【編集長インタビュー】「DDTの赤井沙希が七番勝負でプロレスの可能性を追求」
DDTの「闘う美女」赤井沙希が、さらなる飛躍を目指して「おきばりやす七番勝負」に挑む。藤本つかさ戦(11・24後楽園ホール大会)からスタートするが「闘いたい相手は男女を問わず、いっぱいいます」とキッパリ。意欲満々の赤井の口からは「元祖アイドルレスラー・マッハ文朱」の名前も飛び出した。
――「おきばりやす七番勝負」が11・24後楽園ホール大会の藤本つかさ戦からスタートです
赤井 「おきばりやす」は京都弁で「頑張ってね」という意味です。大阪生まれの京都育ち。右京区嵐山で18歳まで育ちました。今でも、時々、京都弁が出ます。大人になってから京都の魅力を再認識したので、皆さんにも京都大会観戦の折には、京都観光もしてほしいです。京都府出身のレスラーといえば、中邑真輔さん、中西学さん、天山広吉さんらがいらっしゃいます。
――京都愛にあふれていますね。さらにステップアップするための七番勝負に挑む覚悟は?
赤井 「もっと早くやりたかった」と、思ったりもしましたが「今だからこそ、できる」七番勝負にしたい。DDTは選手数も多いし、シングル戦のチャンスが意外に少なかったので、七番もシングルマッチに臨めるのは嬉しいし、ありがたいです。
――藤本つかさ戦が初戦です
赤井 藤本さんは私にとってプロレス界のお姉さん。プロレスデビュー前に、エキシビションマッチでタッグ対決させてもらった。悪い役柄で藤本さんの顔を靴で踏んづけました。プロレスラーになってからも、タッグで闘ったり、組ませてもらったけど、一騎打ちは初めて。団体から提示されたカードですけど、聞いた瞬間に「運命」を感じました。
――初戦にふさわしい相手だと?
赤井 人間的にも素晴らしい方です。女子の団体を引っ張っていくのは大変だと思う。しかも自分の団体だけでなく、女子プロレス界全体のことを考えていらっしゃる方です。七番勝負のスタートから大一番です。
――藤本さんの写真集がここにあります
赤井 (手にとりながら)きれいじゃないですか。かわいい。美しい。おなか(腹筋)割れていますね。藤本さん、素敵な方です。私なんか、最近、グラビアのお仕事、来ないですね(苦笑い)。
――戦略は?
赤井 私のファイトスタイルは、殴る、蹴飛ばす、体ごとぶつかる・・・これなので、このままいきます。でも、自分でも知らない新しい一面が七番勝負で出てくるかも知れません。DDTで路上プロレスもやりましたし、さまざまなことに挑戦してきたけど、今回のチャレンジは、私自身も楽しみなのです。とにかくいいスタートをきりたい。
――二戦目以降の相手は決まっているのですか?
赤井 これからだと思いますが、是非ともやってみたい方がいます。マッハ文朱さんです。6年前の国技館のデビュー戦を見に来ていただいたんです。元祖アイドルレスラーのマッハさんが、私のことを心配して見守ってくれた。ご挨拶させていただきましたが、素敵な方でした。今も、全くお変わりなく、お美しい。「復帰しようかしら」と、お話しているのを目にしました。私の大好きな京都でレギュラー番組に出演もしていらっしゃる。是非ともお願いしたいです。
――女子選手に限るんですか?
