【DDT】赤井沙希が両国のリングで美しいまま散った!「本当に夢のような幸せな人生でした」引退後は“裏方”でDDTに残留へ
DDTプロレスが11月12日、東京・両国国技館で秋のビッグマッチ「Ultimate Party 2023」を開催した。10年3ヵ月にわたり、同団体の“紅一点”として活躍してきた赤井沙希がプロレスラー人生に幕を引き、美しいままリングで散った。
元プロボクサーで俳優・赤井英和を父にもつ赤井はタレント、モデルとして活動していたが、高木三四郎社長にスカウトされ、2013年8月18日に両国でプロレスデビュー。芸能活動と両立しながら、プロレスでも非凡な才能を発揮。そのファイトぶりが認められ、2014年度の「プロレス大賞」(東京スポーツ新聞社制定)の新人賞を女子選手として初めて受賞。2016年の「DDTドラマティック総選挙」では個人9位に入り、高木社長に請われて正式にDDTに入団。
その後、DDTには欠かせない選手として活躍。5月24日の記者会見で「枯れて朽ちていく花ではなく、美しいまま散る花でいたい」と引退を電撃発表。7月23日の両国では、師でもある坂口征夫、岡谷英樹とのイラプションでKO-D6人タッグ王座を戴冠。8月27日には全日本プロレスの名古屋大会で全日本プロレスTV認定6人タッグ王座も奪取し2冠王に。同王座からは10月に陥落したが、KO-D6人タッグ王座は防衛を重ね、王者のままでの引退となった。
ラストマッチで赤井は坂口、岡谷と組み、丸藤正道(プロレスリング・ノア)、樋口和貞、山下実優(東京女子プロレス)組と対戦。初対決の丸藤は強烈なチョップを叩き込むも、赤井はエルボー連打で対抗。
樋口のアバランシュホールドを食うと、赤井は飛びつき式フランケンシュタイナーでやり返す。山下のリターンクラッシュを浴びると、バズソーキックからケツァル・コアトルも樋口がカット。その後、赤井と山下が壮絶なミドルキックの応酬を展開。
山下が赤井にアティテュード・アジャストメント、クラッシュ・ラビットヒートを繰り出すもカウントは2。ここで4選手が場外に下がり、リング上は赤井と山下の2人の世界に。最後は山下がSkull Kickをズバリと決めて3カウントが入った。
試合後、ビジョンで新日本プロレスの棚橋弘至と真壁刀義、天龍源一郎さんからのねぎらいのメッセージが流れた。引退セレモニーでは、同志の坂口と岡谷、同期の彩羽匠と山下りな、最後に高木社長が花束を贈呈。高木社長は「今日でプロレスラーは引退するかもしれませんが、僕らにはまだまだ赤井沙希が必要なんです。裏方として、DDTと一緒に歩んでもらっていいですか?あなたは大事な仲間だから。一緒に、これからもDDTをつくっていってほしいです。お願いします」と熱望。
これに、赤井は「自分でよければ、今度はDDTのみんなを輝かせる側に回らせてください。よろしくお願いします」と快諾。今後、会社と話し合いの場をもち、新たな役割を決めることになった。
その後、赤井がプロレス入り前に憧れていた中邑真輔(WWE)からのビデオメッセージがサプライズで流され、赤井は仰天。
赤井は自分の思いを手紙にしたため、「デビューのときに立った両国が、ついこの間のことのように思います。でも、10年前に見た景色と今の景色では全然違って見えます。私は一人じゃなかったです。10年前、このチームの一員になって、自分が一番ほしかったけど、あきらめていたものを気付いたら手にしていました。どこかドライな私が自分を犠牲にしても守りたいと思える仲間。それがDDTの仲間。ファンの皆さんです。私はDDTを、ファンのみんなを、いつしか仲間という思いを超え、家族と思うようになりました。リングを降りたら私は選手じゃなくなります。でも家族のつながりはどこで何をしていても切れることはありません。私はみんなと心でつながってるんだという思いを胸に新たな道を歩んでいきます。家族であるDDT、ファンのみんなのことを思い続けて生きていきます。プロレスラー赤井沙希の10年間、本当に夢のような幸せな人生でした。皆さん、心から愛してます。本当にありがとうございました」とあいさつ。最後に10カウントゴングを聞いて、リングを降りた。
控室に戻った赤井は「半年前、両国で引退しますって伝えた会見から約半年。カウントダウンのようにされていって。あとちょっとあると思いながらバタバタして。今日も試合前までバタバタして。なかなかちゃんと試合に向き合うことができなくて。次ないんだと思うとパニックになるんで、日常を過ごして自分の心を収めようと努力しました。坂口さんと岡谷君は隣にいてくれて頼もしかった。数ヵ月前にこの3人でベルトを獲った両国で、またこの3人で並び立てることができて、チャンピオンとして、両国に立てて、プロレスラーとしてよかったと思ってます」とコメント。
