【SSPW】3.21後楽園“決戦直前”見どころコラム到着!
【決戦直前!見どころコラム到着!】
初代タイガーマスクストロングスタイルプロレス3・21後楽園ホール大会
レジェンド王者・間下隼人が元王者のリアルレジェンド、アレクサンダー大塚を迎え撃つ!
初代女子タッグ王者・ジャガー横田組がDarkerZと初防衛戦!
タイガー・クイーンとSareeeの遭遇で何が生まれる!?
船木誠勝とグレート・サスケ、時空を超えて、まさかの初タッグ!
初代タイガーマスク佐山サトル率いるストロングスタイルプロレス(SSPW)が3月21日(木)東京・後楽園ホールにて今年最初の“聖地”後楽園大会「初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.28」を開催する。
当日は、レジェンド選手権試合とSSPW女子タッグ選手権試合の男女2大タイトルマッチがおこなわれるとともに、“パンクラス”船木誠勝と“みちのくプロレス”ザ・グレート・サスケの初遭遇や、タイガー・クイーンとSareeeの対戦など内容盛りだくさん。
本欄では各試合の見どころを探ってみる。(文・新井宏)
「初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.28」
日時:2024年3月21日(木)開場:17時30分/試合開始:18時30分
会場:東京・後楽園ホール
▼第1試合シングルマッチ30分1本勝負
野崎渚(フリー)vs柊くるみ(プロミネンス)
大会のオープニングを飾るのは、野崎渚vs柊くるみの女子シングルマッチだ。どちらもSSPW初参戦というフレッシュなカード。2006年にNEOでデビューし、ケガに悩まされながらも女子プロのエース格に成長した野崎は昨年10月にwaveを退団、フリーになってからはNOAHやSEAdLINNNGのリングに上がり、3月15日にはSEAdLINNNGのタッグ王座に就いたばかりだ。
NEO時代の師である田村欣子の決めゼリフ「ケッテー!」を引き継いでおり、全日本女子プロレスのストロング派でもあった田村の後継者としても、女子路線が定着したSSPWへの参戦は彼女にとって大きな転機になるかもしれない。対する柊は、デスマッチハードコアユニット、プロミネンスに所属する23歳。
10歳のときにアイスリボンでデビューしており、キャリアを重ねるごとに大型化。いまでは体重80キロを誇るパワーファイターとしてさまざまなリングでその強さを発揮している。技巧派の野崎と怪力派の柊、どちらのストロングスタイルが上回るのか。今後への期待も込められた、初参戦同士の一騎打ちだ。
▼第2試合タッグマッチ30分1本勝負
関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)&日高郁人(ショーンキャプチャー)
vs
澤田敦士(無所属)&政宗(フリー)
第2試合は、関根“シュレック”秀樹&日高郁人組vs澤田敦士&政宗組のタッグマッチ。ヘビー&ジュニアの階級を超えたタッグチーム同士による闘いとなる。シュレック、日高とも前回の後楽園大会(2023年12・7)では黒星を喫しており、日高はこの試合を「出直し」と定義し、リングに臨む。
また、階級を超えたぶつかり合いはプロレスの醍醐味のひとつ。シュレックと政宗、日高と澤田の絡みからいったい何が生まれるのか興味深い。もちろんヘビー、ジュニア同士の闘いも見逃せない。とくに前回の後楽園で間下隼人のレジェンド王座に挑むもベルト奪取ならなかったシュレックには、王座再挑戦に到達するためにも新しい実績作りが必要になってくる。
それだけに、元警察官のシュレックと現・我孫子市議会議員・澤田の初対戦は注目される。とくにシュレックの方から澤田を意識し挑発しており、危険なムードさえ漂っている。2年9カ月という長期欠場から前回の後楽園で復帰を果たした澤田にとって、シュレックは格好の獲物となる可能性があるだろう。格闘技での実績もあるシュレックを使い、“売名王”が完全復活か?
