【ノア】古舘伊知郎氏が引退を迎えた武藤へ餞別の詩「いま積年の思いを込めて、さよならムーンサルトー!」
プロレスリング・ノアは2月21日(火)、東京ドームにて『KEIJI MUTO GRAND FINAL PRO-WRESTLING “LAST” LOVE ~HOLD OUT~』を開催。今大会では“プロレスリング・マスター”武藤敬司の引退とあって、最後の雄姿を一目見ようと東京ドームに多数のファンが駆け付けた。
『KEIJI MUTO GRAND FINAL PRO-WRESTLING “LAST” LOVE ~HOLD OUT~』
日程: 2023年02月21日(火)
開始: 17:00 開場:15:00
会場: 東京・東京ドーム
観衆:30096人
内藤哲也とのファイナルマッチを終え、その後サプライズで蝶野正洋との一戦を終えた武藤に古舘伊知郎氏が引退を迎えた武藤へ自作の詩を贈った。
▼古館氏が語りだす
「山梨県富士吉田市に生まれし一人の男子。入門から半年あまり、あの月面の奥義を身につけて、気がつけばアメリカマット界を席巻していた。
いったい、プロレスLOVEとはなんなのか? この男に二元論は通用しない。
ストロングスタイルか、アメリカンプロレスか? ベビーフェイスか、ヒールか? はたまたプロレスか、格闘技か? まったく通用しない。
思えば昭和、平成、令和。時代は移ろっても、技、試合のありよう、そして観客の声援スタイルが変わろうとも、一貫してこの男は二者択一を超えて、格闘芸術を作ってきた。
作品を作るとき、必ず心は削られていく。両の膝に人工関節を埋め込んで辿ってきたいばら道。じゃ、心は削られたのか?
団体を渡り歩き、まばゆいスポットライトを浴びながら、常に志半ばで逝った橋本を思い、プロレスに殉職した三沢を抱き、昨年旅立った猪木を仰ぎ見ながら戦ってきた。
もう、限界なんてとっくに過ぎていた。しかし、限界を超えてもなお輝き続けた夢物語。そろそろ、今夜がお開きか。
そう、これ、昭和プロレスの終焉なり。さあ、ザ・ファイナルカウントダウン。
武藤、この610文字に愛を込めて、いま積年の思いを込めて、さよならムーンサルトー!」
<写真提供:プロレスリング・ノア>