【スターダム ロッシー小川社長×プロレスTODAY山口総監督】<スペシャル対談②>新人発掘、外国人選手招聘、団体エースに求める事、今後の方向性、所属選手へのメッセージ!

女子プロレス界で多くのトップ選手を輩出するスターダム。

業界歴41年の女子プロ界きっての名伯楽、ロッシー小川社長に現在・過去・未来についてロングインタビュー!

パート②では新人発掘、外国人選手招聘、団体エースに求める事、今後の方向性、所属選手へのメッセージなどプロレスTODAY山口総監督が質問形式で対談。

【自前の道場】

山口:今回、自前の道場を持たれましたよね。なにか選手の心境だったり、変化を感じたりすることはありますか?

ロッシー:昔は道場がないと団体じゃないという定義があったんですけど、最近はリスクヘッジじゃないけど、道場は借りてやってるところも多いですよね。やっぱりこれはやむを得ない事情(借りていた道場がビルの取り壊しにより閉鎖)、道場を探すことになって、たまたまいい物件があって、レンタルではあるけど自分達がフルに使えるものなんですよね。

山口:自由に出来ますよね、いつ行っても練習が出来るという。

ロッシー:その中での時間の制約はあるんですけどね。夜中は駄目だとか、近隣の問題で。ただ今までみたく限られた2時~5時とかの枠ではなく、もっと枠が広がっているので。この夏休み入るのに合わせてじゃないですけど、プロレス教室みたいなのはやっていこうかなと。

山口:いいですね。

ロッシー:女の子の。その中からプロレスラーになる子もいるだろうし、体を鍛えるだけの子もいるだろうし、入口を作っていこうかなと。まあ遅いんですけどね。

山口:固定費が結構かかりますよね?

ロッシー:それは言い方が悪いんですけど、辞めていった選手の分がそこに補われると思えばいいんじゃないですかね。

山口:道場でのイベントも考えてらっしゃるんですか?

ロッシー:いや、それはやらないですね。それをやってしまうと、やることがどんどん小さくなってしまうんですよ。全くやらないとは言わないですけど、道場マッチとかやったら、道場マッチに来るお客さんのためになっちゃうから普通の興行に来るお客さんが少なくなっちゃうと思うんですよね。

山口:なるほど。

ロッシー:それだけたくさんの人数がいて、若手だけはやりますというようならいいんですけど、みんな出てしまうような道場マッチならやる必要はないと思います。

山口:選手も相当増えてきているので、練習場所が確保できているっていうのはやっぱりいいですよね。

ロッシー:選手っていうのは増えたり減ったりなので、油断してはいけないんですよ。油断しちゃうと減っちゃうから。常に増やしていかないと。スターダムも7年間やってきてデビューしたのが37人いるんですよ、その選手全部いたら大所帯じゃないですか。だからうまい具合に回ってるんじゃないかな。

山口:いい意味で新陳代謝がうまくいってるんですね。

ロッシー:早いですけどね。昨日も渡辺桃がチャンピオンになって。でも渡辺桃は3年半もやってるんですけどね、急に出てきている印象になって。それはそれでいいと思うんですよ。新しい選手が急に出てくるものなんですよ。だからオカダカズチカと比べちゃいけないけど、彼が出てきた時だってもう5年くらいキャリアがあったわけじゃないですか、でも全く違う人が出てきた印象だったし。だから素材さえあればスターは作れると思ってます。人材とかがすごい大事。

 

渡辺桃

【新人発掘】

山口:ロッシーさんが素材を見抜く力というか、どういう子がいけるなと感じますか?

