【DDT】11月に引退する赤井沙希が因縁の男色ディーノに勝利!「元々抱えていたモヤモヤは晴れました。また違うモヤモヤが生まれて」

 DDTプロレスが8月27日、東京・後楽園ホールで「夏休みの思い出2023」を開催した。11・12両国国技館で引退する赤井沙希が「デビュー10周年記念試合vol.3」で男色ディーノとの一騎打ちを制し、抱えていたモヤモヤが晴れるも新たなモヤモヤができてしまった。

 2016年11月23日、後楽園で赤井は当時DDT EXTREME王者だったディーノに挑戦。この試合がプロレス人生を左右するきっかけになったが、ディーノから投げ掛けられた言葉で「どうしても納得いかないことがあって。モヤモヤを抱えたまま、11月の両国を迎えられない」としてシングル戦を要望した。

 ディーノは8・6山形で鼻骨を骨折して手術を受けており、フェースガードを着用して登場。見るからに強行出場のディーノはバックドロップで奇襲をかけ、ブレーンバスター、ナイトメアーと短期決戦を狙う。

 赤井もブレーンバスター、ミドルキック連打で反撃し、顔面蹴りにいこうとしたところでちゅうちょ。すると、ディーノは「私はこうしてさらけ出してるよ。テメエのどんな攻撃でも受けていいと思ってる。そのために上がってきた。心の弱いところが出てるぞ。弱いとこ見せないのがプロレスラーじゃないのか。打ってこいよ!」とゲキ。

 それを聞いた赤井は容赦なく顔面蹴り。

 新人賞、顔面蹴り、ハイキックとたたみかけ、再び顔面を狙ったところで、危険とみなしたレフェリーが試合を止めて、赤井の勝利。

 マイクを持ったディーノは「こんなコンディションですまねぇ気持ちもある。やっちゃダメって言われるから、病院に黙ってここに来た。強くなったな。完敗だ。デビューしたてのオメエだったら、顔面蹴るのなんてプロレスじゃねぇって言ったと思う。私もそれはプロレスだと思わない。でも、それもプロレスだと思ってる。それもプロレスというのがDDTの強み。その集合体がDDT。DDT好きになってくれてありがとう。意見違うとか、そんなもの当たり前だ。同じ意見の人ばかりで何が面白いんだ。違う意見をここでぶつけるから面白いんだ。だから違和感があっても、全部背負って、あと2ヵ月半、強くなり続けろ」とエール。

 赤井は「今言っていただいた言葉、全部背負って、残り2ヵ月半、もっと強くなって、DDTをもっといろんな人に知ってもらって、世界に伝えていきます」と涙で返し、2人は抱擁。

 バックステージで赤井は「ディーノさんは偉大だなって改めて分かりました。違う意見、違う思想でいいと思うので。プロレスラーの場合は、それをリングで戦い合って、同調させてお客さんに気持ちを乗せてって。元々抱えていたモヤモヤは晴れました。でも、また違うモヤモヤが生まれて。これの繰り返しなんだって。これが新しい戦いを生んで、試合が生まれるんだなって。新しくできたモヤモヤの答えが、ほかの試合で生まれると思うんで。答えを探し続けようと思います」と話した。そして、同日夜の全日本プロレスの名古屋国際会議場イベントホール大会に向けて、「この気持ち、DDTを背負ったまま行って、DDTとして見せてきます。お土産にベルトがまた3本あって、みんなに見せられるように行ってきます」と全日本のベルト奪取を期した。

 そして、夜の全日本・名古屋大会で、KO-D6人タッグ王者組のイラプション(坂口征夫、赤井、岡谷英樹)が全日本プロレスTV認定6人タッグ王者組の大森隆男、ATM、ブラックめんそーれとダブルタイトル戦を行い、赤井が新人賞でATMに勝利して2冠王者に。全日側の要求により、9・3アオーレ長岡でATM、めんそーれ、DASH・チサコ組の挑戦が決定的に。イラプションは9月9日、東京・大田区総合体育館までKO-D6人タッグを保持していた場合、同大会での宮本裕向、木髙イサミ、ラム会長組との一戦は王座戦になる見込みだ。

 また、第1試合では9・9大田区でのKO-Dタッグ選手権(王者組=火野裕士&大石真翔vs挑戦者組=藤田ミノル&KANON)の前哨戦(火野&大石&瑠希也vs藤田&KANON&MJポー)が行われ、KANONがスリーピー・ホロウで瑠希也を制した。KANONは「タイトルマッチは俺らのためにベルト獲るんだ。その前に9・3横浜で、火野裕士とシングルだ。まずはそこで怪物をマットにスリーやってやるよ。覚悟しとけ」と怪気炎。一方、火野は「誰から獲ったのかとか関係ない。ワシらがいるチームからやっと勝てた。9・9はちょっとだけ楽しみやな」と余裕たっぷりだった。

【大会名】夏休みの思い出2023
【日時】2023年8月27日(日)
【会場】東京・後楽園ホール
【観衆】680人

▼ダークマッチ ノータッチルール 15分一本勝負
○飯野“セクシー”雄貴&彰人 vs 夢虹&イルシオン●
8分38秒 ケツゴェ

▼オープニングマッチ 30分一本勝負
火野裕士&大石真翔&●瑠希也 vs 藤田ミノル&KANON○&MJポー
8分49秒 片エビ固め
※スリーピー・ホロウ

▼第二試合 赤井沙希写真集「GRACIA」インフォマーシャルマッチ 30分一本勝負
●平田一喜 vs ●アントーニオ本多 vs 赤井沙希写真集「GRACIA」○
8分22秒 ワキ固め

▼第三試合 赤井沙希デビュー10周年記念試合vol.3~スペシャルシングルマッチ 30分一本勝負
●男色ディーノ vs 赤井沙希○
6分51秒 TKO勝ち
※レフェリーストップ

▼第四試合 30分一本勝負
樋口和貞&○岡谷英樹&正田壮史 vs 納谷幸男&岡田佑介&高鹿佑也●
9分57秒 エビ固め
※ダブルアーム・スープレックス

▼第五試合 HARASHIMAデビュー22周年記念試合~スペシャル6人タッグマッチ 30分一本勝負
○HARASHIMA&ヤス・ウラノ&大家健 vs 関本大介&高木三四郎&坂口征夫●
14分15秒 片エビ固め
※蒼魔刀

▼セミファイナル スペシャルシングルマッチ 30分一本勝負
○佐々木大輔 vs 小嶋斗偉●
10分34秒 クロス・フェースロック

▼メインイベント スペシャルタッグマッチ 30分一本勝負
○クリス・ブルックス&上野勇希 vs 入江茂弘●&秋山準
19分45秒 片エビ固め
※プレイングマンティスボム

〈写真提供:DDTプロレスリング〉

⇒次ページ【動画】男色ディーノの顔面に蹴りを叩き込む赤井沙希

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