今後について、「高木社長に言っていただいた言葉を信じていいのであれば、選手たちを輝かせて、プロレスをもっともっと世間に発信していけたらいいなと思います。一人でも多くの人に、この幸せな沼にはまってもらいたいと思います。これからもDDTには赤井沙希がいるから大丈夫です」と笑みを見せた。
【大会名】Ultimate Party 2023
【日時】2023年11月12日(日)
【会場】東京・両国国技館
【観衆】4785人(満員)
▼オープニングマッチ KO-Dタッグ選手権試合 60分一本勝負
<王者組>○高尾蒼馬&翔太 vs 高梨将弘&アントーニオ本多●<挑戦者組>
7分46秒 エビ固め
※ジントニック。第80代王者組が初防衛に成功。
▼第二試合 時間差入場タッグランブル 時間無制限勝負
岡田佑介&○高鹿佑也<3> vs KANON&MJポー●<5>
9分32秒 アマレス式カニ挟み
※<>内は入場順。
【試合経過】
①○土井成樹&須見和馬<4> vs 夢虹●&瑠希也<2>
4分18秒 エビ固め
※バカタレ・スライディングキック
②KANON&○MJポー vs 小嶋斗偉●&石田有輝<1>
6分38秒 片エビ固め
※ランニング・ボディープレス
③○岡田佑介&高鹿佑也 vs 土井成樹●&須見和馬
7分53秒 オーバー・ザ・トップロープ
▼第三試合 東京女子プロレス提供6人タッグマッチ 20分一本勝負
○荒井優希&宮本もか&鈴木志乃 vs 鈴芽&遠藤有栖&上原わかな●
11分15秒 片エビ固め
※Finally
▼第四試合 スペシャル8人タッグマッチ~ジャパニーズ土下座マッチ 30分一本勝負
●高木三四郎&彰人&大石真翔&川松真一朗 vs ヨシ・タツ&ヨシ・ヒコ&男色ディーノ&スーパー・ササダンゴ・マシン○
8分20秒 土下座
※相手を土下座させて謝らせたほうが勝利となる特別ルール
▼第五試合 スペシャルシングルマッチ 30分一本勝負
○黒潮TOKYOジャパン vs 正田壮史●
13分14秒 十字架固め
▼第六試合 スペシャル6人タッグマッチ~DDTvsVOODOO-MURDERS~ 30分一本勝負
秋山準&HARASHIMA&○納谷幸男 vs 斉藤ジュン&斉藤レイ&歳三●
10分11秒 体固め
※世界一のバックドロップ
▼第七試合 スペシャルシングルマッチ 30分一本勝負
○佐々木大輔 vs 遠藤哲哉●
14分50秒 TKO勝ち
※クロスオーバー・フェースロック→レフェリーストップ
▼第八試合 グッドコムアセット presents 赤井沙希引退試合~強く、気高く、美しく~ 30分一本勝負
●赤井沙希&坂口征夫&岡谷英樹 vs 丸藤正道&樋口和貞&山下実優○
20分30秒 片エビ固め
※Skull Kick
▼第九試合 ニベア クリームケア ボディウォッシュ W保水美肌 presents アイアンマンヘビーメタル級選手権試合~Dramatic Dream Round“楽しもうぜ!!”何が出るかな!?お楽しみデスマッチ 無制限ラウンド
<王者>○高橋ヒロム vs 平田一喜●<挑戦者>
5R 3分53秒 フィッシャーマンズ・スープレックス・ホールド
※ラウンドごとにルーレットで試合ルールを決定する特別ルール。第1ラウンド(2分)=ミュージカルシチュエーションデスマッチ、第2ラウンド(2分)=ハンディキャップマッチ、第3ラウンド(2分)=目隠し乳隠しデスマッチ、第4ラウンド(2分)=ダンシングデスマッチ、第5ラウンド(55分)=ダンシングデスマッチ。第1589代王者が防衛に成功。
▼アイアンマンヘビーメタル級選手権試合
<王者>●高橋ヒロム vs IWGPジュニアヘビー級のベルトさん○<挑戦者>
17時36分 体固め
※ヒロムが防衛に失敗、IWGPジュニアヘビー級のベルトさんが第1590代王者となる。
▼アイアンマンヘビーメタル級選手権試合
<王者>●IWGPジュニアヘビー級のベルトさん vs 平田一喜○<挑戦者>
17時37分 体固め
※IWGPジュニアヘビー級のベルトさんが防衛に失敗、平田が第1591代王者となる。
▼第十試合 DDT UNIVERSAL選手権試合~ノーDQマッチ 60分一本勝負
<王者>●マット・カルドナ with ステフ・デ・ランダー vs MAO○<挑戦者>
16分50秒 片エビ固め
※雪崩式ラフライダー・オン・ザ・プラケース。カルドナが2度目の防衛に失敗、MAOが第12代王者となる。
▼ダブルメインイベントⅠ ドラマティック・ドリームマッチ 60分一本勝負
○クリス・ジェリコ vs KONOSUKE TAKESHITA●
23分35秒 ウォールズ・オブ・ジェリコ
▼ダブルメインイベントⅡ KO-D無差別級選手権試合 60分一本勝負
<王者>●クリス・ブルックス vs 上野勇希○<挑戦者>
29分39秒 体固め
※WR。クリスが3度目の防衛に失敗、上野が第82代王者と
〈写真提供:DDTプロレスリング〉
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