ロッシー:あのいけると思っても、ビジュアルがいい子っていっぱいいるじゃないですか。今いろんな団体があって。でも本当に団体として栄えるのってその子達がちゃんとしたプロレスを出来るかどうかなんですよ。ちゃんとしたというか、スキルの高い。結局プロレス団体なので、ビジュアルだけ良くても駄目なんですよ、ビジュアルがいいに越したことはないですよ。そりゃ2つ兼ね揃えているのが一番いいですけど。

山口:まずはプロレスですもんね。

ロッシー:どっちでもいいと思うんですよ。入口はどっちでもいいんだけど、ビジュアルからの子はよっぽど頑張らなきゃ駄目ですね。ある程度まではいくけど、もっといくにはプロレス技術やスキルがないと。でも自分はそこまでさせないですもん。そこがスターダムの聖域なんで。それを簡単にさせちゃったら駄目だと思うし。ある程度まではチャンスを与えるけど、それ以上はちゃんとなっていかないと。線引きをしていかないと勘違いをしちゃうしね。

山口:今は色んな形のプロレスがあるのでプロレスラーの線引きが難しいですね。

ロッシー:それもいいんだけど、本当にプロレスラーとして認められるにはそれだけでは駄目だね。それがその人気だけですごいものがあれば別だけど、そういうことじゃないじゃないですか。人気と実力の2つがうまい具合に兼ね備えているのが当然ながら。

山口:そうですね、今回世代交代までではないと思いますが、渡辺桃さんが出てこられたというのも。

ロッシー:まあ世代といってもイオと10歳位違いますからね、ひと世代違ってきますよ。渡辺桃の例が出てますけど、本当は10代後半で出てくるのが好ましいですよね。ハタチに届く前くらいに1回上がってきて、ハタチから25歳くらいまでで完成して終わっていくという(笑)

山口:(笑)

ロッシー:でも今は30歳ですかね。これやっぱり自分も男性だから思うんですけど、男性って新しいものが好きなんですね。絶対数からいったら。古くていいものもあるかもしれないけど。でもプロレスって観る方が哀れんじゃ駄目じゃないですか、かわいそうだなとか、よくやってるなぁとか思ったら駄目なので。

山口:そうですね。ニュースターっていうのは、ワクワク感や若返った感が出てきて、いい風が吹いているなって思いますよね。

ロッシー:団体としてはこれが新しいスターですよっていうのをどんどん出していったほうがいいと思うんですよ。それをファンがどうかっていう問題は別にあるし。それも提示していかないとどうにもならないし。

山口:それもプロデューサーとしての腕の見せどころですね。

ロッシー:繰り返しですね。常に同じことを41年間。ここまではいけるんだけど、これ以上はいけないというような。

山口:じゃあ壁を感じているという。

ロッシー:壁は常に感じてますね。

山口:その常に上昇志向というか、足掻き続けるというスタンスが成長をさせてくれているんですかね?

ロッシー:もう足掻きたくないんですけどね(笑)。なんとかもうひと皮剥けさせてよと思うんだけど、常に足掻いてる。もうそんな小さなことまで気にしてるのってことまで気にするかもしれないし。

山口:ロッシーさんの性格はご自身ではどういう性格だと思われてるんですか?

ロッシー:なんだろうな。細かいことと大雑把なことが両極端にあるんじゃないですかね。でも最近思うのは、自分がやれる範囲ていうのは限られているから、いかにうまく人を使うかなんだろうなと。自分でなんでも出来るわけじゃないし。

山口:選手からはロッシーさん、どういう風に思われてると思いますか?

ロッシー:どう思われてるんですかね。難しいですよね、友達じゃないから。俺はちゃんと給料を払っていけば、いい給料を払えば彼女達にはとっては最高なんだろうし。

山口:年齢差を感じることとかもあると思いますが、選手とのコミュニケーションで気をつけていることはありますか?

ロッシー:難しいですね、女の子だから。なんだろうな。まあ、どこかに勞ってあげなきゃいけないこともあるじゃないですか。

山口:心のケアであったり、体のケアであったりですか?

