【新日本】カラムの禁断の“タイツ掴み”に散り、棚橋&ELPの『WTL』制覇の夢潰える!棚橋、屈辱の敗戦後に少女から花束「最後まであきらめないのが僕」

新日本プロレスは12月7日、愛媛・鬼北総合公園体育館にて『WORLD TAG LEAGUE 2025』第12戦を開催した。

リーグ戦も佳境に入り、星の潰し合いが激化するBブロック公式戦(全7戦の6戦目)において、2勝3敗で後がない棚橋弘至&エル・ファンタズモ組と、3勝2敗で首位グループを追うグレート-O-カーン&カラム・ニューマン組(UNITED EMPIRE)が激突した。

来年1月の引退を控える棚橋弘至にとって、本大会はレスラー人生における最後の四国での試合となる。また、会場となった鬼北総合公園体育館は、棚橋の25年のキャリアにおいて初めて訪れる場所でもあった。初めてにして最後となるこの地で有終の美を飾りたい棚橋とファンタズモであったが、待ち受けていたのは連合帝国のなりふり構わぬ勝利への執念であった。

試合は序盤から遺恨と意地が交錯する展開となった。9月の神戸大会で棚橋に敗れているオーカーンは、開始早々アイアンクローで棚橋を捕獲。

しかし、百戦錬磨のエースは相手のお株を奪うモンゴリアンチョップ連打で応戦し、ファンタズモへのエアギターパスという華麗な連係で会場を沸かせた。  

だが、中盤以降はUNITED EMPIREが試合を支配した。オーカーンが場外からファンタズモの足を引いてリズムを崩すと、カラム・ニューマンと共に場外乱闘へ持ち込み蹂躙。

リングに戻ってもオーカーンのロープを使ったチョーク攻撃、カラムの鋭いエルボーと、スピーディーなスイッチワークでファンタズモを孤立させた。

劣勢のファンタズモであったが、オーカーンのエリミネーターを切り抜ける機転を見せ、ついに棚橋へタッチ。エースが登場すると、戦局は一気に好転した。

オーカーンとカラムを二人まとめて低空ドロップキックとドラゴンスクリューでなぎ倒す。

さらにスリングブレイドを狙うが、オーカーンはこれを回避し、棚橋の髪を掴んで膝蹴りを浴びせるというラフファイトで対抗した。

終盤、試合は目まぐるしい展開を見せる。カラムのオスカッター2.0を回避したファンタズモがサドンデスを炸裂させれば、棚橋はスリングブレイドで援護射撃。

さらに棚橋が場外へのプランチャでオーカーンを分断し、勝負はリング上のファンタズモとカラムに託された。  

ファンタズモは必殺のCRⅡを狙うが、カラムはこれを巧みに切り返す。丸め込み合戦の果てに訪れた結末は、あまりにも後味の悪いものであった。

カラムはファンタズモのタイツをガッチリと掴んだ状態で横入り式エビ固めを敢行。レフェリーの死角を突いた反則すれすれのフォールで3カウントを強奪したのである。

この卑劣な勝利により、UNITED EMPIREは勝ち点を8に伸ばし、決勝トーナメント進出へ大きく前進。

一方、棚橋&ファンタズモ組は2勝4敗となり、脱落が決定的となった。

試合後、勝者であるオーカーンは悪びれる様子もなく言い放った。「これで勝ち越し確定である。次もあって、決勝リーグ(トーナメント進出)確定させてやる。棚橋?どうでもいい。勝てる時に勝てるヤツが勝てばいい。それほど、帝国はワタリの支配に飢えておるのだ。そうだろ、カラム?」

この言葉を受け、勝利の立役者となったカラムもまた、引退ロードを歩む棚橋に対し、敬意のかけらもない言葉を浴びせた。「タナハシ、もういい加減消えろ。もうわかったから。お前はトーキョードームを完売にした。凄いじゃないか。もうそれを毎日Twitterで見るのはイヤなんだ。俺にとってはどうでもいい」さらにカラムは、「『WORLD TAG LEAGUE』に優勝し、ベルトを取り戻したところから、すべてが始まる。そしてこのレスリング界を支配するんだ」と、新世代としての野望を露わにした。

 

対照的に、敗れた棚橋&ファンタズモ組のバックステージは重苦しい空気に包まれた。ファンタズモは「彼がお前のタイツをキツく引っ張ったのは間違いない」と不正を指摘しつつも、自身の力不足を嘆いた。「カラム、お前はニュージャパン・プロレスリングの未来になりたいんだろ?それなら、ニュージャパン・プロレスリングにふさわしい王者になれ。ダーティーなやり方でトップに立とうとするな」ファンタズモは、隣に立つ棚橋を「イチバンカッコイイ、ナンバーワンの美しい日本のスーパーヒーローだ。ズルをしたことはない」と称え、改めてクリーンファイトの尊さを訴えた。

棚橋は自身の敗北を受け入れながらも、会場でのある出来事に心を寄せていた。退場時、花道で小さな女の子から花束を受け取ったのだ。「今日に限って、客席の真ん中を突っ切ってったら、ちょうど退場口のとこで、小さいお子さんが花を持って待っててくれてね。(中略)でもこうやって、ちゃんと花束もらえてね、その子にとってはすごくね、印象の強い思い出になるんじゃないかなって。大きくなってね、また新日本プロレスを見に来た時に、僕はもういないけれども、ね、楽しい思い出とともに、また来てもらうことを願ってます」 数字上の結果は振るわずとも、未来のファンへ種を撒く姿勢は最後までエースそのものであった。「数字は、ね……成績はふるわなくても、最後まであきらめないのが、僕ですから……」と語り、残る公式戦へ向けて前を向いた。

初めて訪れた鬼北の地で、棚橋弘至は勝利こそ逃したものの、その生き様を刻み込んだ。

記録には黒星として残るかもしれないが、ファンの記憶には、最後まで諦めず、そして優しさを失わなかったヒーローの姿が焼き付いたはずである。

<写真提供:新日本プロレス>

Pages 1 2

◆プロレスTODAY(LINEで友達追加)
友だち追加