。立ち上がった阿部はSUSHIのニールキックをかわしてドロップキック。当たりが浅かったためSUSHIはサイドポジションを取る。しかしスイープした阿部はマウントから腕十字の体勢に入ると、防御しようとするSUSHIの左腕をキーロックに捉えてギブアップを奪った。

第2試合は田村男児(全日本プロレス)&仁木琢郎(2AW)vs松本崇寿(Physical Design Works)&KURO-OBI(トライフォース柔術アカデミー)のグラップリングタッグマッチ。男児とKURO-OBIで試合開始。転がりながら潜り込もうとするKURO-OBIだが、男児も簡単には取らせない。逆にタックルからテークダウンを奪うが、KURO-OBIもそこからは攻めさせない。下から三角絞めを仕掛けたKURO-OBIだが、男児は強引に持ち上げる。ならばとヒザ十字固めにスイッチすると、男児はロープエスケープ。これでロストポイント1。タッチを受けた松本は低い姿勢から絡みつくが、男児は俵投げを狙う。これは投げられなかったが、ここで仁木にタッチ。

下から絡みつく松本を逆エビ固めに捉えてみせた仁木。これで松本はロープエスケープしてロストポイント1。仁木は自軍のコーナーに松本を押し込んで男児にタッチ。松本もタッチすると、男児は片足タックルでテークダウンを奪うと、フロントネックロックへ。うまく脱出したKURO-OBIだが、ここで男児も逆エビ固めへ。KURO-OBIがロープエスケープしてロストポイント2。下になったKURO-OBIは腕を取って腕十字へ。リング中央で極まったが、男児は辛くもロープエスケープ。これで両チームロストポイント2。タッチを受けた仁木に対し、転がりながら足を取っていったKURO-OBIはヒザ十字固め。防御した仁木は男児にタッチ。KURO-OBIも松本にタッチすると、座った状態から引き込んだ松本だが、男児もうまく胴絞めスリーパーで切り返す。脱出した松本はKURO-OBIとタッチ。下になったKURO-OBIを強引に俵投げで投げた男児は、そこから足4の字固めへ。必死に抵抗したKURO-OBIだったが、リング中央だったためギブアップ。

第3試合は第1回Break through tournament準決勝、小林ゆたか(夕月堂本舗)vs前口太尊(飯伏プロレス研究所)。お互いに強い蹴りを飛ばし合う。胴タックルで組み付いた小林はテークダウンを狙うが、前口は振り解くと掌底からのボディブロー。小林は再び組み付くとテークダウン。サイドからマウントを取った小林は三角絞めを狙うが、前口はうまく防御。ならばとアキレス腱固めに捉えた小林は、ヒールホールドにスイッチしてエスケープを奪う。ハイキックを連打した前口だが、ブロックしてテークダウンを奪った小林はサイドから腕十字を狙う。どうにかクラッチした前口は、上になった状態から腕を抜いて脱出。ハイとローの蹴り合いから組み付いてきた小林に首相撲からヒザを叩き込んだ前口は、突き放した小林は前に出たところにカウンターのストレート掌底。これがクリーンヒットして小林がダウン。10カウント以内に小林が立ち上がれず、前口が4.30ハードヒットでは一本負けした小林にリベンジして決勝進出を決めた。

第4試合は第1回Break through tournament準決勝、田馬場貴裕(IMPACT)vs椎葉おうじ(フリー)。体格で勝る田馬場はグラウンドでサイドヘッドロック。そこからパスしようとするが、椎葉は必死に防御。ガードポジションになった椎葉にネッククランチを仕掛けていく田馬場だが、首を抜いた椎葉は何とか下から腕十字を狙う。だが、持ち上げた田馬場はバスター。そこからすぐに覆い被さり、サイドを取る。どうにか立ち上がった椎葉は掌底で前に出る。田馬場も掌底からヒザを返すと、ガードを下げて挑発。一気に前に出てガブった田馬場はネックチャンスリーで投げる。サイドにパスした田馬場は、またもヘッドロックを狙う。だが、うまくバックに回って首を抜いた椎葉は素早く胴絞めスリーパーに捉えて逆転勝利。決勝は前口vs椎葉に決定した。