ロッシー:心のケアも体のケアも出来ないですけど(笑)。なんだろうな、本当はあまり接触したくはないんですよね。接触したくないというか、あんまり蜜になっちゃってもどうなのかなと思って。

山口:じゃあクラッシュ時代との繋がりかたとは全く違った形ですか?

ロッシー:いや、もうそれは全く違いますね。もう自分は一番上に立ってるわけだから、そういう目で見てるし。ただあまりそういう所ばかり出しても、人はついてこないし。

山口:選手とはたまに話したりとかしたりするんですか?

ロッシー:話す時間を設けたりとかはなかなか出来ないですけど、会場行ったら1回は声かけますよ。

山口:各選手?

ロッシー:別に回って歩くわけじゃないけど。

山口:あと会場に軽食がありますよね。

ロッシー:あ、ケータリング?そうだね、毎会場ね。

山口:そうそう、ちょっとびっくりしました。あれもケアのひとつですよね。

ロッシー:ひとつなんだけど、当たり前になっちゃってるよね。他の団体でこれを見た人は「え?こんなことまでやってるんですか?」ってよく言われるけど、うちでは当たり前のシステム。

山口:じゃあまた新システムを検討中?またWWE行かないとですね(笑)

ロッシー:新システム?どうなんだろう。そうですねー、もうちょっと頂点に行きたいですね。プロレスのことだけを考えたい。経営とかね、そうは言っても数字のことばっかりですよ、頭の中。

山口:やっぱり経営者って数字ありきで仕事をしなくてはいけない部分はありますもんね。

ロッシー:だからね、選手のことも数字で見てますよ。どこかで。これだけ今日は試合内容がよくて盛り上がってるのに、物が売れないなとか。それって必ずしも比例するもんじゃないんですよ。だから自分の中の価値基準は、会場を沸かせられる選手、またはグッズを売上げられる選手。

山口:会場人気も判官びいきで応援するファンも結構いますしね。

ロッシー:でもなんだっていいんですよ、支持があれば。その人の存在理由があるわけですから。

山口:たしかにグッズの売上は如実に数字に現れますからね。

ロッシー:それが全てではないんですけどね、ひとつのバロメータになりますよね。それが売れる選手は当然ギャラのプラスアルファが多くなりますもんね。だから1ヶ月、同じくらいのキャリアの子が働いても売れる選手のほうが支払いが多くなりますよね。それがだってプロだから。一緒の訳がないし。でもなんか、それが全ての女子プロレスラーの所得番付を仮に公開されたとして、スターダムの選手はベストテンに何人いるのかなとか。そしたらそれなりのものを払っていかなくてはいけないですよね。スターダムがトップだとか言っておきながら、そんなにもらってないな、なんてなりたくないもんね。それはトップ団体の努めじゃないですかね。じゃないとトップ団体とは言えないですよね。

山口:新しい人にも夢を与える職業であってほしいですよね。

ロッシー:ただ給料公開してるわけじゃないから、内部でも分からないけど。でも立ち振る舞いで分かるじゃないですか。お金が全てじゃないんですけどね、あるほうが嬉しいじゃないですか。

山口:そりゃ嬉しいですよ!

 

トニー・ストーム

【外国人選手の招聘】

山口:外国人選手の招聘というのが他団体と比べても圧倒的に多いと思うのですが。

ロッシー:そうですね、他団体はほぼ呼んでないですからね。

山口:これはロッシーさんのこだわりみたいなのはあるんでしょうか?

ロッシー:こだわりはないんですけど、プロレスだからいろんな国の人が集まって競い合うのがプロレスなのかなとも思うし。でもここに来てWWEとかいろんな影響があって、彼女達はやっぱりあそこに行くのが一番理想だし、そこから声がかかったら試合したいし。そういう意味ではちょっと足かせになってるな。見えないとこでね。

山口:でもWWEに上がっていない選手からすると、スターダムに上がるというのは嬉しいんじゃないですか?

