【WRESTLE-1】<大和ヒロシ インタビュー>約2年のブランクを経て、ついにこの男がリングに復帰! 「“帰ってきた大和ヒロシ”を見せたい。大和ヒロシってこういうレスラーだったんだっていう納得と安心感をお客様に与えたいですね」
約2年のブランクを経て、ついにこの男がリングに復帰!
「“帰ってきた大和ヒロシ”を見せたい。大和ヒロシってこういうレスラーだったんだっていう納得と安心感をお客様に与えたいですね」
大和ヒロシ インタビュー
3月14日(水)の後楽園大会が間近に迫ってきた。
この大会を最後に人工関節の手術を行なうため長期の欠場に入る武藤敬司だが、その教え子たちを結集させたカードができあがった。
そして、この試合は長期欠場を続けていた大和ヒロシの復帰戦になることも決定。
大和は師匠である武藤、そしてかつての全日本プロレス時代の仲間たちと共に、W-1のリングに戻ってくることになった。
復帰戦を控えた、現在の心境、そして欠場中の思いなどを聞いてみた。
──まず復帰できることになったことについて、どのような心境なのか教えていただけますか?
大和 手術をしてから「1年半は復帰できないですよ」ってお医者さんに言われて、今年の春頃を目指していたんですけど、手術から1年ぐらい経った時にお医者さんも「そろそろ普通に練習していいですよ」って言ってくれて。それまではウェイトトレーニングはやっていたんですけど、徐々にスパーリングや受け身を増やし始めて。12月あたりにはガンガンスパーリングをやってたので、自分なりに復帰は大丈夫だなというのは見えていましたね。
──会見でもおっしゃられていましたけど、首に新しい骨ができて、お医者様からはお墨付きをいただけたんですよね?
大和 だから、ある意味、強化されているんですよ。医学的には問題ない身体になっているということですよね。もちろん今回のケガをしたことによってリングに上がることはリスクを伴いますけど、それは他の誰もが背負っているリスクと同じものなんですよ。もし、今回のケガを理由に試合に出してもらえないとか、自分でできないんじゃないかとか思うようなことがあるなら、それは乗り越えなきゃいけないことだと思っています。
──なるほど。とにかく復帰できる身体になっていることは間違いないんですね。手術をしてからの1年半というのはもどかしい思いもあったと思うんですけど、実際はどんなお気持ちだったんですか?
大和 その時思ったのが、プロレスラーだけじゃなくてよかったなということですよね。歌っていたのもそうですし、大きかったのはプロモーターをやっていたことですよね。そして、『魔界』という活動がある。プロレスだけにとらわれずに活動できていたので、そこは救われましたね。もちろん中心にはプロレスがあるんですけど、それしかなかったらきっと気が狂っていましたよ。
──多彩な活動をすることで、気を紛らわせることができた、と。
大和 しかも若い人たちがドンドン出てきて、同じクルーザーのアンディとか吉岡とかがドンドン実力をつけている中で、自分は何もできないという状況になっていたら本当に気が狂っていましたよ。でも、自主興行のためにプロモーターとして各所を回ったり、どうやったらいい経営ができるのかとか、考えながら過ごしていましたからね。さらにどうやったらいい歌が歌えるのかとか、いい発声をするにはどうしたらいいのかとか、本当に“大和ヒロシ”でよかったなと思います。
──大和選手の場合は“職業:大和ヒロシ”という感じがしますもんね。でも、やはりプロレスというものはその中でも大きな部分を占めてはいるんですよね?
大和 主軸ですよね。今振り返っても、大和ヒロシの主軸だなって胸を張って言えますね。プロレスがあったからこそ、いろんな活動をやってこれたんだなと、改めて思います。
──それで復帰戦が3月14日の後楽園大会、イメージカラーを表すかのようなホワイトデーに行なうことが決定し、しかも武藤選手の手術前の最後の試合に組み込まれました。これについてはどのように思われますか?
大和 非常にてんこ盛りの試合になりましたよね。自分のことで言えば復帰戦ですし、武藤さんは手術前、そしてラストムーンサルト。そして河野さんにとっても15周年なんですよね。
──まあ、記念試合ではないですけど、河野選手も今年デビュー15周年記念を迎えますからね。
大和 それもありつつ、この試合にKAIが入ってきたことによって、KAI&大和の日本凱旋10周年という意味合いも生まれましたからね。
──ああ、お二人がメキシコから凱旋してきたのは2008年でしたね!
大和 しかもKAIとは同じチームになりましたからね。だから、そういうテーマがあるんで、本当に試合の中でみんながうまく立ち回れば、相乗効果で凄く濃密な試合になるんですよ。失敗してしまうと一つ一つが薄味になってしまうので、すべてが印象に残るようにやりたいですね。せっかくテーマがあるんですから、そこもうまく考えて連動させたいなと思っています。
──でも、復帰戦がこういうテーマのある試合の中に組み込まれたことについてはどのように思われているんですか?
大和 他のカードにこれから復帰する僕が入れるものがあるのかと言ったらないし、必然ですよね。逆に手術から帰ってきた人間と手術に向かう人間が向かい合う試合になるわけじゃないですか? これもまた運命だと思いますよ。みんなが運命によって、この試合に集まったんだと思います。だから、自分が自分がというよりは、まずこの素晴らしい試合を成立させ、大会を成功させ、来ていただいたお客様を満足させたい。僕はもう商人ですから(笑)。
──自分どうこうよりも、お客様に満足していただくことが先だ、と。
大和 宮本さんはあまり関係ないように思われるかもしれないですけど、実は僕の全日本プロレス最後の試合の相手が宮本さんでしたからね。
──ああ、佐藤光留選手を合わせた3WAYマッチでしたね! 最初は大和選手と宮本選手の一騎打ちだったのが、急遽佐藤選手を加えた3WAYマッチになったんですよね。・
大和 そうなんですよ。だから、ここも運命なんですよ。ただ、一つ言わせてもらえば、ヘビー級ばっかりなんですよ。すげえやりづれえな、と(笑)。特にスーパーヘビー級が何人か入っているんでね。
──中之上選手も大日本プロレスに行ってから大きくなりましたからね。
大和 せっかく身体を作り直したのに、絶対目立たねえなって困っているんですよ(笑)。
──でも、全日本時代の仲間が集まることで、復帰という節目の中で原点に戻れるような気持ちになったりはしませんか?