第5試合はMMAユニファイドルールによるエキシビジョンマッチ、川村亮(パンクラスイズム横浜)vs和田拓也(フリー)。両者オープンフィンガーグローブを着用。牽制のジャブから前に出ていった和田は川村をロープに押し込む。内股に蹴りを入れていった和田は時折ヒジも入れていくが、体勢を入れ替えた川村。うまく離れた和田は川村のパンチを警戒しながら、どうにか組み付こうとする。コーナーに川村を押し込んだ和田は、両足を刈ってテークダウン。だが、ハーフガードの川村はなかなか和田の攻撃を許さない。ガードポジションになった川村に鉄槌を連打する和田は、さらにヒジを押しつけるが、ここで1R終了。川村のセコンドは阿部、和田のセコンドはSUSHIと男児。

2R、前蹴りから前に出ようとした和田だが、うまくカウンターのストレートを合わせた川村。強く当たったわけではないが、倒れた和田にパウンドを狙う川村。しかし下からうまくガードした和田は、うまく組み付きながら立ち上がり、コーナーに押し込む。亀になる川村のバックを取り、ヒジを入れながら胴絞めスリーパーを狙った和田。川村は和田を背負った状態で立ち上がると、反対側のコーナーまで押し込んで脱出。片足タックルからテークダウンした和田は、サイドにパスするとマッド・ヒューズポジションからパウンド。そこから腕十字を狙ったが、川村は必死に防御。和田がガードポジションになったところで、川村は一気にパウンド連打。和田も足に絡みついて防御し、ここで5分2Rが終了。エキシビジョンのため勝敗はないが、和田にとっては12・14『GLEAT MMA Ver.0』での田中稔戦に向けてた試運転となった。

セミファイナルは佐藤光留(パンクラスMISSION)vs渡辺壮馬(GLEAT)。セコンドもつけず単身ハードヒットに乗り込んできた渡辺。試合前の握手はせずに試合開始。以前と比べてグッドシェイプされており、蹴りのキレも明らかに上がっている。緊張感のある間合いから積極的に蹴りを出していく渡辺に対し、光留はタックルでテークダウンを奪う。サイドにパスした光留だが、長い腕をうまく首に巻き付けた渡辺は脱出成功。掌底、ボディブローと積極的に出していく渡辺。さらにソバットで光留にロープを背負わすと、左右の掌底。光留も掌底を打ち返すと左ミドル2連打。ガードした渡辺は前蹴りからオーバーハンドの掌底を思い切り叩き込む。光留もカウンターの掌底を合わせ、お互いの掌底が交差。ここで渡辺が一気に掌底でラッシュ。胴タックルでロープに押し込むことで回避した光留だが、体勢を入れ替えた渡辺はスタンド勝負を要求するようにリング中央へ。ローの打ち合いからミドルを打ってきた光留にフック気味の掌底を合わせた渡辺。これで光留がダウン。ノーダメージだったのか、すぐに立ち上がった光留。

しかしチャンスと見た渡辺はローから掌底、ミドル。光留もボディブローからミドルと渡辺のボディ攻め。渡辺はインロー、ローと光留の意識を下に集中させてから不意を突いたハイキックで2度目のダウンを奪う。今度はクリーンヒットしたため、カウント8でどうにか立ち上がった光留は、ラッシュをかけてきた渡辺の蹴り足をキャッチすると、そのまま引き込んでアキレス腱固め。渡辺は必死にエスケープしたが、残りポイント2-1でまだ渡辺が優勢。やや慎重になった渡辺に対し、踏み込んで左フック気味の掌底を叩き込んだ光留は、続けて左ハイキックでダウンを奪う。残りポイント1-1。カウント7で立ち上がった渡辺は、前に出てくる光留に鋭いローキックを連打。3発目をキャッチして引き込んだ光留に、どうにかパンチを振り下ろしていく渡辺だが、光留は一気にアキレス腱固めを極めていき渡辺はギブアップ。
苦しんだ末に最後は逆転勝ちだった光留が正座をすると、渡辺も正座。そして何やら渡辺に語りかけた光留。そしてガッチリと握手してからお互いに座礼。これまでのハードヒットvsLIDET UWFの対抗戦にあまり見られなかった場面だが、渡辺の男気と健闘にはハードヒットファンからも沢山の拍手が贈られた。

