【坂井永年のザッツ・絵んたぁテインメント!】〈32〉“仮面の魔豹”エル・カネック選手。

イラストレーターの坂井永年(さかいながとし)先生によるイラストとコメントでプロレスラーを紹介!

“炎の飛龍”藤波辰爾選手が主宰する「ドラディション」が10月19日(金)に東京・後楽園ホールで開催した『DRADISION 2018 THE REVENGE TOUR』

この大会のメインで30年ぶりに藤波選手と対戦したのが、“仮面の魔豹”ことメキシコのエル・カネック選手。この二人の対戦で思い出されるのが1978年のカネック選手が初来日した時の「敵前逃亡事件」です。

そんな因縁の二人の対戦に多くのファンが会場に集まりました。試合の6人タッグマッチでは、いきなりこの二人の対戦でスタートし、場内はヒートアップ。 膝を悪くしているようで序盤は思うように動けなかったカネック選手でしたが、試合が進むにつれてどんどん動きが良くなっていきました。

全盛期に新日本に来日していた時にはライバル団体の全日本で大人気だったマスカラス選手に対抗するようにフライング・クロスチョップなど飛び技を出していましたが、本来はジャベ、メキシコ流の固め技、関節技を得意としていました。

この日の試合でものあの丸藤選手を相手にするするっと器用に両腕を取り固めてしまうなど、その片鱗を魅せてくれる場面もありました。 元々、メキシカンとしては大形の選手でしたが、リング上での66歳とは思えない見事なビルドアップされた体格には「さすがに、あのアンドレをボディスラムした男」と唸らせるものでした。

毎回、レジェンドと呼ばれるかつての名レスラーが海外から参戦するドラディション。 有難いことにスタッフの方から「○○選手が来日しますけど、いらっしゃいますか?」と毎回声を掛けて戴いています。 今回もお言葉に甘えてカネック選手に面会して参りました。

バックステージに伺うと私の絵に興味を持ってくださる方が多く、数人のスタッフの方が集まってきました。 メキシコのアステカ文明をモチーフにした派手なデザインのマスクやコスチューム姿のマスカラス選手に対して、ライバルのカネック選手はその前の時代のマヤ時代がモチーフでちょっと地味な印象で見ていましたが、実際に会ってみても物静かな感じで「UWAの帝王」は健在でした。

あ、当時の古舘伊知郎アナウンサーは「アステカのならず者」なんて間違えて実況していましたね(笑) スペインによるメキシコの支配に対して反乱を起こした「マヤ」系インディオの英雄からとった名前ですからね! まぁ、それを言ったら固有名詞に英語の「The」にあたる「El(エル)」をつけるのもおかしいのですけどね(^^;; そんなカネック選手の方から「Hola Amigo!」と声を掛けてくださいましたので、私も「ブエナス ノーチェス、アミーゴ!」とご挨拶。

プレゼントした絵を喜んでくださり、同封した私のプロフィールにもしっかり目を通してくださっていました。 そして、別れ際には英語で「Thank you!」と言ってくださいました。 カネック選手ご本人も大変喜んでくださいましたが、藤波さんにもお見せすると喜んでくださり「僕も描いてもらったね!(全大会で来日した)バックランドも喜んで持って帰ったよ!」と仰ってくださいました。

仕事とは別に趣味的に始めた似顔絵を描いてのご本人への訪問でしたが、今では大事な仕事の一部になっています(^^;; カネック選手にはまた来日して戴きたいですね! 初代タイガーマスク選手とのツーショットも見たいです♪♪

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