【風香アドバイザー インタビュー】スターダムの礎を築いた風香が「アクトレスガールズ」でやり遂げたいこと

アクトレスガールズの風香アドバイザーがプロレスTODAY編集部に来社。

スターダムの礎を築き、プロレス界から卒業した風香がアクトレスガールズのアドバイザーとして復帰。

改めてアクトレスガールズを選択した理由やそれぞれの選手の魅力、そして年始に起きたアイスリボンの大会参戦の急遽取りやめなど、風香アドバイザーにプロレスTODAYが独占インタビューを実施。

▼インタビュー(動画)はコチラからご覧ください。

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①アクトレスガールズのアドバイザー就任の経緯

--風香さんがアドバイザーとして復帰したということは、ファンや選手の方たちにも嬉しいニュースだったと思いますが、今回アクトレスガールズのアドバイザーに就任した経緯をお伺いできますでしょうか?

アクトレスガールズの坂口代表とは選手の頃から繋がりがあって、坂口さんがされてる大会にも呼んでいただいたりとかもしてたんですよね。引退するときにプロレス一緒にやらへんかって言ってくださったり、スターダムを退任するときも挨拶に行ったらこれからアクトレスを『Beginning』と『Color’s』に分けるから1つの社長やってくれへんか?って言ってくださったり…。

--社長をやってほしいってものすごいラブコールですね!

坂口さんは私のことすごいかってくださっていて。その気持ちが嬉しかったので、育児が落ち着いたら連絡しようと思ってたんですね。で、去年の7月に連絡したら青野未来さんと夏葵さんを連れて家まで遊びに来てくれたんです。そのときにちょっとアクトレスガールズがしんどいというのと、このままいったら11月にプロレス辞めちゃうかもって言うのを聞いて。元々青野さんのことは選手として魅力的だなって思っていたので、こんな子たちの居場所がなくなってしまうのがもったいないし、かわいそうだなって思ったんですよ。それで、坂口さんがアドバイスしてあげてやみたいな感じで言ってくれたので、なんかやりますよといった感じでそこからアドバイザーみたいになったんです。でも試合を見てアドバイスするだけだと絶対に何も変わらないし、そんな簡単なものではないのでやるのであればちゃんとやりましょうといった感じで提案させていただきました。


青野未来

 


夏葵

--その流れで今のアドバイザーという立ち位置になったわけですね。先ほど収録の前にお伺いしましたが、他団体の選手からもアドバイスや相談を持ち掛けられるとか…。

SNSのDMで、自分はどうしたらいいですか?どこを変えたらいいですか?プロデュースしてください!みたいなことを言ってくださる方は本当に増えましたね。先輩のレスラーの方とかからもくるので、恐れ多くて…。でも私は直感でひらめいてアドバイスをできるタイプじゃなくて、もう徹底的に選手と向き合ってこうしていこうとアドバイスする努力型のタイプなので、申し訳ないんですけどDMいただいてもアドバイスをできないんですよね。

--スターダムのときもそうですが、多種多様な選手がいらっしゃるので1人1人と向き合うのは大変ですよね。

大変ですね。スターダムのときは、スタートは8人で少しずつ増えていったので1人1人と向き合う時間があったんですよね。アクトレスガールズはいきなり30人お願いします!だったので、これは一気には無理だなと。はじめは10人、そこから少しずつ増やしていってとちょこちょこやってますね。


©アクトレスガールズ


➁アドバイザー就任してみて感じた事

--もともとアクトレスガールズの予備知識はなかったそうですが、就任する前としてからの手応えなどはいかがですか?

就任する前、スターダムにいたころは、アクトレスガールズのイメージは素材がいい子が多いのにもったいないよねって話してたんです。本当にプロレスラー集まったら話に上がるんですけど、素材だけ見たらアクトレスガールズって業界1位だよねって。とは言いながらみんな見下してる感じがあって、形になってないって。わたしも遠くから見てたんですけど、話があって中に入っていくことが現実的になったときに、みんなが見下しているのを覆したいなと思ったんですよね。でもわたし、人のことを知ると情が湧いて温かくみちゃうんですよね。だからはじめは何の情報も入れずに選手のことも知らないまま後楽園ホールに観に行ったんですよ。その時のイメージは、結構ひどいなと…。

