【吉野恵悟のコラム的な記事(仮)】
センダイガールズ代表・里村明衣子選手は大会前、今回の後楽園ホール大会を「博打」と表現した。
結果から言えば大勝利と言えるものだったと思うが、自身が参加してみて思ったのは
「博打でもなんでもなかった」
ということ。
確かに、仙女三銃士全員がタイトルマッチ。
メインが橋本千紘vsカサンドラ宮城で平日の後楽園ホール大会。
大丈夫なのか?という気持ちは自身にもあった。
本当の彼女たちの力をまだ全然知れていなかったという無知さがそんな要らぬ心配をさせていたようだ。
橋本千紘vsカサンドラ宮城は後楽園ホールのメインイベントで戦う価値が十二分にあったということで、自分の中では博打ではなく「今の仙女なら勝って当たり前」という感想が残った。
それにしても王者、橋本千紘はとんでもない選手である。
里村選手に挑戦が決定し、新宿大会で組まれた前哨戦で初披露したジャーマンスープレックスホールド(現:オブライト)が見る度に磨きがかかり、戴冠した仙台サンプラザでは里村選手からカウンター気味放つ形ではあったが完璧に仕留めピンフォールを奪った。
そして後楽園。
あの仙台の試合を見た方が多かったのか、バックを取った瞬間に昨今ではあまり見ないレベルのどよめきが場内を包んだ。
橋本千紘がジャーマンSHを打てば試合が終わる。
誰もがその知識を持って見ていたように感じ、同時に「チャンピオンの貫禄」を感じた。
ちょうど1年前の宮城県内のイベント試合でこんな格好が妙に似合い、ライス橋本と茶化されていたデビュー直後のド新人選手。
1年後にはプロレスの聖地・後楽園ホールでこの格好よりもはるかにベルトが似合う驚異の新人選手に変貌を遂げた。
そして彼女の腰に巻かれたベルトを巡り、再び里村明衣子とアジャ・コングがぶつかり合う。
冷静に考えればとんでもないことなのだが、それが当たり前に写るのが仙女という団体。
次期挑戦者決定戦は11月23日。
西の聖地・博多スターレーンにて行われることとなった。
遠征する価値も十分あるカードが発表されてきているので、絶対に目が離せない大会となるであろう。