メインイベントは第1回Break through tournament決勝戦、前口太尊(飯伏プロレス研究所)vs椎葉おうじ(フリー)。すでにここまで両者2試合やっているが、開始早々前口がハイキック。顔面をかすめた椎葉だが、2発目のハイキックを辛くもキャッチしてテークダウン。だが、倒れた際に上になった前口はすぐに立ち上がる。前口は重たいローを出していくが、椎葉もロープを背負った前口に組み付いていく。椎葉の頭を腕で押して防御する前口だが、椎葉はうまくグラウンドに引き込んでいくと、腕十字を鮮やかに極める。

しかしニアロープだっため、前口はエスケープ。前口のミドルキックが椎葉のガードの隙間に突き刺さるが、強引に組み付いていく椎葉。だが、突き飛ばした前口はプレッシャーをかけていってから掌底。椎葉もロープに前口を押し込むが、顔を押して防御する前口は、ヒザをボディに入れていく。右フック気味の掌底、首相撲からのヒザ、離れ際のハイキックと“キックボクサーモード”で攻撃していく前口だが、椎葉も紙一重のところでクリーンヒットを許していない。しかし掌底の打ち合いになると、ロープを背負った椎葉が頭を下げてガードを上げたところに、前口ががら空きになったボディにミドルキック。これがクリーンヒットして椎葉はダウン。カウント8で立ち上がった椎葉は前蹴り、ソバット。これは当たらなかったが、組み付いた椎葉はヘッドロックのような体勢でグラウンドに引き込む。そこから腕十字に捉えるが、前口は後転してロープエスケープ。これで残りポイント4-3で椎葉がリード。

前口は飛びヒザで飛び込むと、逃げようとした椎葉の腹部にまたもミドル。クリーンヒットはしなかったが、前口は強引に首相撲からのヒザ。さらにハイキックを出すが、紙一重でかわした椎葉は逆にハイキック。かわした前口はプレッシャーをかけていくとミドル。だが、ブロックした椎葉はロープを背負った前口に掌底でラッシュ。ガードでしのいだ前口は、逆に右フック気味の掌底で椎葉をグラつかせると、左右の掌底で前に出る。顔を下げた椎葉を蹴り上げるようなハイを出した前口だが、椎葉も必死に片足タックル。ガブった前口は立ち上がって離れる。プレッシャーをかけていった前口は後退した椎葉の腹部にボディブローをお見舞い。うめき声をあげながらダウンした椎葉だが、カウント8でどうにか立ち上がる。これで残りポイント3-3で並んだ。プレッシャーをかけて前口にロープを背負わせた椎葉は掌底を打っていくが、前口もヒザ蹴りで応戦。振り払った前口は転がして椎葉のスタミナを削っていく。それでも掌底で前に出ていく椎葉は、ローをキャッチされると張り手のような掌底。

