【藤本つかさインタビュー】団体取締役として、選手として、そして豊田真奈美の後継者として。若手トーナメント『ヤングアイストーナメント』開催、自身プライベートについても赤裸々に語る!

豊田真奈美選手の引退試合でトリを務めた藤本つかさ選手。
豊田選手から受け継いだもの、継承したものとは。

そして団体として、「ベストフレンズ」として女子プロレスの今後を担う決意や気持ちを語った単独インタビュー!

 

【引退した豊田真奈美さんについて】

--豊田さんとの引退試合の3本勝負、ご自身が指名されたのはいかがでしたか?

藤本:豊田さん、30年間プロレスをやってこられて、私と関わったのなんて本当に一瞬だと思うんですよ。
言っても7、8年とかで。まずどうして私なんだろうと。もっと関わりが深い方がたくさんいらっしゃるのになぜ私・・・と驚きが多かったです。

--そのなかで、藤本選手を指名された理由はなぜでしょうか?

藤本:なんなのでしょう・・。なぜですかね(笑)豊田さんに言われたのは、豊田さんが出来なくなったことをこれから藤本にやってほしいと言われました。その言葉をずっと考えていたときに横浜文体での『豊田真奈美 対 アジャ・コング戦』を見ました。そこで豊田さんが失敗してしまった技を私は引退試合で出しました。

--特にあの時の引退試合はアイスリボンの選手が全面的なフォローをしていた認識していますが、やはり藤本選手から見て、豊田真奈美さんというのは大きな存在なんでしょうか?

藤本:フォローしたというよりさせて頂きました。勉強になりますし、豊田さんの引退興行に関わらせて頂けることは何より経験になりますからね。大きな存在というのは当たり前なんですけど、私がデビューしてすぐの時に負け続けて、ちょっとプロレスに悩んでいた時期があったんですね。
その時にたまたま豊田さんの地元の凱旋試合でタッグを組ませていただく機会があって、そこで突破口というか、私のターニングポイント試合となったんですね。
悩んだ時は、豊田さんとあたれば何かが変わるというのを学んで、後輩でこの子もう1段階上にいけるのになにかきっかけがないかなと思った時に豊田さんとの試合を組ませていただくようにしていました。

--それは豊田さんと組んだり試合をしたりすることによって、得るものが違うのですか?

藤本:それは試合をしたり、組ませていただいたりしたことのある人にしか分からないと思うんですけど、試合中、やったことないけど豊田さんに「やれ!」って言われたらやるしかないんですよ(笑)できるできない、やるかやらないかの選択肢がないんです。やるしかないんです。
そういう経験があって、ステップアップしていくのかなって思って。それを豊田さんは意識せず、手助けをしてくださるんですよね。

--そうなんですね。ちなみに引退試合は最終的に54人でしたっけ?すごいですよね、終わったあと疲れきってらっしゃいました。

藤本:凄すぎます!意識なかったですよね?裏で「ありがとうございました!」と挨拶しても「パーティ、パーティ・・・」って(笑)

--ちなみにリング上でも豊田さんから「ごめんね」と言われていましたが、あの時はどんなお話をされてたんですか?

藤本:何がごめんねなの?って思いました。豊田さんは自身のことを「こんな弱くなって・・・」とか「こんなつまんないレスラーになって・・」ていう風にずっと言っていたんです。
そんなことないよって、そんなこと思ってるの本人だけ。だって私は1発で勝てなかったんですよ!悔しかったですけど、豊田真奈美は強いを証明してしまったような気がしました。

--そうなんですね。でも最後はキッチリ継承マッチというか、締めくくられていたという感じを受けました。

藤本:ロープの力を頼らずにその場で豊田真奈美を持ち上げてサイクロンを決めるというのが、約束だったので、最後の、最後の引退試合で約束を果たすことができて、ほっとしました。

--遠慮がなかったですよね。それが逆にすごいなって思いました。

藤本:逆に遠慮したら、延々続いてしまいそうな気がして(笑)そこはもうガツっといかせていただいたんですけど、やっぱり豊田真奈美はすごいなと、最高で最強だと思いました。最後まで尊敬する豊田真奈美さんで、とても嬉しかったです。

