【HERO】GPS豊島会長が「還暦記念試合」で玉砕も「頑張って頑張って頑張って生きようぜ!」と絶叫!

 聴覚障害レスラーも在籍するバリアフリープロレスHEROが11月25日、東京・新木場1stRINGで年内最終戦となる「HERO38」を開催した。同団体の運営協力をするGPSの豊島会長が“同志”のワイルド・ベアーとの「還暦記念試合」で玉砕するも、還暦の男の生きざまを見せた。

 豊島会長はこれまでワイルド軍の覆面マネジャーのワイルド・コモンとして活動し、時にはリングに上がってきた。2016年11月にはマネジャーとして大仁田厚と乱闘を展開。2018年11月には選手として有刺鉄線デスマッチにもチャレンジした。

 還暦(誕生日は10月26日)を迎えるにあたって、「Growth」7・29新木場でベアーと「還暦記念試合」を行う予定だったが、6月16日に小脳梗塞で倒れ、いったんは流れた。しかし、その後の療養の結果、豊島会長の体調は回復。医師から「発症前と同等の運動をしてもいい」とのお墨付きをもらい、仕切り直しで、この日の一戦に臨んだ。豊島会長は生涯初のシングルマッチとなった。

 序盤、豊島会長は得意の蹴り連発で攻め込むと、ベアーは足攻撃で反撃。場外戦でベアーは豊島会長の頭を鉄柱にぶつけるなど容赦なし。リングに戻ると、豊島会長はミドルキック、スリーパー、突き、ソバットで攻めるも、大車輪キックが自爆。

 ベアーはギロチンドロップ、頭部にニードロップ、パイルドライバーを繰り出すと、最後はペディグリーでトドメを刺した。

 ベアーは「ワイルド軍の師匠・大仁田厚が言ってました。60過ぎて、バカだよな。豊島はって。でも、今日リングに上がって試合をしたことは素晴らしいことだと思います」と発言。豊島会長は「初めてのシングルで節制したりしたんですけど。55歳のときにここで有刺鉄線やって、96キロから83キロまで落ちたんですけど、今回、落とそうとすると具合が悪くなったり、どうしても落とすことができませんでした。60歳という年齢による体の変化があると思いました。6月に脳梗塞になって、初日はやや半身が動かなかったけど、集中治療室に入って、次の日、全身が動く。前日の絶望から、うれしくて。夕べ、いろんなことをあきらめたけど、あきらめなくていいじゃないかと。現状で与えられた条件で最大のことを棺桶に入ったとき、後悔のないようやろうと。生きてれば、病気とかイヤなこともあるだろう。人間関係で悩むこともあるでしょう。でも、そのなかで頑張って生きよう」とマイク。最後はHERO終身GMで、2019年5月に亡くなったワイルド・セブンさんの決めゼリフだった「頑張って頑張って頑張って生きようぜ!」で締めくくった。

 コメントスペースには2人で一緒に現れ、豊島会長は「ベアーが全部受け止めてくれて」と満足げ。ベアーは「ここまで回復したのは、そういう病気で苦しんでる人に勇気与えたと思うし、あきらめるのは簡単だけど、“頑張って頑張って頑張って生きてようぜ”というセブンの言葉にあるように。それがすべてじゃないかな」と話した。

 ワイルド軍のセブンさん、ワイルド・シューターさんは、もうこの世にはいない。だが、豊島会長の魂は天国の2人に届いたに違いない。

バリアフリープロレスHERO「HERO38」
日時:11月25日(土)東京・新木場1stRING(18:45) 
観衆:未発表

1.ミクスド6人タッグマッチ 20分1本勝負
リッキー・フジ、〇大谷譲二、谷もも(10分49秒、片エビ固め)梶トマト、海和択弥●、真琴
※フロッグスプラッシュ

2.ダークソウルvsディアブロ軍Ⅰ シングルマッチ 20分1本勝負
〇ディアブロ(3分6秒、TKO)千葉智紹●

3.ダークソウルvsディアブロ軍Ⅱ シングルマッチ 20分1本勝負
〇加藤茂郎(4分25秒、足4の字固め)根本薫●

4.豊島会長還暦記念試合 シングルマッチ 30分1本勝負
〇ワイルド・ベアー(10分53秒、体固め)豊島会長●
※ペディグリー

5.タッグマッチ 45分1本勝負
藤田峰雄、〇魔苦・怒鳴門(11分50秒、エビ固め)長井満也(ドラディション)、ホラちゃん●
※スワントーンボム

6.WBCタッグ選手権 60分1本勝負
<挑戦者組>ガッツ石島、〇橋之介(フリー)(13分17秒、エビ固め)友龍●、後藤恵介<王者組>
※カンクントルネード。第5代王者組が4度目の防衛に失敗。れいわ鬼神組が第6代王者組に

〈写真提供:バリアフリープロレスHERO〉

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