【岩谷麻優インタビュー①】デビューからスターダムのアイコンになるまで。必殺技やWWEへ羽ばたいた同僚や怪我からの復帰、5★STAR GPへの思いを語る!
◆スターダムのアイコンと呼ばれるまでの成長と苦労◆
ーースターダムのアイコンと呼ばれるまでに苦労したことは?
岩谷「プレッシャーに弱くて。苦労って思ったら、すぐ逃げてました。」
ーーそうですか(笑) では苦労と思わないメンタル力は?
岩谷「すぐ逃げちゃうんですよ。岩谷逃亡事件みたいなものは今まで何度もありましたし、辞める辞める詐欺っていうのもしてましたし、なんか苦労を感じたら逃げてました。」
ーーそれがある意味息抜きみたいな形になって、また復活するまでのやる気につながっていく?
岩谷「はい、ちょっと休めばやる気につながる(笑)」
ーーこれはちょっと休んでどこのスイッチが入るとやる気に繋がるんですか?
岩谷「きっかけは誰かが迎えに来てくれることですかね。」
ーー麻優ちゃんそろそろ仕事した方がいいよって(笑)
岩谷「いわゆるその同期とか。めっちゃ遠いところに住んでたんですよ。一人暮らしで。同期とか先輩とかが車で来て『生きてんのかー』みたいな、生存を確認したりだとか。それで事務所に強制送還されたりとか。で、事務所暮らしになったりとか。」
ーーなるほど。そういう周りに支えられたのは大きいんですね
岩谷「そうですね。周りの人に恵まれているので。自分独りだったら心折れたまんまズーンってなってるけど、周りが優しく接してくれたから『居場所だな』って思わせてくれるような言葉を毎回かけてくれるので(笑)同期とか先輩からしたら迷惑な話なんですけど。」
ーーかわいい妹分っていう感じなんですかね
岩谷「うーんどうなんだろう?まぁ引っ張っていくタイプではないですね。甘えてたい。すがってたいタイプなので。」
ーー団体の中では先輩のポジションになってきていると思いますが、そこでのポジションによるご自身への重圧みたいなものはあったりしますか?
岩谷「いやーもう慣れました。流石にスターダムは色々なことが起きて、色んなことがあったりする中で、自分とカイリとイオさんで支えていかなきゃ頑張っていかなきゃってところから意識が変わってきたっていう部分はあるのかなって思います。やっぱ自分自身もしっかりしなきゃなと。そっからかな意識が変わってきたのは。」
ーー確かに3人娘と注目を集めて来た頃から凄い成長されたというかはた目から見ていても。海外で試合もされて。1回海外で涙ぐまれていることもありましたが。淋しくなっちゃって?
岩谷「そうなんですよー。それ多分メキシコじゃないですかね。初めての海外がメキシコだったんですよ。向こうの空港についた途端に泣き出して。帰りたいーもーやだーって(笑)」
ーー遠くにきて怖くなっちゃった。淋しくなっちゃったみたいな
岩谷「淋しくなっちゃいましたね。家が好きだから帰りたいーって。猫に会いたいーって。」
ーーそういうご自身を変えるような色々な経験があったから成長してこれたと
岩谷「はい。」
◆必殺技に関する思い入れ◆
ーー必殺技に関する思い入れというところで、ドラゴンスープレックスホールドをフィニッシュホールドにされてると思いますが二段式ドラゴンスープレックスホールド。なぜ二段式をチョイスしたのでしょうか?
岩谷「初めてドラゴンスープレックスを出したのが1期生対3期生の抗争があって、そこでどうしても勝ちたい、自分にできる技はなんだろう?って思った時に腰の柔らかさ、ブリッジが得意だったので、そういうブリッジ的な技を使いたいなーと思って色々動画で調べて『あっドラゴンスープレックスだ』って使い始めたんですけど、二段式ドラゴンっていうのは多分初めてのシンデレラトーナメントの時に初めて出してそれで優勝したんですけど。やっぱり勝ちたいわけじゃないですか、勝ちたい時にドラゴンっていうのは、それで何回も勝っているので相手に切り返されたりだとか、自分のことを熟知されてるので…」
ーー改良しないといけないと
岩谷「ちょっと改良しないといけないなと思って小川さんに相談した時に『なんか抱えてさー投げればいいんじゃない?』って」
ーーロッシーさんからのアドバイスだったんですか?
岩谷「はい、これ実は小川さんが考えた技なんですよ。」
ーーそうなんですか。Wikipediaには技名募集中って書いてあったんですがまだ募集中なんですか?
岩谷「週プロさんで技名募集したんですけどピーンとくるものがなくって。」
ーーだからずっと募集中(笑) 二段式なんでダブルドラゴンとか、どうかと思って聞いてみました
岩谷「まだ決まってない…」
ーー一応まだ募集中?
