【プロレスのある風景 Vol.44|榎本タイキ】
北の地から伝えてくれた情熱と楽しさ
新根室プロレスのラスト興行となる新木場大会を観てきました。記念すべき東京初進出が団体最後の日となるとは夢にも思いませんでした。
代表であるサムソン宮本さんのご病気のことを聞いたときは本当に言葉を失いました。そして東京で新根室の大会を開催する思いの強さにも胸を打たれました。
解散が発表されるとあっという間にチケットはソールドアウト。遠方である北の地からはるばる東京まで出てきて、しかも仕事や家庭を持ちながらこれだけのビッグイベントを実現させるコミットは相当だったと思います。
それだけに選手やファンも10.13に向けた思いがどんどん高まっていくのを感じました。僕も今年観るプロレス興行の中ですごく意味を持ったものになると胸が高鳴っていました。
そんな最中、日本を襲った台風19号。「地球史上最大」というフレーズまで出てくるほどの災害が発生してしまいました。
交通機関は計画運休により大会前日は完全に遮断、予定されていた前夜祭も中止。残念ながら上京できなかった選手もいました。
連続する困難の中、たくさんの思いを背負い団体力でこの東京大会を見事に大成功で収めます。
人が何かを達成させようとする熱量、思いっきり人生を楽しもうとする姿勢。それらを新根室プロレスから教えて頂きました。この数年与えてくださったことへの感謝は生涯忘れません。
大会最後に宮本さんは「必ずこの新木場に帰ってきます!」と叫ばれました。きっと未来がある、そう信じて僕も待っていようと思います。
新根室プロレスの皆さん、本当にありがとうございました!そしてまた会えることを信じています!