大和 だから、その中ではKAI&大和凱旋10周年というのがやっぱり大きいですよね。あれからもう10年も経ったんだなって。KAIはフリーになって別の道を歩んでいるわけだし、それがまさか10周年で組むことになったのも何かの運命ですよ。もう組むこともないんだろうなって思っていたんで。
──ちょうど3月の後楽園でしたもんね、凱旋試合を行なったのは。
大和 凱旋試合がKAI&大和vsT28(現:BUSHI)&真田聖也(現:SANADA)というカードだったんですよ。
──同期4人がメキシコデビュー組と日本デビュー組に分かれてのタッグマッチでしたよね。武藤選手が人工関節を入れるという手術に向かう中で、大和ヒロシとしてはどういう気持ちでリング上で向かい合いますか?
大和 この前、武藤さんがしょぼくれていたんですよ。「悲しいことじゃねえかよ」って。
──それは手術の件でですか?
大和 そうです。人工関節の件ですよね。まあ記者会見をやられた時にはもう気を取り直されていたと思うんですけど、やっぱりあれだけ普段からあっけらかんとされている方でも、そうなるんですよ。ただ、以前は人工関節にすると試合はできないと言われていたから、手術に踏み切らなかったわけじゃないですか? でも、リングに帰ってこられるということで今回は手術をすると。帰ってこれるだけハッピーだし、改造人間になるとおっしゃっていましたけど、自分はすでに改造されていますから(笑)。実際に首の骨の一部はセラミックですからね。その改造人間の元気さを試合の中でぶつけてやりたいなと思うんですよね。改造されたらこんなに元気になれるんだから、「安心して行ってきてください」と送り出したいですよね。
──改造された自分が元気なところを見せて、安心させたいということですね。
大和 それこそ自分も引退するぐらいに思っていたんですから。まだ試合する前なのになんでそんなに自信があるんだって言われるんですけど、ガンガンスパーリングをやっているんですよ。大学のレスリング部に行ったり、グラップリングの道場に行ってやるんですけど、頭から落とされたりしてもケロッとしていますからね。もう実験済みなんですよ。
──わかりました。では、最後にこのメンバーの中で、どのような大和ヒロシを見せたいと思っていますか?
大和 大和ヒロシここにあり、ですね。帰ってきたぞ、と。“”帰ってきたウルトラマン”じゃないけど、“帰ってきた大和ヒロシ”を見せたいですよね。大和ヒロシってこんなんだったよねって。2年離れていたわけですから、記憶の中で美化されている部分もあるかもしれないし、忘れられているかもしれない。パッと見た時に、大和ヒロシってこういうレスラーだったんだっていう納得と安心感をお客様に与えたいですね。不安は一切感じさせません。そして、多少の期待ですよね。あれだけのケガをして、これだけ休んでいたのに一戦から退くかなと思っている人もいると思うんですよ。そういう人が、「大和ヒロシ、まだやれるんだな。次、タイトルに挑戦したら、チャンピオンになっちゃうんじゃないの?」って少しでも期待を抱けるようなところを見せたいですね。
ー 大会詳細 ー
【大会名】
「WRESTLE-1 TOUR 2018 TRANS MAGIC」3.14東京・後楽園ホール大会
【日時】
2018年3月14日(水)19時開始/18時開場
【場所】
東京・後楽園ホール
【対戦カード】
▼第0試合 シングルマッチ 15分1本勝負
頓所隼(Pro-Wrestling ACE) vs 馬場拓海(Pro-Wrestling ACE)
▼第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負
立花誠吾 vs 三富政行
▼第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負
佐藤嗣崇&近野剣心(ダブプロレス) vs 児玉裕輔&ドランク・アンディ
▼第3試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
稲葉大樹&吉岡世起&黒潮“イケメン”二郎 vs カズ・ハヤシ&近藤修司&土方隆司
▼第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負
木村花&安納サオリ(Actwres girl’Z) vs 万喜なつみ(Actwres girl’Z)&関口翔(Actwres girl’Z)
▼第5試合 UWA世界6人タッグ選手権試合 60分1本勝負
【第61代王者組】土肥孝司&熊ゴロー&伊藤貴則 vs 【挑戦者組】NOSAWA論外&MAZADA&FUJITA
※第61代王者組、土肥孝司&熊ゴロー&伊藤貴則、5度目の防衛戦。
ー 休憩 ー
▼第6試合 『WRESTLE-1 CRUISER FES 2018』トーナメント決勝 時間無制限1本勝負
アンディ・ウー vs アレハンドロ
▼第7試合 スペシャル8人タッグマッチ 60分1本勝負
武藤敬司&浜亮太(大日本プロレス)&SUSHI&宮本和志(和志組) vs 河野真幸&大和ヒロシ&中之上靖文(大日本プロレス)&KAI
▼メインイベント WRESTLE-1チャンピオンシップ 60分1本勝負
【第11代王者】芦野祥太郎 vs 【挑戦者】征矢学
※第11代王者・芦野祥太郎、8度目の防衛戦。