--第一印象はひどかったんですね。

うーん、たまたまその大会がだったのかもしれないですけどね。いい試合もあったんですよ、澄川菜摘 対 松井珠紗とか。でも根本的に真剣さが足りないのを感じたんですね、やる気がないのかなって。そこってとても大事だから。だからどうしようと思って、今度は練習を見に行ったら今度はやる気満々なんですよね。もうガンガンやってて。あの試合はなんだったんだろうって思うくらい。やる気があるけど結局は出し方、見せ方が分からないってだけだったんですよね。そしたらやれることはたくさんあるなと。わたし、練習はそこまで見る気なかったんですけど、どちらかといったら売り込みとかやりたいなと考えてたんですけど。でもマスコミの方が観に来てくださっても、ベースのプロレスがよくなければ食いついてくれないので、段階として今はプロレスをしっかりできるように頑張ろうと思って練習を見るところに重点を置きました。

--選手の皆さんもどう見せたらいいか分からないといった感じだったんですね。風香さんはスターダムでの実績もお持ちなので、風香さんからのアドバイスはとても刺さるものもあったんじゃないでしょうか?

でも本当に実績って大事だなって思いました。実績ある人の話って受け入れてもらいやすいから。だからわたしは本当にスターダムの選手に感謝しているんですよね、スターダムの選手が勝手に育っていってくれたらから(笑)

--いやいや(笑)

いや本当に。スターダムの選手の成長は私の評価みたいになってますけど、選手が頑張ってくれたので。ラッキーでしたね。

--育て上げた選手の1人には今やスターダムのアイコン、岩谷選手もいらっしゃいますが始めはここまで成長すると思っていましたか?

本当に宝くじに当たることってこういうことなんだなって思います。でも宝くじに当たるのもそうですけど、小川さんとわたしは、何回あの子が逃げ出しても許し続けたっていうのは今思えば本当にすごいなと。

--広く深い母のような心で選手を受け止めてあげないと駄目なんですかね。

結果的にはそう思います。

--岩谷選手は何度も逃げ出したと聞きました。

本当に…実力はもともとあった子なので、ちょっといいところをあげようと持ち上げると、プレッシャーに負けて逃げちゃう。それを何回繰り返したことか。

--そういうところも受け止めてきた風香さんだからこそ、坂口さんも選手も頼りにされてるんでしょうね。

ありがとうございます。

 

③現在のアクトレスガールズとは?

--アクトレスガールズは今2本の柱でプロレスとお芝居があるんですよね?

そうです。ざっくりいうとアクトレスリングというプロレスと、アクトリングという舞台の2つを軸にやっています。アクトリングのお芝居の方は1年くらいやれてないのでプロレス寄りにはなってますけど、もともと女優志望の子たちの集まりなので、そちらも力を入れながら2つの柱で進めていきたいと思ってますね。

--選手と接して感触はいかがですか?

名前を出すと、CHIAKIという選手。最初練習見に行ったときに、めちゃくちゃ運動神経いいなと思ったんですよね。でも試合では前座の前座。


CHIAKI

アクトレスガールズでは、上の選手が5人くらいいたらそこで試合が回ってたんですよね。だからカードにメリハリもバリエーションもなくて。これは中堅選手を上げていかないと面白いカードが組めるわけがないと思ったんですよね。それでどの子がいいかなと思ってたらCHIAKIちゃんを見つけて。それからどんどん上の子と当てるようにしていったんですよね。

次になるという選手と山田奈保という選手。


なる


山田奈保

今回は山田奈保に頑張ってもらったんですけど、本当に闘う顔がいいんですよね。後から思ったんですけど、KAIRIにそっくりなんですよね、ぐちゃぐちゃのエルボーとか、顔の表情だったり、やられても怪我をすることがない体感のよさだったり。ちょこちょこKAIRIと被るんですよね。その2人が始めの4か月はとても頑張ってくれて。


澄川菜摘

プラス澄川菜摘、もともと彼女は華のあるタイプじゃなくて、スターダムでは地味と言われてたんですけど、アクトレスに入って試合を見てたら華やかになってるし覚悟や背負う気持ちだったりがすごくついていて。

--なにか背中のスイッチじゃないですけど、スイッチがどこかで入ったために輝きが増したんでしょうね。

たぶんそれ、いろんな人にアドバイスを聞いてた時にも青野未来をエースにするんだったら、あなたがエースですよっていうのを言い続けなさいって言われたんですよね。自覚させることが大事だよって。澄川菜摘にしてもエースだよとは言ってないですけど、抜擢することで背中のスイッチが押されたのかもしれないですね。

 

④今後、プロレス団体との接点はあるか?