しかし前口もヒザを返す。ハイキックが空を切ると、椎葉が掌底で飛び込むが、前口は強烈なロー。さらに顔面への掌底で椎葉の顔が下がると、ミドルからボディブロー。しかし、さすがに前口にも疲れが見え、明らかに動きが鈍い。椎葉はコーナーを背負った前口に、左右の掌底でラッシュをかけるとハイキック。これが紙一重で当たらなかったため、今度は前口が掌底で反撃。組み付いてヒザを入れて行く前口だが、スタミナがキツそう。どうにか椎葉を転がしたが、椎葉はアキレス腱固め。ニアロープだったため前口はエスケープ。これで残りポイント3-2で椎葉がリード。残り3分を切って前口は最後の力を振り絞って、掌底からのミドルでラッシュをかける。ガードでしのぐ椎葉だが、前口はその上からヒザを叩き込む。だが、バックに回った椎葉はスリーパーでグラウンドに持ち込む。前口がエスケープしたため、残りポイント1に。あとがない前口は掌底からのボディブローでラッシュ。しかしヘッドロックで組み付いた椎葉は、そのままグラウンドに引き込むとフロントネックロック。これがリング中央で極まったため前口はギブアップ。

激闘の末に紙一重の差で勝利した椎葉は、歓喜のガッツポーズで勝ち名乗りを受けると、大の字に倒れた前口に座礼。そして合同会社RYSKパートナーズ様から勝利者賞を受け取ると、涙を流しながらガッツポーズ。コーナーに登って勝利をアピールした椎葉がリング上に座り込むと、光留が「チャンピオン! チャンピオンなんで立って堂々と聞いてください。今日のこの…ちょっと煽り過ぎた! 途中で反省したよ! このすごいトーナメントを制覇したすごいチャンピオンなんだから、胸張ってくれ!」と声をかけると、「VTR終わったらちゃんと締めてね」と言ってから、プロデューサー自ら大会当日の朝4時までかかって制作した12月31日ハードヒット『FIGHT AFTER FIGHT』の決定カード& 椎葉と対戦する超大物を発表するVTRがスクリーンに映し出された。
発表されたカードは和田拓也vs門馬秀貴、佐藤光留&川村亮vs望月成晃&望月ジュニアの2試合。そしてメインで第1回Break through tournament優勝者の椎葉と対戦する“超大物”は鈴木みのると発表された。観客からどよめきと歓声と拍手が起こる中、椎葉は「皆さん、今日は応援に来ていただきありがとうございました! 年末ハードヒット、鈴木みのるが対戦相手ですけど、僕はその鈴木みのるをぶっ倒して! ハードヒットのプリンスからプロレス界のキングになります! 皆さん、応援よろしくお願いします! 今日はありがとうございました!」と叫んで大会を締めてみせた。

【試合後コメント】
椎葉 おっしゃー! ハードヒットBreak through tournament優勝したぞ! 年末、鈴木みのるが対戦相手だけど、俺はそんな奴ぶっ倒して! ハードヒットのプリンスからプロレス界のキングに成り上がってやるからな! 皆さん、応援よろしくお願いします! 今日はありがとうございました!

ーー大会総括を。

光留 あー、やり過ぎたなとは思うんですけど、でも別に誰も見てねえし(苦笑)。これいっつも思うんですよ! 格闘技つぃてのプロレスって一体何なんだって言って。いまそもそもプロレス自体が…本当に悪い言い方をしたら、闘いを水で薄めたようなプロレスもある中で、それがいいって言う人もいるし。別にそれがプロレスじゃないとも僕は思わないですね。そうなんだけど、やっぱりハードヒットは総合格闘技を水で薄めたようなプロレスになったら終わりだと思うんですね。だから使える武器はルールで決まっているんで。それを了承して出てもらっているんで、その中で自分が伝えたいこと、このスタイルで自分を表現することっていうのを、痛み・強さをハードヒットで示してもらおうっていうのがコンセプトなんで。それが体現され過ぎたトーナメントだったなと思いますね。見てるこっちがヒヤヒヤしました!