ロッシー:それはあるんですけど、WWEから声がかかったらそっち行きたいじゃないですか。WWE以上の組織ではないので、当然。そこが今、女子プロレスにもWWEも力を入れているから、昔は枠が少なかったけど今は女子に対して枠を広げてるじゃないですか。うーん、だからそれは自分達が育てないと駄目ということですよ、外国人も含めて。

山口:日本のマット界の技術が世界でも1位だって言われてるじゃないですか、そこで鍛えて向こうに上がるという意識を持っている人も多いんですかね?

ロッシー:いやぁそれはないと思いますよ。WWEが一番の夢で、一番のチャレンジだから。そこはスターダムがいいと言ったって規模が違いますよ。だからそれでも我々は、それをくぐりながら選手を見つけてこなくてはいけないしね。

山口:でも本当いい選手を見つけてきますよね。

ロッシー:あのいろんな人が出てきて、何回も呼ばれて来てる人はいい人材だろうし。1回しか来ない人もいるしね。

山口:バイパー選手とか、あれだけ大きくて動ける選手とか、トニー・ストーム選手はビジュアルもいいし動きも素晴らしい選手ですね。

トニー・ストーム

ロッシー:それも日本人と一緒で次々に見つけていかないと駄目ですよね。

山口:外国人選手があれだけ多く出てるというのは、幼少期のプロレスを観たときの面影が強いんですか?

ロッシー:どこかにあると思いますよ。今でも外国人選手は自分が迎えに行ってるんですよね。そこでしかコミュニケーション取る時間もあまりないし。だって来たらわざわざ会って話ををすることもほぼないし。

山口:一緒にご飯を食べに行ったりとかもないんですか?

ロッシー:ないですね。初来日のときは一緒に行ったりもしますけど、入ってしまったらほとんどないですね。なにかの機会があれば行きますけど。なんだろうな、これも常にWWEとのいたちごっこじゃないけど、目の上のたんこぶですね。

山口:新しい選手をひっぱってくるというのは、ロッシーさんメインでやられてるんですか?

ロッシー:いやそうではないですね。

山口:そうなんですね。

ロッシー:うち、外国のスタッフもいるし、あとは人の紹介もあるし。年中売り込みはありますよ。今日もいっぱい来たし。例えばアニメとコラボしたと聞いたら、アニメキャラのこの子どうですかって連絡も来たりするし。

山口:じゃあその中で実力もいけそうな人がいたらという感じですか?

ロッシー:でも俺映像とか観ないんですよ。だって見たってここでやることが大事だから。実際そのとおりに出来ないですもん。

山口:それって1回観て呼んでみようという基準とかってあるんですか?

ロッシー:観た感じじゃないですね(笑)。直感、直感(笑)。あと若さは必要!若さで30%増し。

山口:本当にいい人材が揃ってますよね。

ザイヤ・ブルックサイド

ロッシー:これもだから、常に探して活性化していかないといけない。

山口:あれだけ外国人選手が揃っていると、楽しいですよね。

ロッシー:自分はそう思うんですけどね。今、新日本プロレスがあれだけ豊富に使ってるじゃないですか。新日本プロレスが楽しいなって思うのは、今度6月の大阪城ホールとかって、全部、対外国人じゃないですか?それはここ何ヶ月、何年と外国人選手を育ててきているから出来ることですよね。

山口:いっときは、日本人同士対決じゃないとっていうときもありましたよね。

ロッシー:そうですね、だけどそれだと短期間で出し尽くしちゃうんですよね。やっぱそこで外国人を起用して、僕はそういうことをやりたいなと。

 

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山口 義徳(プロレスTODAY総監督)
『プロレスTODAY総監督』
株式会社リアルクロスを設立し、❝楽しめるプロレスNEWSメディア❞『プロレスTODAY』を立上げ!
プロレスTODAYのインタビュー・企画・進行・管理を担当。
プロレスに懸ける情熱は不変!

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