【全日本】芦野祥太郎との三冠戦が中止となった永田裕志「残念に思っているお客さんを満足させるのがチャンピオンの務め」

全日本プロレスは10日、都内の事務所にて記者会見を行い、チャンピオン・カーニバル2023を優勝した芦野祥太郎が負傷欠場することを発表。また、5月29日に行われる予定であった三冠王者・永田裕志vs芦野戦は中止となった。


©全日本プロレス

ケガの状況などを芦野が述べた後に永田が同席。

芦野との三冠戦の中止を受けて永田は「5月7日、チャンピオン・カーニバル決勝戦は解説席でしっかりと見させていただきました。この決勝戦のカードが決まった当初は、ボクが思い描いていた選手とはちょっと違って、大きな選手がぶつかり合うのが全日本プロレスの特長だと思ったので、芦野とT-Hawk両選手の闘いが果たして大きな選手のぶつかり合いと比べてどうなのかと思ったんですが、そんなことは杞憂に終わって。

身体は小さくても大きなインパクトが放送席、会場中に伝わる試合だったなと。僕自身も解説しながら引き込まれたところはありますし、ホント素晴らしかったと思います。だからこそ芦野祥太郎が優勝したことで、彼とはみなさまが喜びそうないろんなストーリーが多々ありますし。試合に向けてかなり盛り上がってくるんじゃないかって思いもあったので。もちろん彼とは去年王道トーナメントで闘ってますけど、いい選手だとわかってましたので、ここにきて今度はチャンピオンシップを懸けて闘うことができるという喜びも大きかったんですが、残念なケガということで。彼自身も非常に無念でしょうけど僕自身も非常に悔しい思いをしています。


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全日本プロレスの選手たちからすれば、外様・永田裕志にベルトを取られているなかで、至宝を取り返さなきゃいけないっていうテーマを背負って芦野祥太郎がチャレンジしてくるんだっていう覚悟をもって待ってましたが、芦野選手がケガに倒れてしまったことで、じゃあ次誰が挑戦者になるのかと。順当っていう言い方もおかしいですけどね。こういう場合、だいたい決勝に出た選手が挑戦してくるのかなと。

T-Hawk選手。彼自身も新日本のリングに上がってますし直接絡んだことはないながらもいい選手だってのはわかってます。まさかヘビー級のチャンピオン・カーニバルで決勝まで行って、しかも芦野祥太郎をかなり苦しめるほどの選手だっていうのを今回初めて知りました。T-Hawk選手とやるとしてもいいことだと思うんですが、そうすると全日本プロレスのテーマである三冠ヘビーの至宝を永田から奪い取ろうっていうことから外れてしまう。僕にとっては知ったこっちゃないんですけど。ただ、この決定ていうのは僕が彼を指名したからできるわけでもないし。T-Hawkに勝った選手もいるかもしれないし。また、他の全日本のどうしても取りたいっていう、青柳(優馬)なんかは優勝して永田裕志に土下座させるなんて言ってましたけど、見事に決勝にも残れなくて惨敗したっていう。そういうのも見てて僕的には非常に愉快でしたけどね。ただこれ決定っていうのは全日本プロレスさんの実行委員会、それともPWF?

司会より「PWFの方で。永田選手は5・29後楽園で芦野選手とは流れましたけど、ほかの選手との三冠戦はやるという?」

永田「そうですね。それしかないでしょうね。こういうアクシデントはウチでも過去にありましたし、そういうときは急に選手が変わっても堂々と試合して、残念に思っているお客さんを満足させるのがチャンピオンの務めだってのは十分わかってますので。T-Hawkって選手はたしかに実績も、チャンピオン・カーニバルでも前(三冠)王者の宮原健斗選手も破ってますし、僕の同僚の小島聡選手も倒していますし。相手にとって不足はないですけど、ただ、すんなりT-Hawk選手が僕のチャレンジャーになることで丸く収まるかっていったら、そういったガヤガヤした部分も見たいと思いますし。べつにT-Hawk選手がこれで決まりならいいいですよ。ただPWFと協議してもらって、もしかしたらこれに異を唱える選手が出てくるかもしれない。そこを僕はじっくり見させてもいます。あとは決定に従います」

ーー永田との三冠戦が中止になりましたが


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芦野「残念としか言いようがないですね。永田裕志の腰から三冠ベルトを引っぺがすのは俺しかいないと思ってたんで。(ケガの)腕を取ってでも、片腕でも行きたいんですけど、それじゃ勝てないというのはわかっているし。ホントに残念ですが、たしかにT-Hawkが準優勝なので順当に行けばというのは、言ってることはわかるんですけど。たしかに腕も彼の膝で折れてるわけですし、とてつもなく強力な選手だとわかっているんですが。そこは認めたうえでチャンピオン・カーニバル優勝者としての意見としては、Bブロックで所属に負けたのは安齊勇馬だけなので、安齊でいいんじゃないですかね、とは思いますけどね。俺は所属の選手が5月29日に挑戦してほしいと思ってます。それじゃなければ、この三冠戦に意味が生まれてくるのかなというふうに思うんですが、穴を開けたのは俺なんで、そこは俺自身もPWFの発表に従うしかないですけど、俺は所属に行ってほしいなと思ってます」

ーー芦野選手がが復帰したら三冠戦をやりたい?

永田「僕がずっと持っていたらそういうこともあるでしょうし、ただ彼の復帰ってけっこうかかるんじゃないかな。数ケ月はかかると思うんで。それまで持ってたらぜんぜん問題ないですよ。チャンピオン・カーニバル優勝者として堂々と迎え撃ちます」

ーー芦野選手は復帰したら改めて三冠に挑戦したいか?

芦野「ただこれから全日本所属のレスラーたちの猛攻撃が始まると思うので、それに永田裕志が耐えられるのであれば、俺が復帰して挑戦したいなと思いますけど」

永田「T-Hawkって選手はあんまり穴がないですよね。体自体はそんな大きくないけど、(リーグ戦で)誰に負けたんだっけ?


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ーーヨシタツ選手に

永田「ヨシタツ。T-Hawkに勝ってヨシタツとやります?これかけて。いちおう全日本所属でしょ?」

ーーいちおうではなく正式に所属です。

永田「この空気を見たらやめたほうがよさそうですね」

ーー芦野選手からは安齊という声が出ていますが

永田「安齊、全然いいですよ。身体が徐々に大きくなっているとはいえ、彼はもっとすごい身体になる素材を持ってるし。ここ1年足らずですけどデビュー戦をやって。先輩たちの強烈な攻撃を受けながらもあの細い身体で意外な耐久力があるんですよ。こないだの内藤とBUSHIとやったのを見ましたけど、そういうのを見てても思いましたし、なかなか実戦ふみながらどんどん強さを吸収していく選手って見たことがないんで。自分がデビュー戦を務めたってことでは、彼の1年も経ってないなかで挑戦を受けるのもありかなという気もしないではないですね」

この芦野の欠場を受けて、T-Hawkや所属選手がSNSなどで声を上げているが、果たして5月29日は誰が三冠に挑戦するのか、注目である。

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