裏すぎるイッテンヨンで前代未聞の新団体VENUS旗揚げも、今後は白紙!?

【WEEKEND女子プロレス#97】

“100年に一人の逸材”棚橋弘至が引退し、“柔道金メダリスト”ウルフアロンがプロレス転向。新日本プロレスの1・4東京ドーム大会はそのままプロレス界の節目にもなったわけだが、その日、“裏イッテンヨン”とも言える横浜にも、人生の岐路に立つプロレスラーたちがいた。女子プロ新団体「プロレスリングVENUS(ヴィーナス)」が、神奈川・横浜産貿ホールにて旗揚げしたのである。

 VENUSとは、アイスリボン全面協力による演劇作品『Venus誕生』から生まれた前代未聞の女子プロ団体。リングを使用しての舞台が昨年5月にスタートし、11月まで全4幕16公演がおこなわれた。

物語は、負傷によって姿を消した、みなみ飛香演じるプロレスラーの如月ひかりが、みずから旗揚げする新団体での復帰を決意。そこにさまざまな事情や背景を持つ女性たちが練習生として集まり、厳しいトレーニングに耐えながらレスラーデビューと団体旗揚げをめざすというものだ。

 演劇だからストーリーはフィクションだ。が、この舞台がユニークなのは登場人物のリアルな姿を物語に反映させていく手法。練習生のトレーニングシーンでは、ホンモノのトレーニングが観客の前でおこなわれ、「できた」「できない」で脚本に修正が加えられたりする。また、社長を演じる飛香は復帰をめざしてはいるが、リアルに試合ができるかどうかはリハビリの進捗しだい。さらには、入ってくる者もいれば、去る者もいる。プロレス団体で起こるであろうさまざまな出来事が物語に組み込まれ、ストーリーの進行に伴い出演者のリアルな部分が随時反映されていくのである。

 そして、最終幕の11月公演において1・4旗揚げ戦の実現が正式決定。これに合わせて、飛香にもリング復帰へのゴーサインが出た。また、なによりも重要なのは、1・4横浜は演劇ではなく、プロレス興行としての開催だ。純粋に全6試合がマッチメークされ、試合だけで勝負しようというのだ。

 そして迎えた裏イッテンヨン。いや、彼女たちにとってはこちらが表のイッテンヨンだ。なにしろ左腕骨折で長期欠場を強いられた飛香には2年3カ月ぶりのリングで、レスラー志望でこのプロジェクトに参加した者や、俳優として作品に出演しレスラーデビューを決心した者もいる。と同時に、今後については何も発表されていない現実も。大会終了後、彼女たちが何を感じるか、選手たちの思いに託されることになりそうなのだ。そこもまたスリリングである。

 オープニングの入場式では、社長の飛香がマイクを取った。大会にはあくまでも役名の如月ひかりとして登場しているが、その言葉は飛香の心情そのものだった。

「イッテンヨンVENUS旗揚戦、開幕します。5月から劇団VENUSがはじまって、最終幕も終えて、いや、超えて、VENUS旗揚げ戦ができることがホントにうれしいです。VENUSのみんな、リングがホントに怖いところと思うかもしれないんですけども、それを乗り越えて、私が一番乗り越えて、今日を迎えたいと思っております!」

 ここから感極まり、しばらく言葉が出てこなかった。が、意を決して開会宣言。新団体VENUSのゴングが打ち鳴らされたのである。

【試合結果】

第1試合タッグマッチ

優華&●高橋光咲(みさき)(10分9秒、右ハイキック→片エビ固め)夏葵〇&弥福かな

第2試合シングルマッチ

〇ひな(3分53秒、首固め)当麻煌(とうま・ひかる)

第3試合シングルマッチ

●松橋ななを(4分46秒、カカト落とし→片エビ固め)植原ゆきな〇

第4試合アクトレスガールズ提供試合タッグマッチ

〇青葉ちい&摩利乃(10分20秒、バックドロップホールド)永井絵梨沙●&梨央

第5試合シングルマッチ

●海乃月雫(うみの・つきな)(10分53秒、MARUMARUスープレックスホールド)MARU〇

第6試合6人タッグマッチ

如月ひかり(みなみ飛香)&若菜きらり&●伊田惟吹(いだ・いぶき)(13分51秒、120%スクールボーイ)水嶋さくら〇&才原茉莉乃&福永莉子

※レフェリー…タニー・マウス、清水ひかり

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