▼第3試合タッグマッチ30分1本勝負
タイガー・クイーン(SSPW)&雪妃真矢(フリー)
vs
Sareee(フリー)&本間多恵(フリー)
第3試合は女子タッグマッチ。タイガー・クイーンと雪妃真矢がタッグを組み、Sareee&本間多恵組と対戦する。クイーンと初めてのタッグを結成する雪妃はSSPWに2年ぶりの参戦で、初遭遇となるクイーンとのチームは見栄えすること間違いなし。ビジュアル的にも非常に魅力的なタッグが誕生すると言っていいだろう。
多くの団体で活躍する雪妃は、OZアカデミーでは雪妃魔矢として悪の顔も持つ。普通に考えればこの日の雪妃はベビーフェース、しかし覆面レスラー、クイーンとのタッグでどんな顔を見せるのか楽しみでもある。そして、この試合でもっとも注目されるのが、クイーンとSareeeのSSPW初遭遇だ。
両者は昨年10月、アズーリプロレス祭りで初対戦。そのときはクイーンが本間、Sareeeがジャガー横田との師弟タッグで臨み、ジャガーが本間をフォールした。Sareeeといえば元SSPWの常連で、SSPW女子部の現体制移行前の中心選手だった。
初代タイガーマスクのチャリティー活動にも加わっていたSareeeは、世界最大のプロレス団体WWEを経て凱旋。日本に定着した現在は自主興行をはじめさまざまな団体で話題を振りまいており、古巣のひとつと言っていいSSPWとは4試合契約を締結、今年の後楽園大会すべてに出場するという。
それだけに、今回はSareeeとクイーンの間で何かが生まれることを期待したい。シングルでの闘いに発展するのか、それとも共闘か。一方、このところ海外マットでの活動が増えている本間だが、クイーンとのシングルで敗れているだけに、Sareeeばかりにおいしいところを持っていかせたくない気持ちもあるだろう。
クイーンと組む雪妃も同様。本間、雪妃の自己主張にも注目したい。
▼第4試合6人タッグマッチ30分1本勝負
スーパー・タイガー(SSPW)&船木誠勝(フリー)&ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)
vs
ダーク・ウルフ(DarkerZ)&村上和成(フリー)&関本大介(大日本プロレス)
第4試合はスーパー・タイガー&船木誠勝&ザ・グレート・サスケ組vsダーク・ウルフ&村上和成&関本大介組の豪華6人タッグマッチだ。最大の注目は、SSPWのエースであるスーパーを軸に、船木、サスケとのトリオ結成にある。この組み合わせは、90年代の日本プロレス界を見てきた者なら感慨深いこと間違いなし。
多団体時代のはしりとなった90年代、日本のマット界は各団体がさまざまなスタイルをアピール。そのなかで船木が格闘路線のUWF系パンクラス、サスケが空中殺法中心のルチャ系みちのくプロレスを作ったのだ。あの時代を経て現在のプロレス界はなんでもあり。
船木が大仁田厚のデスマッチに挑んだように、あらゆる不可能が可能になっている。が、ここまで船木とサスケの絡みは一切実現してこなかった。それがいま、SSPWのリングで可能となったのだ。この2人を結びつけるキーワードが、初代タイガーマスク佐山サトルであることも忘れてはならないだろう。
初代タイガーマスクの四次元殺法はルチャ系の原点であり、佐山の格闘バージョンと言えるUWFでのスーパー・タイガーがU系の基礎となった。スーパー、船木、サスケ。この3人が並び立つ姿に佐山総監がリングで躍動したあの頃がダブるだろう。このチームに対するのが、ダーク・ウルフ&村上和成&関本大介組だ。
ウルフは1月のウナギ・サヤカ自主興行で初登場し、SSPW2・16サポーターズマッチに参戦した。DarkerZに男子選手がいたとは驚きだが、それに加えて驚愕のパワーも注目に値する。すでにタッグマッチでスーパーと対戦しており、ライバルとなっていく可能性もありそうだ。スーパーとの対戦では、村上の存在も不気味である。
