同じアイドルグループに在籍の神姫楽ミサが闘って実感。「中野たむは引退しない!」

【WEEKEND女子プロレス♯60】

 スターダムの4・27横浜アリーナでおこなわれるワールド・オブ・スターダム選手権試合、上谷沙弥vs中野たむは、団体最高峰のベルトを懸けると同時に、敗れた方が“引退”となる究極の特別ルール。両者ともアイドル畑からプロレスに転向し、思わぬ才能を開花させたわけだが、上谷、中野のほかにもこのパターンでの女子プロレス入りは、ある意味で近年のトレンドでもあった。実際、「冬の時代」とも言われていた女子プロに息を吹き返させたのは、別ジャンルからの参入がきっかけになった部分も否定できない。

たとえば、JTOからプロレスラーとしてデビューした神姫楽ミサもそのひとり。しかも、中野と同じアイドルグループに在籍していたとあって、敗者引退マッチは決して対岸の出来事とは思えないのだ。

中野と神姫楽が在籍していたのは、カタモミ女子という異色のアイドルユニット。当時は、もちろん2人ともプロレスとはまったく無縁の活動をおこなっていた。先にプロレス入りしリングに上がったのは中野だが、プロレスの原体験体験という意味では、神姫楽の方が先かもしれないくらいである。

「幼少期の私は、家ではうるさいんですけど、おとなしすぎるというか、外に出ると一気に黙ってしまって人見知りがすごかったんです。心配した幼稚園の先生がわざわざ家に来るくらい。お父さんも心配して、あるとき私を連れ出してくれたんですね。それがプロレスで、試合は記憶にないんですけど、アジャコングさんと握手したことはおぼえています」

 そこからプロレスファンに…というわけではなく、10代になると盛岡から東京に出ていきたいとの思いが大きくなった。

「東北にはない学科の大学なら親も許してくれるだろうと思って、もともと好きだった演劇ができる大学に行きたいと言って説得しました。それで上京して、舞台をやるようになったんですよね。ただ、やってみるとあまり自分に合ってないのかなと思うようになって。そんな頃に演劇関係者から『アイドルグループを始めるんだけどやらない?』という誘いがあって、それがカタモミ女子でした。せっかくあこがれの東京に出てきたんだから東京でしかできないことをやろうと思って、入ることにしたんです」

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