“新生”大日本プロレスが魅せる「血と汗の歴史」

4月13日(木)に開催した大日本プロレスの後楽園ホール大会。

大日本プロレスと言えば、「デスマッチ」と「ストロング」、そして「ジュニア」の3つの柱があり、コロナ前の後楽園ホールには満員の観客が訪れていた。

しかし昨今の新型コロナウィルスの影響でプロレス界のみならず、集客を要するイベントはまだ全盛期には程遠いのが現状だ。

そこでコロナ前と現在の大日本プロレスはどのように時間が流れてきたのか?

コロナ前のデスマッチ戦線と言えば伊東竜二、アブドーラ・小林、”黒天使”沼澤邪鬼を筆頭に、宮本裕向&木髙イサミ(ヤンキー二丁拳銃)、竹田誠志&塚本拓海(クレイジーラバーズ)、星野勘九郎、高橋匡哉がリング上を彩って来た。

ストロング戦線では関本大介、岡林裕二を筆頭に神谷英慶&橋本大地(大神)、中之上靖文、浜 亮太を中心にベルト争いを展開した。

これまでの大日本プロレスを彩った選手たちが築いたものは「血と汗の歴史」そのものだ。

そんな賑わいを見せたコロナ前の大日本マットだが、現在のリング上ではかつてメインイベンターを目指した新世代が躍進している。

コロナ前にはストロング王者にもなった神谷英慶が現在、第46代デスマッチヘビー級王者として君臨。

その突進力や説得力は大日本プロレスのデスマッチを引っ張る牽引力として十分な実力を発揮している。

そして石川勇希や若松大樹を代表とする若い力も育ってきた。

また新たに菊田一美も加わり陣容がUP、他団体のデスマッチファイターとして影山道雄や伊東優作も参戦。

そんな新たな景色を見せるデスマッチのリングに、かつて大日本プロレスマットで猛威を振るった、2人のレジェンドデスマッチ外国人レスラーが帰って来た。

マッドマン・ポンド&ネクロ・ブッチャー、通称「バカガイジン」と呼ばれる2人は、この日行われたセミファイナルの有刺鉄線ボードタッグデスマッチで竹田誠志 &塚本拓海(クレイジーラバーズ)と対戦。

  

この試合では4人がそれぞれ流血戦を展開し、ド迫力の試合を見せ後楽園の観客の度肝を抜く試合を披露。

全盛期を過ぎたと思われるマッドマン・ポンド&ネクロ・ブッチャーが往年の凄みを発揮し、試合では負けたがクレイジーラバーズをトコトン追い詰めた。

試合後、対戦相手を務めた竹田誠志は自身のTwitterで「大日本ホール終了。ポンドとネクロの馬鹿外人のお陰で良い血が流せた。ポンドはおっさんになったけど俺が夢中になってた当時と変わらず。ネクロに至っては数年前の米遠征で会った時とは別人。病気を乗り越えたネクロは生き生きとしてた。デスマッチは生きる力になる。奴らとは続きが欲しいね。」とツイート。

この試合を観た観客もSNSでツイートしているので紹介したい。(一部抜粋)

・昨日のあの試合楽しかったな!って幸せな気持ちになれるのがいい😊😊バカ外人&クレラバ最高꒰ ♡´∀`♡ ꒱

・プロレス見て幸せな気持ちになる そんな試合が好きだ! 2023.4.13大日後楽園セミ

・”バカガイジン!!”コール最高でした😍 私の中でのバカガイジンは、やっぱりマッドマン・ポンドなんです😊

・すごいものを観た。これがデスマッチに生きるバカ外人と馬鹿日本人…

・生まれてはじめて、生でマッドマン・ポンドとネクロ・ブッチャーの試合を見たのですが、いやあ、ヤバい(語彙力喪失)

多くの観衆を魅了し、またその熱狂を作り上げる大日本プロレスマットには数多くの歴史がある。

メイン終了後に神谷が発した「新生・大日本プロレス」というワードにアブドーラ・小林が嚙みついた。

A小林「オイ、なんだ新生・大日本というのは?なんだその新生・大日本というのは?俺と伊東がいるんだぞ、ベルト守ってられるのか?新生っていうのはな、俺から言わせたらただの言葉だ。俺を見ろ、伊東を見ろ。俺たちは積み上げてきたんだ!積み上げてきたものを超えれるのか?そしてお客さんを見ろ。お客さんが我慢して積み上げてきたから、いま声を出せるんだろ。積み上げることをバカにするな!新生って言葉軽く使うな!笑ってごまかすな、俺も伊東も本気だぞ。」

伊東「小林、取りあえずオマエは相手の言ったことをひっくり返せばいいと思ってるだけだろうが!神ちゃんが新生・大日本と言っています。確かに大日本は生まれ変わらなきゃいけない。ただ、生まれ変わるのが新しい人間じゃないといけないという事はどこにもない!オマエはそのままでいいなら、そのままでいい。俺は生まれ変わったうえでオマエを倒す!そして、まだオマエが5月4日チャンピオンだと決まったわけではないが、オマエではない。そのベルトを取りにいく」

神谷「大日本プロレス、面白くなってきたんじゃないでしょうか!皆さん、新生・大日本プロレスはみんながみんな好き勝手に大暴れします!みんなで大暴れします!なので新生・大日本プロレスに是非ついて来てください!積み上げたものを、ぶっ壊しますよ!いくぞー!新生・大日本プロレス、GOGOGOだぜ!!」

今の神谷はまさに「GOGOGO!」の言葉の勢いと同じく、強くてタフな王者として大日本プロレスのデスマッチ路線を継承している。

そしてストロング勢もデスマッチに負けておらず、現王者の岡林裕二を筆頭にタフな選手が躍進を遂げている。

大日本プロレスのストロングの立役者と言えば関本大介。

その関本は4月15日・16日に開催するシャトレーゼ・ガトーキングダム・サッポロ大会2連戦の初日でストロング王座へ挑戦が決定している。

この2人の対戦はストロングの看板カードであるが、その勝者に新世代の青木優也が次期挑戦に名乗りを上げた。

果たして青木は5月4日(木祝)横浜武道館の大舞台で新時代到来を告げる事が出来るのか?

タッグ戦線も現王者組の野村卓矢&阿部史典(アストロノーツ)が白熱した試合を展開し、ストロング勢ここにありを観客に魅せつけた。

そして第7代BJW認定ジュニアヘビー級王者の関札皓太を筆頭としてジュニア戦線も活性化している。

数多くのドラマが大日本プロレスのリング上を彩り、そして「血と汗の歴史」が刻まれて来た。

観戦から足が遠のいたファンがマッドマン・ポンド&ネクロ・ブッチャー観たさに大会に駆け付け、そこで新たな選手たちの活躍を目にしている。

試合後、後楽園ホールの名物階段を下りていく際に「凄かった」、「今日はヤバかった」、「デスマッチ面白い」などと語り合う姿が見られた。

レジェンドたちが歴史を紡いで来たリングに、新世代が台頭し、新たな歴史を繋ごうとしている。

足が遠のいてしまったファンの方には改めて来場を期待し、新旧の選手たちが「血と汗の歴史」を魅せる大日本プロレスを是非味わって頂きたい。

<プロレスTODAY総監督 山口義徳>

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