【新日本】大張前社長が棚橋新社長へエール「リング内外、垣根なくメスを入れていける経営者になれると思います」

新日本プロレスは26日、代表取締役社長に就任した棚橋弘至が記者会見に登場し所信表明を行った。

新日本は23日に行った臨時株主総会及び取締役会において新人事として、経営体制の変更のため棚橋弘至の代表取締役就任を発表すると大きな話題となった。

会見では冒頭にブシロードの木谷高明オーナーが登場し、前社長である大張高己氏について語り終えた後に、大張高己前社長が登場。

▼大張高己前社長のコメント全文

「本日はお集まりいただきまして誠にありがとうございます。私は2019年1月からですね、現在までですから、5年間、新日本プロレスでお世話になりました。2019年11月には新日本プロレス初の海外子会社であるニュージャパンプロレスリングオブアメリカの初代CEOとなりました。

2020年10月には新日本プロレスの第10代の社長となりまして、それ以来、3年2ヶ月その任務を務めさせていただき、この度退任をさせていただきました。社長に就任した2020年というのは、まさにコロナが始まった年、2020年の10月はこの先どうなるかわからないトンネルの入口なのか、出口なのかも全くわからないような、そんな時代でした。

未曾有の危機を乗り越えて、そして同じくコロナで苦しい思いをしているファンの皆様のためにも、プロレスの火を絶やさずに、さらにはアフターコロナが、その積み重ねを、その積み重ねがアフターコロナの武器になるようにと思って経営をする。これが私のミッションであったのではないかなと思います。

コロナ禍の3年でデジタルグローバル、そして他団体やスポンサー企業様とのパートナーシップ、これらを武器にビジネス面での改革について、ファンの皆様、選手のみんな、社員のみんなと皆様に支えていただきながら、私の力の及ぶ範囲でできることは全て、おかげさまでやり遂げることができたと思います。

その間、いつも傍らで立場は違えど、かつての危機を乗り越えたV字回復の立役者として、支えてくれたのが棚橋弘至新社長です。私と棚橋さんの関係は、むしろ社長と選手というよりも、コロナ禍をともに乗り越えてきた戦友であり同志であるような、そんな印象があります。

いつも経営目線で気にかけてくれて、経営状況の共有もしました。そして新施策、新しい施策などもよく相談に乗ってくれました。声出しを回復した後楽園ホールでは、汗まみれの棚橋選手に涙ながらに抱きつかれた、そんな思い出もございます。

この3年2ヶ月で、皆様のおかげで作り上げてきた、この積み重ねの武器をですね、史上最高の新日本プロレスを実現するために、棚橋選手に全て手渡せたことを、大変嬉しく思いますし、誇りにも思います。そして私は選手ではないので、リングの外のビジネスを専門として、テコ入れを行ってきました。

一方で棚橋選手はその呼び名の通り、選手であり、社長であり、リング内外、垣根なくメスを入れていける経営者になれると思います。私は1ファンでした。5年前までは1ファンでした。そして、社長を務めさせていただきました。

その観点から一言申し上げると、プロレスはこちらの世界から見て、内部の世界から見て、私がファンであったときに想像していたものよりも何倍も何十倍も何百枚も尊いものだと、知ることができました。そしてそのポテンシャルは、今、顕在化しているものよりも何倍も大きいと思います。

なので新日本プロレスは業界のリーダーとして、棚橋新社長の新体制のもと、ますます発展していくものと思います。新体制下でも引き続きより一層の応援をよろしくお願いいたします。最後に立ち上がらせていただきます。

世界中のファンの皆様、私の人生の宝物になるような、素晴らしい体験を3年2ヶ月にわたって与えてくださいまして誠にありがとうございました。」

感謝を述べた大張前社長はうっすらと涙目になっていた。

コロナ禍にありながら、前年度には売上面において創立以来2番目の記録を残した大張前社長。

憧れの新日本プロレスの代表取締役社長となり、前代未聞の厳しい経営環境の中、確かな手腕を振るった3年2ヶ月。

新社長の棚橋弘至にバトンを渡した大張前社長に対し、退席の際には報道陣が拍手で見送った。

▼新任取締役 (2023 年 12 月 23 日付) *は非常勤
代表取締役社長 棚橋弘至
取締役 松本仁司(株式会社テレビ朝日 ビジネスプロデュース局担当局長)
取締役 岡田太郎(株式会社ブシロードファイト 代表取締役社長)*
※ なお、取締役大張高己氏、取締役西澤道昭氏は 12月23日をもって退任。

▼新任代表取締役社長の略歴
<氏名> 棚橋 弘至(たなはし ひろし)
<略歴>1976 年 11 月 13 日、岐阜県大垣市生まれ。1999 年、立命館大学法学部を卒業後、新日本プロレスに入門し、同年 10 月にデビュー。2006 年、IWGP ヘビー級王座を初戴冠。2009 年、2011 年、2014 年、2018 年にはプロレス大賞 MVP を獲得するなど「新日本プロレスのエース」として団体を牽引。2019 年には IWGP ヘビー級王座最多戴冠記録を樹立。

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