赤井 そんなことはないです。体型的に私とは対極の浜亮太さん、どうでしょうか? ウチ(DDT)の坂口征夫さんの打撃が、なかなかきかないのを目の当たりにしたときは「私なら、どうしたらいいのか」と、頭をひねったことがあります。そうやって色々と作戦を考えられる相手がいいですね。男女の枠をも乗り越えた、パピヨン朱美さん(デラべっぴんプロレス)やヨースケ♡サンタマリアさん(ドラゴンゲート)も闘ってみたいです。
――レジェンドももちろんですが今、現在バリバリの選手も候補ですね
赤井 ですね。海外の選手もいいですね。ロンダ・ラウジー、ベッキー・リンチ、シャーロット・フレアー・・・WWE「レッスルマニア35」のメインイベントを飾った女子3人と当たれたら嬉しいです。日本でも、さくらえみさんら女子プロレス界を支えてきた方々や、山下りなさん、彩羽匠さん、夏すみれさん、小林香萌さんなど、今がバリバリの方々、桜花由美さん、上福ゆきさんら大型選手、逆に小柄な選手との身長差対決も面白いですね。
――七番ではとても収まらないですね
赤井 ハハ、そうかも知れませんね。とにかくハイペースでやっていきたい。月に3試合とか、大丈夫です。豊田真奈美さんとか、ボリショイさんにも挑みたかった。対戦できないまま、引退されてしまった方々もいらっしゃいます。いつかは皆さん、辞められるので、急ぎたいですね。
――マスクマン(マスクウーマン)との対決もありですよね
赤井 私も被ってマスクマン(マスクウーマン)同士の激突。夢がありますね。マスクだけでなくて全身コスチュームでやりたい。パツパツのキャットウーマンには憧れています。一回だけ、スーパー・ササダンゴ・マシン子に変身したことはあるんですが、あれはササダンゴ軍の一員でしたから。
――異種格闘技戦はいかがですか?
赤井 格闘系ファイターの皆さんにもお願いしたいですね。朱里さんとか・・・空手家とかボクサーの方々とも機会があれば、ぶつかってみたいです。新しいことにチャレンジしたい。七番勝負がいいきっかけになるはずです。ファンの皆さんを驚かせるだけでなく、自分もビックリしたいです。実をいうと、私、飽きっぽいんです。でも、プロレスからは、もう離れられません。
――プロレスの様々な可能性を追求することで、自分発見にもつながると?
赤井 入門時に、散々言われました。「あんなに細くては、すぐに大ケガをするよ」「芸能界との両立なんて無理」なんて。でも高木三四郎社長との約束「モデルの時と同じ体型維持」を守っています。「175センチで100キロ」・・・もちろんそれもプロレスの魅力ですが「175センチ、53キロ」の新しい女子プロレスラー像を確立したい。私がケガをしたり、中途半端で辞めてしまっては、次に続く人たちが出てこられませんから。今では「プロレスとアイドル」を両立させている選手も珍しくなくなりました。そういう選手が集まった団体も頑張っています。これまで腕が上がらなくなったことはありますが、ケガで欠場したことはありません。
――新しい時代を切り開きました。でも、実は太りやすい体質だとか?
赤井 モデル時代は大変でした。毎日、体重計に乗っていました。ボクサーの皆さんのように、唾をはきまくっていました。ところが「プロレスダイエット」ですかね。いくら、食べても、飲んでも太りません。毎日、練習してトレーニングしているからだと思います。食べても、飲んでも、運動すれば、いいんです。
――食べるだけではなく、飲むんですね?
赤井 日本酒や焼酎が好きです。オヤジの皆様が、手酌で飲んでいるような居酒屋のカウンター席に、よく座っていますよ。食事も和食が好みです。京都育ちだからですかね。
――男性とのお付き合いは?
赤井 プロレスをやっている間は、無理です。お世話できません。ちゃんとしてあげられないのなら、お付き合いはしたくありません。
――プロレスが恋人ですか?
赤井 引退したら、婚活を始めます。焦りはないんですが、時々、婚活サイトをチェックすると、出会いを求めている人がたくさん、いらっしゃるじゃないですか。その時がきたら、私も頑張りますよ。
――七番勝負でさらに様々なスタイルに取り組み、プロレスの幅を、間口を、拡大ですね
赤井 DDTは伝統に加えて、チャレンジ精神を忘れません。新しいファン層の獲得を目指しています。夢があります。私もDDTとともに自分の可能性を広げたいと思います。
真摯にプロレスに取り組む赤井。オフには「舞台などをライブで楽しんでいる」というが、練習やトレーニングに集中することが多いようだ。「プロレスが恋人」と言い切る「闘う美女」が「プロレスの可能性」を追求する「おきばりやす七番勝負」が楽しみになってきた。