【高橋奈七永インタビュー】”夢の時間”を提供したい25周年記念大会、「こんなにやるとは思ってなかった」レスラー人生を振り返る

 

女子プロレス団体SEAdLINNNG代表取締役・選手である高橋奈七永は2021年7月でデビュー25周年を迎える。

プロレスTODAYでは7月11日後楽園ホールにて開催される『25周年記念大会☆ARIGATOU』への想い、レスラー生活の振り返り、続けられた理由。そして個人・団体の未来について語ってもらったインタビューを前編・後編にてお届けします。

7月11日後楽園ホール大会の各カードについて

― ― 7月11日に後楽園ホールで行われる25周年記念大会の現在発表(インタビュー時は3試合)されている各カードについて聞かせてください。

第3試合 25th ANNIVERSARY スペシャルエキシビションマッチ〜夢の7分間〜
高橋奈七永&中西百重<NANA☆ MOMO☆> with前川久美子
vs
さくらえみ(我闘雲舞)&夏樹☆たいよう

©SEAdLINNNG

高橋 SEAdLINNNGのプロレス自体が基本的にはバチバチしていて、どっちが勝つか負けるかみたいな。勝つか負けるかでその後が大きく変わってくるみたいな試合が毎回テーマというか、刺激のある戦いというのがテーマでやっているので。

― ― 激しい戦いをされていますね。

高橋 こういう引退した選手がもう1回その日だけ復活とかいうと全く違うものになると思うので。今までは「どうなんだろう」って思ったんですけど、25年経った私だからこそできることをやりたいなと思って。それは何でかって言ったら、コロナ禍でみんながいろんなことを我慢している日常になってしまって。最初は「もうちょっと頑張れば」とかがあったけど、いつしかそれがもう日常になってしまって…。

― ― これだけ長引くとは思わなかったですね。

高橋 はい。我慢するのが当たり前の毎日みたいな。いろいろな業種の方がいろいろ我慢したり苦労されてると思うんですけれども。プロレスだからこそできる夢時間をみなさんに提供できないかなと思って、こういう試合をやろうと思いました。

― ― なるほど。まずはタッグを組む「NANA☆ MOMO☆」の中西百重さんとなぜ一緒に組みたいと思ったのですか?

高橋 モモはスターダムにもちょいちょい出てて。今年の3月3日も日本武道館でバトルロイヤルとか出てて。
※スターダムの2020年3月8日後楽園ホール大会にも出場。

― ― そうですね。出てましたね。

高橋 たまに出てるくせにキレとか変わらなくて(笑)

― ― すごいですね。

高橋 はい。

― ― 普通に動けますよね。跳ぶし。

高橋 もうホントに。やっぱり人生プロレスラーみたいな人だと思うので。昔から天才だったし。いつでも多分この人は大丈夫っていうのがあるので(笑)対戦するよりは一つみなさんの記憶に残ることができたのは、NANA☆ MOMO☆っていう時代が絶対にあると思うので。それをまた表現したいなと思って組むしかないなと。

― ― 前川さんはオファーした時には本当は試合をしてもらいたかったんですよね?

高橋 そうなんですよ!6月6日の加藤園子選手の25周年大会で対決してですね。それこそ前川さんは現役を辞められて15年ぶりですよ。大丈夫なのかな?とか思ったんですけども。おととしからSEAdLINNNGの道場にも練習に来られてて。試合の前なんかは多分私よりも道場に行ってたくらい本当に真面目に練習されていたのも知っていたので。それでも、知っていたけど、あんなに現役と変わらない試合をされるとは思わなかったですね。

― ― それはやっぱり驚きました?

高橋 驚きました。やりながら驚きましたし、空気でお客さんが驚いてるのが試合しながらすごく分かりましたね。

― ― 試合中に感じました?

高橋 感じました。今、声を出せない状況ですけど。それでも思わず出ちゃう声ってあるじゃないですか。

― ― ありますね。オーッ!とかワーッ!とか。

高橋 はい。思わず出ちゃう声の大合唱みたいな。だから本当は試合をしてほしかったんですけどもいろいろあって考えてくださって、試合はできないけど、試合以外なら何でもするよって言ってくれたので、「じゃあセコンドについてください」ってお願いしました。

― ― セコンドにつくということは、じっと見ているわけではなく何が出てくるか分からない?

高橋 はい。試合以外なら何でもするって言ったので。

― ― 試合以外は何でもするという風におっしゃってるのですね。

高橋 はい。

― ― これは楽しみです。では対戦相手のさくらさんと夏樹さん、このタッグを決めたのはどういう意図があるのですか?

高橋 悩んだんですけど。まずモモにお願いして決まりました。夏樹にも「やらないか?」って言ったら「やります」と快諾してくれました。そこにホントは前川さんに試合をしてほしかったので。でも前川さんがダメってなった時に、「じゃあ誰?」って思って。うちの若い子、花穂ノ利とかそういう選手にこういう機会だからこの試合に入って味わえないものを味わってほしいなっていう思いもあったんですけど。それでもやっぱり私のレスラー生活の中でかなり影響を受けたさくらえみさんと、この機会だから試合をしたいなというのがあったのでお願いしました。

― ― さくらさんと夏樹さんのタッグはどんな相手になると思いますか?

高橋 さくらさんと夏樹って、実はさくらさんが夏樹の師匠でもあるわけですよ。全女を夏樹が一回辞めて、その後にさくらさんが当時やられてた我闘姑娘(がとうくうにゃん)っていう団体の時に復帰して。これも私とさくらさんで言い分が違うんですけど、夏樹をさくらさんがクビにしたんですよ。クビにして私が引き取ったんですね。「私はクビにしてない」ってさくらさんは言い張るんですよ。ちょっとそこでも意見が合わない部分はあるんですけども。そういう犬猿の中というか、さくらさんは夏樹を苦手?というか、その部分もあると思うので。ちょっとどういう感じになるかは分からないんですけども。

― ― さくらさんは独特なワールドを持ってますからね。

高橋 はい。独特すぎます。

― ― スターダムの日本武道館(3月3日)でも我闘雲舞の選手全員を引き連れて来たりとか。

高橋 あれね。やると思いましたよ私は。さくらえみは絶対何かやるぞと思いました。

― ― あれもなかなかすごかったですよね。仕掛けてきましたよね。

高橋 はい。

― ― じゃあ読めないタッグということですね。

高橋 読めないですね。読めないし、あと夏樹は引退してから一回もレスラーとしては戦ってないので。それは当たり前っちゃ当たり前なんですけど、SEAdLINNNGではハイスピードのレフェリーをして、選手以上に目立ったりとかしてる感じで。試合しているのと変わらない感じなんですけど。それでも夏樹が現役時代に作り上げたハイスピードな試合っていうものに影響されている今の現役の選手って実はわりといるんですよね。なのでこの25周年というのにあやかって、夏樹の少しでも後世につなぐ、そういう大事な魂みたいなものを一瞬でも見せてくれればいいのかなと。

― ― 中西百重さんとコンビネーションとか考えていますか?

高橋 コンビネーションは新しい物は考えないですけど。今までタッグ組んでた時にやってきたことがいろいろあるので。ナナモモダイバーとかできたらいいなと思いますし。

― ― 事前に練習はしますか?

高橋 はい。練習はしたいと思っています。

― ― でも7月11日だとそんなに時間がないですね。

高橋 はい。でも長年のあれがあるので。

― ― 阿吽の呼吸ですね。

高橋 はい。

⇒次ページ(遺恨しかない中島安里紗とのシングルマッチ、王者・朱崇花vs水波綾の王座戦)

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