【天龍源一郎 魂の独白】<第6回>ミスター・プロレスが11.4に託す“最後の後楽園”「俺の魂を感じたい奴は、後楽園に来ればいい」

■時空を超えたドリームマッチ「全盛期の俺なら、相手はBI砲しかいない」

―― これはすべてのプロレスファンが聞きたい質問だと思います。もし今、もう一度だけリングに上がれるとしたら、どの選手と、どのような戦いをしたいですか?

天龍: (少し考えて)その質問は、いつも困るんだよ。まず聞きたいのは、「いつの時代の俺の体なんだ?」ってことだ。全盛期のバリバリやっている頃なのか、65歳で引退する直前の体なのか。それによって、相手もやることも全然違ってくるからな。

―― では、もし「天龍同盟」を率いて、最も脂が乗り切っていた全盛期の天龍さんだとしたら、いかがでしょう。

天龍: 全盛期の俺が、時空を超えて闘える、か。……それなら、相手はもう、馬場さん、猪木さんのBI砲しかいないだろうな。

―― BI砲、ですか。

天龍: ああ。あの二人は、日本のプロレスそのものを作った神様みたいな存在だ。だけど、アメリカのプロレスを主戦場にしてきた彼らが、日本の過酷な練習量をどれだけこなしてきたかと言えば、俺たちの世代とは雲泥の差があったはずだ。だから、全盛期の俺が、あの二人を相手にどんな闘いができるのか。それは、レスラーとして究極の興味があるね。

―― その時のパートナーは、どなたを選びますか?

天龍: パートナーか……。面白いことを考えるな。そうだとしたら、やっぱり阿修羅・原だな。ラグビーで世界選抜にまで選ばれた、あのプライド。そういう、他のジャンルで頂点を極めた人間の持つ矜持というのは、絶対にリングの上で嘘をつけないから。もしくは、坂口(征二)さんだな。柔道日本一という、誰もがひれ伏す実績を持っている。そういう、本物の強さとプライドを持った人間じゃなきゃ、あのBI砲のオーラには太刀打ちできないだろう。

―― 天龍・阿修羅組 vs BI砲……。まさに究極のドリームマッチですね。

天龍: そうだろう?ただ強いだけじゃない。自分が生きてきた世界で、何を背負ってきたのか。それが滲み出る人間じゃなきゃ、本当の意味でのトップにはなれない。俺が組みたいと思うのは、そういう男たちだよ。

 

■腹いっぱいのレスラー生活、その終着点。

―― 全6回にわたるロングインタビュー、本当にありがとうございました。天龍さんのレスラー人生は、「プロレスラーたるもの」という生き様を貫き通した歴史だったと感じます。

天龍: 生き様か、自分じゃ分からないよ。ただ、俺が俺でいられたのは、俺に「あれじゃダメだ」と思わせてくれる、合わせ鏡のような奴らが周りにいてくれたからだ。あんな風にはなりたくない、という反面教師がいたからこそ、自分を築き上げることができた。そういう意味では、俺は周りの人間にも恵まれていたんだろうね。

―― 最後に、改めてお伺いします。天龍源一郎さんのレスラー人生とは、何だったのでしょうか。

天龍: (しばらく沈黙し)……嶋田家には、何も残せなかった。だけどな、ただ一つ残ったものがある。それは、「天龍源一郎」という、たった一つの答えだよ。いいか悪いかは、俺が死んだ後に、ファンや歴史が決めてくれればいい。

―― その答えは、間違いなく日本のプロレス史に、そしてファンの心に永遠に刻まれています。

天龍: そう思ってくれるなら、腹いっぱいのレスラー生活だったと言えるだろうね。

―― 11月4日、後楽園ホールで、天龍さんの魂はまた、未来へと受け継がれていきます。

天龍: ああ。俺のプロレスを、俺の魂を、少しでも感じたい奴がいるなら、後楽園に来ればいい。そこには、俺が信じたプロレスの「今」があるはずだから。

―― プロレスTODAYも総力をあげて取材します!本当にありがとうございました!!

インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)

【取材後記】

全6回のロングインタビューを終え、我々の胸に残ったのは、天龍源一郎が歩んできた人生の、あまりにも濃密な軌跡だった。

天龍源一郎の言葉は時に辛辣で、その生き方は常に波乱に満ちていた。

しかし、その根底には、プロレスというジャンルへの、誰よりも深く、そして純粋な愛情が流れていた。

「腹いっぱいのレスラー生活」。

そう語った天龍氏の顔には、一片の後悔もなかった。

すべてを喰らい尽くし、すべてをリングの上で表現し尽くした男だけが持つことができる、清々しい表情がそこにあった。

ミスター・プロレスが残した「答え」を胸に、我々はこれからもプロレスという名のリングを見つめ続けていくだろう。

 

▼“ミスター・プロレス” 天龍源一郎

【天龍源一郎 魂の独白】<第1回>引退後の10年、家族、そして聖地・後楽園に刻んだ革命の記憶「真正面からプロレスと向き合ってきて、本当に良かった」
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【天龍源一郎 魂の独白】<第2回>11.4聖地決戦へ“ミスター・プロレス”から魂の提言「お前たちの厳しい目と熱い心で支え続けていってほしい」
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【天龍源一郎 魂の独白】<第3回>BI砲からの勝利、貫いた真正直なファイト「泥を塗るような生き方はしてこなかったなっていう、安堵の気持ちだね」
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【天龍源一郎 魂の独白】<第4回>ブロディに教わった“プロレスラーの矜持”、長州が壊した“固定観念”、ファンクスに抱いた“憧れ”「あいつらに負けていられない」
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【天龍源一郎 魂の独白】<第6回>ミスター・プロレスが11.4に託す“最後の後楽園”「俺の魂を感じたい奴は、後楽園に来ればいい」
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▼天龍プロジェクト 嶋田紋奈代表

【天龍プロジェクト】代表・嶋田紋奈が背負った15年の覚悟「父であり、天龍源一郎という一人の人間を守りたかった」
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【天龍プロジェクト】11.4『最後の後楽園』、代表・嶋田紋奈が描く未来図「天龍源一郎から連なる何かを、絶対に絶やさないこと」
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【大会概要】
大会名:天龍源一郎 引退10周年記念興行~革命飛翔~
開催日:2025年11月4日(火)時間:開場17:30/開始18:30
会場:東京・後楽園ホール

<全対戦カード>

▼メインイベント スペシャルタッグマッチ
鷹木信悟&拳剛 vs 岩本煌史&海野翔太

▼6人タッグマッチ
越中詩郎&諏訪魔&佐藤光留 vs 鈴木みのる&真霜拳號&進祐哉

▼スペシャルシングルマッチ
矢野啓太 vs ザック・セイバーJr.

▼ミックスドタッグマッチ
DASH・チサコ&雪妃真矢&政岡純 vs 松本浩代&笹村あやめ&岩崎孝樹

▼タッグマッチ
佐藤耕平&永尾颯樹 vs 河野真幸&吉田和正

▼8人タッグマッチ
新井健一郎&レイパロマ&神谷英慶&渡瀬瑞基
vs
“brother”YASSHI&入江茂弘&SUSHI&本田アユム

▼3WAYマッチ
谷嵜なおき vs 児玉裕輔 vs 仁木琢郎

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