ーー決勝は椎葉選手と前口選手、奇しくもこのハードヒットをキッカケに最近プロレス界で活躍している選手同士の対戦となりました。

光留 さっきも売店でプリンスの横で「2年後は大きい団体に引き抜かれるのでいまのうちですよ〜」とか言ってるんですけど、それでいいんですよ! ぶっちゃけハードヒットが好きで、ずっとハードヒットにいてくれるのはありがたいことなんですけど、ここが終着駅なんて……プロレス人生まだまだ広いですし。大事にしてくれるのはありがたいです。でも出たいところを蹴って、大きいところに行くっていうのもひとつの覚悟だと思いますし、それはもう私は否定しませんので。だから彼らの頂点がいまじゃないので。プリンスも泣いてる場合じゃないですよ(笑)。泣くと思わなかった! 煽り過ぎたな!(笑)でも素晴らしい……素晴らしいのひとことしかないくらいの決勝だったんで。準決勝もダークマッチもよかったですね。

ーー椎葉選手は大晦日の対戦相手が鈴木みのる選手だと知って「鈴木みのるをぶっ倒してる」と言ってましたが。

光留 いやぁこれから……(鈴木に)了承はもらったんですけど、「あれ何?」って(苦笑)。でもそれも主催者の仕事なんで。

ーー覚悟を持ってという点では、今日GLEATの渡辺選手が単身乗り込んできました。このルールに適した試合っぷりに見えたし、いい試合だったと思いますが。

光留 結局ね、ルールに適したっていうのはもちろんあると思います。でも……GLEAT MMAに出場する経緯とか聞いたときに、僕、GLEATが嫌いなわけでも、LIDET UWFが嫌いなわけでもないんですよ。あの……すっごい悪い言い方をすると、やっぱり自分たちのハードヒットのこの10年を「なかった」って言った田村潔司と、人の金で買った看板に「俺たちUWF」って言ってる奴が嫌いなんですよ! でも渡辺壮馬は、渡辺壮馬自身がそれこそブレイクスルーしようとしているわけですよ。その足がかりでLIDET UWFがあったり、GLEATがあったりするんですけど、そのひとつでGLEAT MMAでキックに挑戦して「何とかキッカケをつかみたい」って言ってる、その心意気はむしろハードヒットがやっていることなんですよ。僕らが基本理念とは言わないです。でもそういう気持ちの人間が集まってやっているから、やっぱり10年以上続いているわけですから。じゃあ「一緒にやろう」って言い方はおかしいし、「なんで渡辺壮馬が?」って言ってる人はハードヒットにもいるし。何ならLIDET UWFにいてもらっても構わないです。それはそうですよ。呼ぼうと思ったら誰だって話は出来るのに、うちは渡辺壮馬しか呼ばなかったんですから。かと言って渡辺壮馬、今日はよかったです。でも負けているわけですから。勝負は続きますけど、その場所…ハードヒットに乗り込んできた。逆に言えば乗り込むチャンスを引き寄せたのも力だと思いますね。たぶん12月31日もオファーします。

ーーその12月31日は川村選手と組んで望月親子と対戦ですが。

光留 いやあ……本当にね、ムチャクチャなんですよ望月さんのお父さん!(苦笑)もうお父さんって呼ぶけど。まぁすごく遠くなるんですけど、初めて闘ったのって愚連隊興行だったんですよね。望月さんと後楽園でシングルやったときに、こんなに蹴りを打つ奴がいるんだって思って。腹立って思いっきりやり返したんですよ。そしたら思いっきりやり返されたんですよ。そこから(望月成晃プロデュースの)武勇伝のダークマッチでやったり、全日本のジュニアタッグリーグでやったり、いろんなところでやって。もちろんハードヒットにも出てもらったんで、最初の頃に。そういうのを見たときに、いつか呼びたいなって思ったんですよ。でもキッカケってあるじゃないですか。そしたらジュニアがデビューしたって。ダメ元で言ったら、本当に5分後にはOK来ましたから(笑)。楽しみっすね! パートナーも川村亮ですから。

ーー2でもロッキーでもなく、川村亮!

光留 はい。……失敗した。(カード発表の)Vのときは川村亮じゃないんですよね。「何だアレ」って言って、ロッキー川村が出ちゃったから「おや?」って空気になりましたけど(苦笑)。でも川村なりに思うところがあるし、大晦日ですから! (ジュニアは)空手がすごいんですよね? 楽しみっすね。

〈写真提供:ハードヒット〉

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