【編集長インタビュー】「DDTの革命児」入江茂弘が不満爆発

「DDTの革命児」入江茂弘の熱い思いが爆発した。「熱がない」「大事なコミカル部分がマンネリしている」「男色ディーノ・プロデューサーがなにもしていない」…会社批判が次々と飛び出す。「退団もある」と覚悟を決めての発言の数々。「本気の入江」の胸中を探った。

――HARASHIMA選手の挑戦を受けて立つKO-D無差別級王座防衛戦(7月22日、東京・後楽園ホール)が迫っています

入江 僕はHARASHIMAさんのことは認めています。越えなければいけない相手から「いつどこ」を使って、初めて挑戦表明をしてもらえた。ただし彼の「鍛えているからだ!」という決め台詞、今回は言わせません。DDTに向け、色々と発言しているこの時に、負けるわけにはいかない。絶対に勝ちますよ。

――DDTへの不満を訴えていますね

入江 会社へというか、プロデューサーの男色ディーノへの怒りですね。僕に「景色だ」「ビジョンだ」などと言っているけど、何かしましたか、彼が? 何もしてないでしょ。

――う~ん

入江 男色ディーノたちの地方会場での試合を見てください。何年も同じことの繰り返しですよ。マンネリの極致です。お尻を出して、キスをして…「コミカル」がDDTの大事な部分であることは否定しません。ファンの皆さんが、定番のパフォーマンスを待っているのも確かでしょう。でも、進化しなくちゃ。いつまでも「同じでいい」はずがない。万一「これでいい」なんて思っていたら、驕りそのものです。

――男色ディーノ・プロデューサーに不満ありアリですね

入江 DDTのすべてをコントロールするのが、プロデューサーの仕事じゃないですか。ですから、僕も男色ディーノに噛みついている。でも彼は「チャンピオンを中心に回しているから、お前の責任だ」と言わんばかり。「王座が移動して、チャンピオンが変わっていくから、変化していくのは当たり前。今のチャンピオンは僕だから、僕が悪い」というのが彼の言い分なんでしょ。おかしいですよ。

――とはいえ、チャンピオンの責任も重いのは確かです

入江 「チャンピオン中心」といいながら、僕が何か話せば、行動すれば「ルールが」と、縛りにかかる。プロデューサー権限を振りかざし、僕に何もさせてくれない。無茶な要求をしているつもりはない。アメリカで防衛戦をしたいけど、プロデューサーは実現に向け、少しは動いてくれましたか? 「景色」「ビジョン」と、荒唐無稽な言葉ばかりを口にするだけで、何もしてくれない。

――男色プロデューサーは「プロデューサー」としての仕事をしていないと?

入江 それなのに、みんな押さえつけられて窮屈なのに、我慢している。主張しなければ、熱もなくなっている。ベルトが欲しくないんですか? 「いつどこ」を奪って「僕に挑戦したい」という選手は出てこないんですか? 認めるところは、僕も認めます。

――というと?

入江 (竹下)幸之介はすごいチャンピオンでした。新しいモノを惜しまず披露し、KO―D王座を光り輝かせてきた。ベルトの権威を高めていました。樋口(和貞)も強いです。石井(慧介)もタイトルマッチのファイトは見事でした。DDTの強みですよ。それに比べて男色ディーノは何か変わりましたか。お尻を出すディーノに喜んでくれるファンも、いつまでも付き合ってはくれませんよ。変化、進化しなくちゃ。コミカルな部分のマンネリまで僕に押し付けられたら、かなわない。「プロデューサーなら何とかしろよ」ってことです。

――DDTの「負の部分」が目につくようになったのは、海外遠征に出たことで、視野が広がったこともあるのでしょうか?

入江 海外遠征で外から客観的に、DDTを見られたのも確かに大きい。もともと、僕は名古屋の団体から、スタートしています。DDTに落ち着くまでにも色んな団体に上がってきた。全日本プロレスにも参戦させてもらいました。毎試合、秋山(準)社長や他の選手の皆さんから、アドバイスをいただきました。京平さん(和田京平レフェリー)も、親身になって色々と教えてくれた。DDTでの同じポジション、同じ試合、同じ光景は、もういい。「違う光景」をもっと見たくなったんです。

――DDTは積極的に他団体と交流しています

入江 でも、今DDTから他の団体に継続参戦している選手っていますか? 色んな団体のリングに上がり、様々なタイプの選手と闘うことが大切だと思うんです。その機会を会社が、プロデューサーが、奪っていませんか?

--確かに以前よりは少なくなったかも知れません

入江 HARASHIMAさんと棚橋弘至さんが闘って(2015年8月23日、両国国技館)、棚橋さんが厳しい発言をしました。その後、もめましたよね。さかのぼれば、あのころから、僕のDDTへの不満がたまり始めたのかも。僕が永遠にチャンピオンの座に君臨できるわけじゃない。ファンに「あいつがチャンピオンの時は、面白かった」と、言ってもらえるように頑張りたいんです。

――鬱々たる思いが伝わってきます

入江 実は海外遠征中に、何度も「(DDTを)辞めよう」と思いました。「もし、この団体(DDT)に、自分がワクワクしなくなったら、去るとき」という思いは、常にあります。

――入江茂弘デビュー10周年記念大会『タチムカウ~狂い咲く人間の証明~』(7月29日、大阪市大正区民ホール)も控えていますが

入江 僕の10年の集大成となる大会です。対戦カードも基本、自分で組みました。会場に来ていただいたファンの人たちが、一番、得をしなくちゃいけない。僕とDDTの方向性に乖離があるかも知れない。ファンの人たちの熱量がさがっている感じがするんです。今こそ「DDTの危機」なんです。みんなの目を覚ませたい。

会社批判、男色ディーノ・プロデューサーへの不満を繰り返す入江。その言葉にウソはない。心中からマグマの様に噴き出してくる思いだけに、説得力がある。それこそ熱がある。対してディーノはSNSやDDT公式HPで持論を語ってはいるものの、退団すら覚悟している入江に言わせれば、真正面から受け止めようとしていないという。「団体の顔」KO=D無差別級王者・入江の反乱はDDTに暗雲を呼び込んでいる。

柴田惣一 (プロレスTODAY編集長)

「プロレスTODAY編集長」であり「プロレス解説者」。
〝千のネクタイを持つ男”の異名もあり。
テレビ朝日「ワールドプロレスリング」、サムライTVでプロレス中継の解説。
今日も一緒にプロレスを楽しみましょう!

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