スーパーのレジェンド王者時代、村上は挑戦のチャンスをつかみながら自身のケガで逃してしまった。そのときの清算をするためにも、これを機にスーパーとの一騎打ちに持ち込みたい。ウルフ&村上と組む関本は元レジェンド王者で、船木との対戦を含め同王座の価値を高めてきた、SSPWの立役者。今回も高値安定のパワーでファンの歓声を引き出すはずだ。
▼セミファイナル SSPW女子タッグ選手権試合60分1本勝負
〈王者〉ジャガー横田(CRYSIS/ワールド女子プロレスディアナ)&薮下めぐみ(CRYSIS/フリー)
vs
〈挑戦者〉ダーク・タイガー(DarkerZ)&ダーク・チーター(DarkerZ)
セミファイナルはSSPW女子タッグ王座戦。ジャガー横田&薮下めぐみ組5がダーク・タイガー&ダーク・チーター組を迎え撃つ。SSPWでは女子で初めてのベルト、SSPW女子タッグ王座を新設し、昨年6月から12月にかけて初代王者決定トーナメントを開催した。
全8チームが参加し、タイガー・クイーン&梅咲遥組を決勝で破ったジャガー&薮下のCRYSIS師弟コンビが初代王者に輝いたのだ。ジャガー&薮下が初めて迎える挑戦者にはDarkerZのダーク・タイガー&ダーク・チーターが選ばれた。これは2・16サポーターズマッチと同一カード。とはいえ、だからこそ王者組にとって油断は禁物の闘いとなるだろう。
というのも、ここで再びDarkerZが敗れれば、その存在意義が問われることになるからだ。DarkerZにはヒールらしい、なりふり構わぬ闘いを仕掛けてくることが必要ではないか。ジャガーから直接フォールを奪えば、DarkerZの株は一気に上がる。大逆転のチャンスをDarkerZが活かせるか、それとも御大ジャガーが貫録の返り討ちか。
▼メインイベント レジェンド選手権試合60分1本勝負
〈王者〉間下隼人(SSPW)vs〈挑戦者〉アレクサンダー大塚(AODC)
※第17代王者3度目の防衛戦
メインは、間下隼人がアレクサンダー大塚を迎え撃つレジェンド選手権試合だ。生え抜きの間下は昨年2・22後楽園で真霜拳號を破り、流出していたベルトを団体に奪還。デビューから15年5カ月でSSPW最高峰王座に初めて到達し、第17代王者の座に輝いた。その後、将軍岡本、関根“シュレック”秀樹に防衛し、こんどが3度目の防衛戦となる。
挑戦者のアレクは第3代王者。2008年12月にザ・グレート・サスケとの王座決定戦を制すと、長井満也に奪われるまでの2年間で4度の防衛に成功、SSPW初期の歴史を作ったひとりである。つまり、若手時代の間下にとって、格闘技でも実績を築いたプロレスラー・アレクは雲の上のあこがれの存在だったのだ。
が、1月のアレク自主興行にスーパー・タイガーと間下が参戦したことをきっかけに、アレクも久しぶりにSSPWに登場、2・16サポーターズマッチでタッグマッチながら王者・間下から直接ピンフォールを奪ってみせ、今回のタイトルマッチに発展した。その試合で、アレクは間下への挑戦をアピール。
敗れた間下が応じ、時空を経た闘いが実現することとなったのである。ベルトという形で復活を証明したいアレクと、時代を戻すわけにはいかない間下。アレクには期せずしてやってきた大チャンスで、未知の闘いに臨む間下には大ピンチか。とはいえ、間下がここを乗り越えればさらなるレベルアップが期待できる。
大会翌日が誕生日の“過激な仕掛人”新間寿会長に、うれしいニュースを届けたい。間下vsアレクのタイトルマッチは、SSPWの2024年を占う闘いになりそうだ。
<写真提供:ストロングスタイルプロレス>