赤の王者・舞華、スターダム残留宣言「私がこのリングを守る!」


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「どんな気持ちで両国のリングに上がったか? すずをぶっ殺す気でいました、マジで。あんなに人を憎んだのは初めてでしたね。あそこで負けてたらホントにヤバかったけど、勝った瞬間はホッとしたというか。もちろんうれしさもありましたけど、安心したという方が大きかったかな。私ってあまりプレッシャーを感じないタイプなんですけど、試合前には5★STARのときを思い出しちゃったりするんですよ。だけど試合が終わってみんなの歓声が聞こえたときに、いい意味で肩の力が抜けましたね。もちろん、一番をキープしないといけない。ここから大変なのは覚悟してます。ここまでずっと蹴落とされてきたわけだから、むしろここからどうやっていこうかというワクワクしかないですね。スターダムで一番のベルトを取った。だったらさらに上の一番がほしくなる(笑)」


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 2・4大阪での初防衛戦では、フューチャー王座戦線からライバルとして闘ってきた上谷沙弥に勝利。立場が二転三転するなか、こんどは舞華が赤いベルトの王者として上谷の先を行ったのだ。すると、試合後の舞華は全選手をリングに呼び込んだ。小川EPも呼び込んだ。当日はスターダム13周年記念のビッグマッチ。「団体の最高峰のベルトを持っている者として、記念大会はみんなで締めるのが筋かなと思ったんです」


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 ところが、これがとても意味深な場面となってしまう。もちろんこの瞬間は、選手、関係者ともこの後、あのようなことが待っているとは思わない。観客はその後の出来事を翌日まで知らない。大会終了後、こんどは選手たちがバックステージに召集され、この日をもって小川EPが契約解除となったことを知らされた。それを聞いた赤いベルトの王者は、いったい何を感じたのか?


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「試合後全員呼ばれて、疲れてるのに何って。もしかして事故かなとも思いました。誰かが倒れて救急車で搬送され危険な状況にあるとか、いろいろ最悪の状況を想像しました。発表を聞いて命にかかわることじゃなくて安心はしましたけど、いま(その発表)じゃないだろって思いましたね。ふざけんなよ、このタイミングで大人たちはいったい何をしたいんだと。まあでも、いま私が王者でよかったなって思います! どんな状況であれ、このベルトを持ってる以上、守りたいものは守るし、このリングを守る。その覚悟もついているというか、私がこのベルトを取ったときに全部を背負うと覚悟したので、私でよかったんじゃないかと思いますよ。ふざけんなよって、腹立ちますけどね(笑)」

 


写真:新井宏

 スターダムは岡田太郎社長のもと新たなるスタートを切り、小川氏は新団体を画策中と噂されている。ならば、スターダムから離脱者が出てくる可能性もある。では、赤いベルトの王者・舞華はどうするのか?

「私はスターダムを守りますよ! それが王者としての義務ですから。確かに、スターダムから出ていく選手もいるかもしれない。それは覚悟してます。でも、みんなの帰ってくる場所はここだって思いますけどね。それはロッシー小川も含めて、帰ってくる場所はここにある。私がみんなの居場所は守るから、たった一度の人生、みんな後悔のない選択をしてほしいなと、私は思います。残留宣言? そうですね!」


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 舞華はこれまで通り、これからもスターダムのリングに上がる。これまでずっとシングルのタイトルには縁がなかったものの、だからこそこの状況下でのワールド王座政権にはきっと意味があるはずだ。4月以降、リング上の風景が大きく変化することも考えられる。それでも、白川未奈らとともにE neXus Vを結成した舞華がどのようにしてスターダムをよりいっそう盛り上げていくのか。昨年を上回る激動の年になりそうだが、これまでの苦悩と比べればやりがいは桁違い。さらなる“舞華待望論”が、スターダムをより高いステージへ押し上げる。

<インタビュアー:新井宏>

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