--そして豊田さんからとても大きなものを受け継いだという感じがしました。

藤本:一番豊田さんの想いを痛感したのが、入場が私が後だったことでした。
豊田さんが先に入場して、私が後で。あの引退興行で最後に入場したのって私じゃないですか。
音響の方が間違ったと思ったんですよね。「間違ってますよ!」ってスタッフの方に言ったら、「いや、これは豊田さんの指示だから」と。「どうしてですか?」と聞いたら、「これは藤本つかさ紹介興行だから」と言ってくださって。それでまた重みを感じました。

--あれはびっくりしました。

藤本:そうなんですよ、最後に豊田さんの入場を1番近くで見られると思ってたんですけど・・。
やはりあそこで豊田さんは次のことを、これからのことを考えているんだなと思いましたね。豊田さんの興行におけるスタンスが分かりました。

--すでに引退試合でもお話されてますが、豊田さんに向けて一言お願いします。

藤本:豊田さんこそ女子プロレスの未来だなと。これからも豊田真奈美に憧れてプロレスラーになる人が現れますよね!
あの興行におけるスタンスが全てだなと思いました。これから豊田さんが思い描いている、私に経験して欲しいと言っていたことをなし遂げたいです。
横浜文体でやるのが当たり前、後楽園の北側を開放するのが目標ではなく当たり前、そこを目指していきます。
個人としては、まずは痛みのない体に戻していただければと思います。

 

【自分自身の未来像(将来のビジョン)】

--今度はご自身の直近、中長期の目指す未来像などをお伺いさせてください。

藤本:正直、選手としての藤本つかさというより、団体として、女子プロとして・・・という思いのほうが強いですね。
女子団体たくさんありますが、一つの団体がよくなってもそれがイコール女子プロレス全体の向上にはならないと思うんですよ。
三本の矢って言葉もありますけど、より多くの団体が認知されないと女子プロ全体の向上にならないんじゃないかなと。女子プロレスの人気を上げたいですね。プロレスが盛り上がっているのって、新日本プロレスさんが断トツってイメージですけど、
それだけではプロレス界全体が盛り上がっているってことにはならないので。

--アイスリボンの所属選手に対してどういう風にしたいというか育ってほしいと思いますか?

藤本:たとえば、今一番年下の(星)いぶきだったり、朝陽だったりの14、15歳の子が20歳になった時に親に家を買ってあげられるようになるといいなと思ってるんです。それは親孝行だし、夢がある。10代ってやはり両親の支えがあってプロレスができてるので、そういうことがしてあげられるようにしたいと思ってますね。

--それに向かって今意識されていることはありますか?

藤本:今アイスリボン調子いいですねと声をかけて頂くのですが、その理由を考えてみました。マスコミの方がアイスリボンを伝えてくれる。ファンの方たちが、それを受け取って観に来てくれる。そして若手の勢いだと。若手が育っているアイドルだったり、チームだったり、団体って活性化するじゃないですか。私は凱旋興行が好きなので、47都道府県全てから選手を集めたいです。
みんなもそうなんですけど癖というか女の子を見ると二言目には、「女子プロレスやりませんか?」って言っちゃうんですね(笑)。
それでまんまとひっかかったのが、ジュリア、トトロ、朝陽。いぶきも幼い頃からずっと呪文のように言っていたので(笑)
ジュリアはいろんな女子団体をお客さんとして普通に観戦していたんですけど、ずっと誘っていてました。私が名刺を渡したことで、本当に勧誘してくれているんだと思って、アイスリボンに入ってくれたのでこれからも勧誘を続けて人数を増やしていきたいですね。

--藤本選手は女性から憧れる存在という感じなので、やっぱりそういう方にスカウトされるっていうのは、私もなりたいという身近な憧れとしていいですよね。

藤本:そうですかね(笑)でも、以前は30代が本当に多かったんですけど、世羅(りさ)がベルトを取ってからは20代の選手が増えました。
そういうことも若い選手が増えてきた要因だと思います。そして、今は10代も増えてくれました。

 

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