【編集長インタビュー】「大鵬三世・納谷幸男がDDTでリボーン」

「大鵬三世」納谷幸男が生まれ変わりつつある。5月にDDT入りしプロレスラーとしてリボーンした納谷。リアル・ジャパン時代にコテンパンにされた「人間風車二世」鈴木秀樹戦(7・15大田区総合体育館大会)に向け、日々、修行に励んでいる。

――7・15大田大会では、鈴木秀樹選手に挑みます。リアル・ジャパン時代(3・15後楽園ホール大会)に、とことんやられてしまいました

納谷 悔しくて仕方ないです。すべてが鈴木さんにかなわなかった。よく「因縁が深まった」と言われるんですが、ボクは因縁とは思っていません。あの試合を何度も振り返りましたが、何もできていなかった。そんな自分に悔しさがこみあげてくる。鈴木さんは色々と指摘してくれた。今までは、何も言ってもらえなかったので…あの惨敗がDDTに移籍する「ひとつのきっかけ」になったんです。その意味では鈴木さんに感謝しています。

――となると、7・15大田大会では、思いっきりぶつかるしかないですね

納谷 何もできなかった自分を反省して、練習して、今の自分ができることを、全部出し切るしかないです。でも、前回の試合から3か月半。まだまだ鈴木さん相手に「絶対に勝てる」とか「いい試合をする」なんて、とても言えません。若手の自分が気持ちの部分でも、鈴木さんに全くかなわなかった。反省しています。今度は、気迫では負けたくありません。鈴木さんに「すべてがダメだ」と言われましたが「気持ち」だけは、今の僕でも何とかできるはずです。鈴木さんに「技」でも「体」でも足元にも及びませんが「心」だけは、何とかできます。

――ただ、鈴木選手は「口」撃も、激しいですよ。「心」を折りにきます

納谷 ですね(苦笑い)。でも、やりますよ。実はデビューする前に鈴木さんと練習したことがあります。リアル・ジャパンに入門してすぐでしたが、その時もボコボコにやられました。無茶苦茶、強かった。IGFの会場で先輩に同行した時にも、挨拶はさせてもらっていましたが、とにかく「強い」ですよね。「気持ち」をぶつけます。

――これだけは決めたい技とか、ありますか

納谷 「当たりが弱い」と言われたので、タックルでふっとばしてやります。

――「体」では大きさ、サイズでは鈴木選手を上回っています

納谷 いや「体」でも難しいです。筋肉の質など、まだ僕は修行の途中です。鈴木さんにはかなわない。可能性があるとしたら、気持ちだけですね。「心」でぶつかっていきます。

――「人間風車二世」VS「大鵬三世」と銘打たれた闘いです。「大鵬三世」はついて回りますが

納谷 正直、あまり言ってほしくないです。実力がついていませんし、まだ実績もありません。過大評価です。「大鵬三世」と、きちんと認めていただけるように、着実に進歩していかないと。まずは鈴木さん相手に気持ちだけでもみせます。「心」を折られないように踏ん張ります。鈴木さんにぶつかれるなんて、恵まれています。

――これまで納谷選手といえば、強気なイメージでしたが、ずいぶん変わりましたね

納谷 ええ、そうですか? 自分のことを冷静にクールに捉えて、やろうと考えています。DDTにきて、すべてが変わりました。毎日、リングで練習して、週末には試合に臨む。「レスラーになったんだ」と、実感しています。他の若手選手と同じように雑用をこなしています。若手の一員です。自分が望んだことが、DDTに入団して実現しています。

――プロレスラー修行に改めて取り組んでいるんですね

納谷 色んな先輩の方々に教わっています。先輩の皆さんに教わり、すべて一から再スタートです。当たり前のことですが、特別扱いは全くありません。DDTの皆さんは、僕をありのままに受け入れてくれています。嬉しいです。一からプロレスを学び直しています。

――これまでとは違いますか?

納谷 毎日、新しい発見の連続です。本当に基礎の基礎から、教わっています。まだまだ、これからです。

――顔つきも体も変わりましたね

納谷 いえ。人間、そう簡単には変わりません。1か月半では、まだまだです。ようやく新しい修行生活のリズムがつかめてきたところです。自宅から道場に行き、練習。トレーニングがてら自転車で通っています。

――食事も考えて?

納谷 いつ、どんなものを摂取したらいいのか。糖質とかプロテイン…皆さんに教わり、自分でも調べました。体つくりはタカ・クノウさんが師匠です。毎晩、ウエイトトレーニングにイメージトレーニングなど、個人指導をお願いしています。これまでと違って、自分でも取り組んでいます。「言われたから」とは、効率が違うものなのですね。いまさらながら、気が付きました。

――「リボーン・納谷」ですね

納谷 「気持ち」が入ったかも知れません。これまで体験してきたプロレス、格闘技とは「全く別物」と思ってDDTに来ましたし、実際そうでした。ある意味「白紙」になりましたから、どんどん吸収していきたいし、何色に染まるのか、自分でもわかりません。様々な色がDDTにあるので、わくわくします。

――路上プロレスもあります

納谷 楽しみです。

――6・30後楽園ホール大会では、大相撲OBの樋口和貞選手とスーパーヘビー級対決。大肉弾戦の末に敗れました

納谷 大相撲出身というよりも「レスラー」樋口和貞選手に完敗でした。悔しかったですが、今現在の自分をすべてぶつけて、やられてしまった。課題にまたまた気づきました。一戦、一戦、積み重ねていって、成長していきたい。いつか、樋口選手と再戦してリベンジできるように、しっかり練習していきます。樋口選手だけでなく、DDTには大型選手がいるので、対戦が待ち遠しいです。

――今までのイメージと違って、謙虚ですね。ところで、ヒゲを伸ばすんですか

納谷 しばらく、これでいこうかな、と思っています。「DDTでの生活」に、やっと慣れてきたところです。

――レスラーとして目標にしている選手はいますか?

納谷 まだ、そこまでいってないです。とにかく鈴木さんに「心」を「気持ち」をぶつけます。そこで、やっとスタートです。

これまでのイメージを一新した納谷。ジャパンプロレス時代の「格闘ファイト」に加え「DDT流プロレス」に取り組み、まさに「新生・納谷」が誕生。まだまだ発展途上だが、その将来に、ますます期待が高まっている。

 

⇒次ページ(7.15大田区大会全対戦カード)

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