【リアルジャパンプロレス】レジェンド王者 船木誠勝インタビュー 9・13後楽園で“鬼門”の初防衛戦
――大谷選手をフォールした横入り回転エビ固めは、誰かから教わった技ですか。
「いや、あれは見よう見まねです。まねたのは、イギリスの選手ですね。クンフーという選手が使っているのを見てやってみようと」
――未来日ですが、当時、クンフーという東洋系キャラクターの人気選手がいました。
「そうです。空手着を着て試合をする選手がやってました。その選手が使うあの技が目についたんですよね。ああいう変わった技を使う選手がいっぱいいましたね」
――その横入り回転エビ固めで船木選手が勝ったこともありましたか。
「ありました。クンフーが出ていないときにこっそり使って勝ちましたね。誰に勝ったかは思い出せませんけど、何回かはそれで勝ちました」
――今後も出す可能性は?
「そうですね、あるかもしれません。試合しだいですね。タイミングが合えば出せますんで。プロレスの技というのはやっぱり、それこそ自発的にやってかけられる技じゃないと不自然に見えるので。できるものは出していくつもりですよ」
――それにしてもキャリアを積み重ねてきたこの時点で新しいものを見せてもらえるとは、驚きです。
「やっぱりあのヨーロッパ遠征が大きかったんですよね。それこそコーナーに振られてセカンドロープに飛び乗ってムーンサルトアタックにいく。そういう動きもやってましたし」
――フライング・フナキですからね。
「そうです、そうです」
――では、スーパー・タイガー戦に向けてなにか秘策はありますか。
「それがですね、最近考えるんですけども、考えると寝ちゃうんですよ(笑)」
――寝る?
「今回のスーパー・タイガー戦を寝る前とかに思い浮かべるんですけども、そうすると寝ちゃうんですよね。どういうことなのかわからない。いいのか悪いのかわかんないですけども、なんとなくですけども自然体というか、自然体で動けるような気がしてるんですけどね。なにしてやろうとか、これしてやろうとかいう感覚ではないんですよね。絶対に相手を潰してやるとか、そういうのでもないんですよね。お互いが持ってるものをお互いがぶつけ合う、そういう試合になると思いますね。初代タイガーマスクの言う武士道精神というんですかね、それがまず基盤にある。そういう試合になると思います。自分もそういう選手が大好きなんで。最近だと相手を小馬鹿にしたりとか、相手のスタイルが気に入らないとか、煽って試合をする選手がいっぱいいますけども、それはあまり意味がない。久々に自然なかたちで自然な姿で試合ができるような気がします」
――船木選手にとっては、待ち望んでいた試合ですよね。
「そうです。べつに恨みとかもまったくないですから。強いか弱いか、そのとき強いか弱いかというのを決める闘いだと思うので、そこにこのベルトがついてくる。そういう試合だと思います」
――船木選手はレジェンド王座を3回巻いているわけですが、意外にもまだ1度も防衛をしていないんですよね。
「そうなんですよね。ここが自分の鬼門なのかなと。初防衛戦でみんな落としてますよね。だからその部分では不安材料がありますね」
――ここを突破すれば…。
「2回目、3回目が見えてくると思います」
――当日はタイトルマッチがメインですが、元横綱・大鵬の孫、元関脇・貴闘力の息子である納谷幸男選手のデビュー戦もありますが。
「やっとデビューですよね」
――意識しますか。
「そうですね、どんな試合をするのかまったく見たことがないので。未知ですけども、でも、やっぱりここ(リアルジャパン)で育った選手ということは、おそらくいつかは自分の目の前にも立つような気はします。だから注目ですね」
――将来は対戦の可能性も。
「ありますね。サイズが普通の人と違いますんで、どのくらい自分の身体を武器にできるのかなという興味がありますよね」
――納谷選手のデビューにより、リアルジャパンに対船木誠勝という楽しみなカードが増えますね。
「そうですね」
――それではあらためてレジェンド王座戦への意気込みを聞かせてください。
「フリーになって初めて取ったベルト。そしていまフリーになって2年。これから3年目に入りますので、この一戦をバネにして、3年目を突っ走っていきたいと思ってます。最初の3年がすごく大事だと思ってましたので、この1年をこのベルトとともに締めくくりたいなと思います。そこからまた、その先を突っ切っていきたいという気持ちですね」
(聞き手/新井宏)
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