【編集長インタビュー】「激辛番長」宮本和志が「野獣」藤田和之退治を予告

「野獣」の称号、いただきます。「和志組復興支援チャリティープロレス郡山大会」(6月24日、福島・郡山市 南東北総合卸センター大会)で「霊長類最強の男」藤田和之との一騎打ちを控えた「激辛番長」宮本和志が、地元での大一番にかける思いを激白した。

――「野獣」かつ「霊長類最強の男」藤田和之との「筋肉対決」が迫っています

宮本 藤田さんには「日本人最強の座」を明け渡してもらいます。「時代は移り変わる」ことを、満天下に知らしめます。「パワー」でも「筋肉」でも、世代交代です。藤田さんの称号を、すべて私がいただきます。

――藤田選手とは初対決ですね

宮本 全日本プロレス時代に、藤田さんの盟友ケンドー・カシンさんから、色々と人間離れした逸話、エピソード、伝説…を聞いています。「藤田はこうだった」という話をカシンさんからいつも聞いていたので、私の頭に刷り込まれてしまった。常に気になる存在でした。

――会ったことは、あるのですか?

宮本 リングドクターの林先生の病院に健康診断で伺うと、たまたま藤田さんもいらしていたことがある。実際に目にすると、確かにスゴイ体でした。パワーに筋肉…私が目指すモノを、すべて手に入れている。でも、もう時は進んでいる。私の時代が来ていることを教えてあげます。

――自信満々ですね

宮本 以前、来日したアニマル・ウォリアーからも「全盛期のホーク・ウォリアーよりも、お前の方がスゴイ」と、お墨付きをいただいた。ベンチプレスは300キロ。デッドリフトは380キロ。スクワットは340キロ。もちろんバーベルの重さだけではないですが「誰にも負けてない」と言い切りますよ。藤田さんとはプロレスラー同士、実際に肌を合わすことで、現実を思い知らせます。最近の藤田さんのファイトを見ると、ガツンガツンと行けてない気がする。完全燃焼できていない、煮え切れていないんじゃないか。私とぶつかれば、真正面から、全精力をぶつけあうことができます。

――藤田選手の土俵に乗って、真っ向勝負ですね

宮本 私は若いころ、天龍(源一郎)さんのグーパンチを食らって、育ったので「天龍さんのグーパンチ」か「藤田さんの野獣パンチ」か、ですね。真正面から受け止めます。天龍さんのパンチを耐え抜いてきたので、藤田さんのパンチを受けきる自信があります。天龍さんのパンチで、私の前歯はすべて差し歯ですし、鼻を6回、折っています。折れた鼻の治し方のプロですから。何回も治療しているうちに、自分流の治し方を習得しました。折れたてのうちに、柔らかいうちに、その場で治すんです。その方が痛くありません。まあ、普通の人にはお勧めしませんけど(笑)。

――藤田戦で鼻をやられても、大丈夫ですね

宮本 その場で、自分で、治して、すぐに闘いに戻ります。藤田さんの鼻をへし折ってしまっても大丈夫。私が治しますから(笑)。いずれにせよ、私は「カマボコ」みたいに甘くはありません。「一か八か」が、私は大好きです。「野獣」の称号も、私のモノですね。

――藤田選手の盟友カシン選手にコーチされたんですね

宮本 藤田選手を倒すことが、カシンさんへの「恩返しにもなる」はずです。カシンさんの練習法は、とにかく半端じゃなかった。あの人、ドSです。懸垂やって、上がらなくなったら「ストーブ、持ってこい」です。ぶら下がっている下に、ストーブを置くんです。降りられないですよ。ぶら下がっているしかない。ほんと、心が強くなります。スパーリングもやりました、ボクシングや柔術の先生も呼んで、とことん追いつめられるんです。三途の川が何度も見えました。ここで渡ってしまった方が「楽になれる」なんて考えてしまったこともあります。精神力でも藤田さんにも負けないつもりです。パンチだろうが、タックルだろうが、耐え抜いて、逆に吹っ飛ばします。私が唯一、負けるとしたら、顔の怖さですかね(笑)。

――宮本選手は「激辛番長」と呼ばれ、厳しいファイトで若い選手を追い込むことも…

宮本 練習をしていない選手を認めたくない。「プロレスラー」を名乗るからには、常人を超えた練習を、量も質もこなさなければいけない。それをしないで「俺はプロレスラーでござる」なんていうヤツは許せません。普通の方々に、絶対にできないことをやるのが「プロ」です。

――「プロ」のスゴ技で福島の方々を勇気づけると。

宮本 東日本大震災から、かなり復興してきたんですが、まだまだ娯楽が少ない。4回目の大会です。何度も地元入りしていますが、その度に、皆さんに本当によくしていただける。少しでも、お役に立ちたいんです。

――福島県双葉郡富岡町ご出身ですね

宮本 今でも帰還困難地域に指定されています。事故があった原発から7キロ以内で、風向きも悪かったんです。実家に行くにも二か月前に申請して、4時間だけ滞在できます。防護服を着て線量計をつけて、一年に2回、3回、行きます。家畜が野生化していたり、イノシシとブタが交配したイノブタが、走り回ったりしています。ダチョウもいます。帰還困難区域出身のプロレスラーは私一人なので、風化させないで、色々と伝えていくことも私の使命かな、と活動しています。

――今大会は郡山市の南東北卸売センターで開催されます

宮本 郡山市には富岡町から多くの人たちが避難しました。今でも住んでいます。私の友人もたくさんいるんです。最高に仕上げて、万全の体調で、藤田戦に臨み、皆さんに楽しんでいただきます。

「プロレスだから出来る、たくさんの笑顔と元気」という思いを胸に「野獣」藤田退治に挑む宮本。そのぶ厚い胸板には、男気がいっぱい詰まっている。鍛え抜かれた肉体が逃げ場のない四角いジャングルで激突する真っ向肉弾戦は「笑顔と元気」を間違いなく福島に呼び込む。

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