岩谷「募集中なのかな(笑)募集してない。」
ーー一応終わったと。終わったけどピーンと来るものがなかったと
岩谷「なかったです。」
ーーでも二段式は女子プロ界では、というよりプロレス界では岩谷さんのフェイバリッドホールドになりましたよね?
岩谷「はい。定着しているし、やっぱり岩谷麻優の技って思ってもらえてるっていうので本当に嬉しいです。」
ーー身体能力の部分で、先ほども腰が柔らかいって体の柔らかさがご自身の売り、ポイントだと
岩谷「体は柔らかくないんですよ。腰だけです。」
ーー他はあんまり柔らかくない?
岩谷「前屈とか全然できません。(伸ばして見せる)これで痛いし、開脚もできないし。」
ーー腰の柔らかさっていうのにはご自身としては元から得意だったんですか?
岩谷「いやーなんか得意になってた(笑)やっているうちに、ですね。」
ーーそれが必殺技に繋がっていったってことですよね
岩谷「はい。」
ーーでも麻優さんといえば体は細いのにハードヒットの受けも凄いじゃないですか、攻撃も激しいのをやるんで結構受けるほうも大変だろうなって思いますね。技をバンバン受けるのは。痛いじゃないですか
岩谷「痛いですね。」
ーーそのやられた日の夜とか、風呂あがった後とか結構くると思うんですけど、どういう風にケアをされていってるんですか?
岩谷「えー何もしてないですねー。」
ーー何もしてない(笑)特別なことは特にせずに…
岩谷「痛いと思いますし、首とか疲れてると思うことはありますけどケアとかは特に。」
ーー特にしてないですか?
岩谷「ここ最近は、レフェリーのバーブさんの治療院にいったりはするんですけど、特にはしないですね。」
ーーうまいこといってる?
岩谷「受けがうまいって言われるんですけど、自分じゃ『えっ何が?』って感じですね。別に普通に。」
ーー受けっぷりがいいと思うんですよね
岩谷「多分、恐怖心がないんだと思います。受けに対しての。」
ーーそうですか。ジェットコースターとか得意な?
岩谷「あー好きです(笑)」
ーーそっちなんですね
岩谷「めっちゃ好き(笑)」
ーーじゃあ三半規管が凄い優れてるからひっくり返ったり、目と耳が凄いいいんじゃないですかね
岩谷「(笑)ですかね。」
ーーだから多分、やられてる感覚がちゃんと意識できているから手と足と体がついてきているんだと
岩谷「そうなんだと思います(笑)」
◆スターダムのアイコンとしての思い◆
ーー現在のスターダムのアイコンとしての思いはありますか?
岩谷「何回も辞める辞める詐欺をして何回も逃げたけど、一応一期生で今までずっと所属してきたから、アイコンになれたし。継続は力なりってことなんじゃないですか(笑)」
ーーそうなれると思ってました?
岩谷「思わなかったですよ(笑)誰もが思ってなかったと思います。」
ーーその中でなってるから、そう思うと人生ってドラマチックだなぁと思うんですよ
岩谷「一番最初に辞めると思われてましたから、誰からも。」
ーーそんな皆で走るトレーニングしている時についていけなかったとか、それが継続は力なりっていう…
岩谷「本当に腕立ても1回もできなかったくらいなので…」
ーーそうなんですか?確かに女性の方って腕立て伏せができないとか苦手ですよね
岩谷「やり方がわからないですよね。支えられないし。自分の力で。スクワット10回とかもできなかったですね。上京した時は体重が45kgしかなかったんですよ。 」
ーーそれでよくプロレスラーをやろうと思いましたね
岩谷「そうですよね(笑)」
ーーそこは本当にすごいと思います
岩谷「はい、無謀な挑戦をしたなって思います(笑)」
ーー貫く意志力が強いなって感じなんですかね。初志貫徹というか
岩谷「初志貫徹の意味が…わからない。」
ーー最初に決めたことをやり通すみたいな意味ですね。逃げ場がないっていう部分もあったかと思うんですが、なくすものがないっていうのもあったと思うんですけど、逃げちゃダメってところなんですかね?
岩谷「はい。」
ーーそれって引きこもりの期間があったからそういう風に思ったんでしょうか?
岩谷「どうなんですかね、でも自分からプロレスをとったら本当にダメ人間なので。それはもう自分でわかっていることだから。リングに上がっている時だけしか輝けないっていう風に思っているので。」
ーーなるほど
岩谷「自分が生きているうちというか、生きている以上はプロレスラーとしてリングに上がり続けるということが岩谷麻優の生きる道っていうか、生きてる証なのかなって。」
ーー存在証明はそこにあるっていうそういう感じなんですね
岩谷「はい。」