【丸藤 正道インタビュー①】武藤との初タッグ、闘魂三銃士、オカダ戦(ベストバウト)、まさかのファイプロ談義まで大いに語る!
<天才と天才の競演。世代をつなぐ戦いで、理想を叶える>
山口:まさかの武藤さんと合体。何があったんですか?
丸藤:タイミングですね。自分がベルトを持っていたらできなかったし、ここ1,2年で(中嶋)勝彦なり(マサ)北宮なり潮﨑(豪)なり、若い人間が育ってきた中で、自分の欲が出て、わがままでやらせてもらう感じです。
山口:丸藤さんから見て、武藤さんはあこがれの存在ですか?
丸藤:僕がプロレスラーになる前、プロレスを見ていたころに活躍していた選手の一人ですし、プロレスの世界に入ってからは、自分にないものをたくさん持っている方だとわかりました。ぜひ今回は隣に立っていただいて、学ばせてもらえたらと思っています。
柴田:武藤さんが持っていて、丸藤さんが持っていないものとは何ですか?
丸藤:サイズから何から、全部ですね。自分はヘビー級でやっているけど体格的にはジュニアだし、口にはせずとも劣等感は持っているし、あの時代だからこそできたことが、武藤さんにはたくさんある。カリスマ性に関してもそうだし、俺が持っていないものだらけです。
山口:丸藤さんは三沢さんの影響を受け、三沢さんの団体としてのノアの中で育ってきました。そんな丸藤さんが、三沢さんと新日育ちの武藤さんの「奇跡の合体」を間近で見ていた時のお気持ちはどうでしたか?
丸藤:身内というより、ファン目線で見ていましたね。
柴田:三沢さんと武藤さんは違いますか?
丸藤:違うと思います。「畑」という簡単な言葉では言い表せない、何かが違うんです。武藤さんと試合をしたことがあるわけではないし、まだ組んでもいないけど、見た感覚で言うと、三沢さんのほうが何かと繊細な気がします。
柴田:性格もそうだよね。
山口:丸藤さん、武藤さんに「八割は仕事してくれ」って言われてますけど……
丸藤:武藤さんの残りの二割で、僕の八割以上のものを見せられてしまう気がして怖いですね。
柴田:持っていきますよ、彼は。
丸藤:あの人をブロックなんてしたら組んでる意味がないし、武藤さんの二割に負けないようにしなければいけません。
柴田:武藤さんが持っているものを、丸藤さんが引き出してくれるんじゃないかと思うんです。武藤さんもコンディション的にかなり厳しくなっている中で、何ができるか。丸藤さんがいてくれると、武藤さんも自由にできると思います。
丸藤:リング上でわかることじゃないですかね。武藤さんとの連携とか合体とか聞かれますけど、頭じゃそんなの何一つ浮かばない(笑)
柴田:やってほしいですね。武藤さんと丸藤さんの合体技は見たい。
山口:じゃあ、不知火とシャイニング・ウィザードのサンドイッチで(笑)
丸藤:絵にも思い浮かばないです。そこを武藤さんが思い浮かんでいたら凄いですね。
柴田:お二人なら、リング上でパッと思い浮かびそうです。
丸藤:それはあるかもしれないけど、今は全く思いついてないです。
柴田:思い浮かばずとも体が動きそうですね。
丸藤:どうですかね……どんどんハードルを上げられると(笑)
山口:「天才」と呼ばれる人なんてプロレス界に滅多にいない中で、天才・丸藤さんが天才・武藤さんとタッグを組むというのは、イマジネーションが膨らみますね。
柴田:丸藤さんは、天才と呼ばれるのが嫌とおっしゃってますよね。
丸藤:天才の定義が全く分からないので……。
山口:運動神経のすばらしさと技の的確さですよ。
丸藤:でも、技がすごい人はいっぱいいるじゃないですか。
山口:一発のインパクトは凄いと感じますね。当て勘というか。
丸藤:大したことはできないから、一個一個大切にしているだけです。
山口:過去には武藤さん・三沢さんのタッグがあって、武藤さん・小橋さんがあって、その系譜で、武藤さん・丸藤さん。ノアの三世代を武藤さんが経験されるんです。
丸藤:武藤さん、元気ですね。
山口:ここぞというときは頑張って出てきますね。
丸藤:たぶん、僕の下の世代になってしまったら、武藤さんと組んだ時の絵も盛り上がらないとは思います。僕もプロレスが好きでプロレスラーになったので、多少の夢や理想は持ち続けているし、もう19年目なので、ちょっとだけやりたいことをやらせてもらう(笑)