--年初の1月3日のアイスリングの大会にアクトレスの青野未来選手、なる選手が参戦予定だったのが急遽取りやめとなりました。

すみません、本当に。アイスリボンとのことは、坂口代表とアイスリボンの佐藤代表が話し合っているのであまり分からないのですが…。少し離れて見た感じでは、佐藤さんと坂口さんでアクトレスの選手が参戦するにあたってひとつ約束をしてたんですよね。でもアイスリボン側がその約束を実現できなくて、坂口さん的にはできないなら難しいですよねって話になって。佐藤さんとしては実現するために動いた結果、今は難しかったので、もう少し準備期間がほしいと。だから決別とかではないんですよ。それぞれの立場に立ったらどちらもしかたないのかなと思うのですが、期待してくださった方たちは振り回すことになって本当に申し訳なかったです。

--また、将来的にということですね。

そうですね。ただ、(アイスリボンの)朝陽ちゃんがせっかくアクトレスに乗り込んできてくれたのに、朝陽ちゃんの立場はどうなるんだろうっていうのが心配ですね。

--今回、選手の気持ちが置いてきぼりになってしまったというのはファンの皆さんも感じてる部分ではありますよね。

全部公表してほしいわけではないですけど、もしわたしが青野さんにアイスリボンに乗り込むように言ってこういう結果になったら、わたしはたぶん青野さんの居場所がなくならないように必死で守るんですけど、朝陽ちゃんにはそれがあるのかなと心配ですね。もしこれが原因で孤立してしまっていたら嫌だなと思ってますけど、そこまでは口を出せないので。ただただ心配してますね。

--次回交わるときは因縁の試合になりますね!

え、誰と誰がですか?坂口さんと佐藤さん?それは電話でお願いします(笑)

--女子選手は感情のぶつかり合いが男子より激しいところが面白さに繋がるなと感じます。

それがうまくいくときもあれば、惡斗と世Ⅳ虎みたいな一歩間違えれば…みたいなときもあるし。本当に紙一重で、周りが煽ってくれるのはありがたいんですけど、中の人間が本気で煽られるのは恐いというのも感じますね。激しい感情は大事だけど、あくまでプロとして熱くなるんだよというのは口酸っぱくして言わないと。アイスリボンが今どういう状況か分かりませんけど、ガチで「アクトレスガールズは嫌だ」、「朝陽が勝手なことをした」というような感じになっていたら嫌だなって思いますね。やっぱりそこはプロなので。

⑤アクトレスガールズのオススメポイント!

--現在のアクトレスガールズでここを見てほしいやこの選手が注目などおすすめポイントをお伺いさせてください。

現状では、試合は青野未来、澄川菜摘、松井珠紗が外れのない試合をしてくれますね。で、これからが楽しみな選手でいうと皇希。知ってますか?


皇希

--知ってます、知ってます。今日の資料の裏にも選手リスト載せてきました。

すごい!(選手リストを見せながら)本当、こんなにいるんですよ。

--アクトレスの試合も見ましたが、びっくりするような展開が起きますよね。この人とこの人がくっつくはずが、負けた選手が実はこっちにくっつくみたいな。

あーねぇ、あれ面白かった!わたしもあれ鳥肌が立ちました!昨日ちょうど新年初めての試合もあったんですけど、バトルロイヤルがあったんですね。ずっと何もしないで隠れていた選手が、最後リングにあがって、残った2人がダブルノックダウンしたところを、2人の上にのって勝ったんですよ。その大会子供たちがたくさん来てたんですけど、子供たちが「あれは卑怯だよ!」ってすごく怒ってて(笑)。選手に言いに行ったりして…、そういうのっていいなぁって思いましたね。

--2月17日からはシングルトーナメントも始まります。

これは組み合わせからボールくじを引いて決めてもらったんですよね。普通でいくと、青野さんをシードにしたかったと思うんですよね。でも松井さんが「そんなことさせない!」ってマイクを取ってお客さんに呼び掛けてボールくじで決定することになりました。結局青野さんと松井さんがシードになったんですけど。なので1回戦は、皇希vs入江彩乃、夏葵vs澄川菜摘なんですけど、全部が楽しみな試合ですね。

--トーナメントはNEWスターが現れやすいから注目ですね。

まだ青野未来しか知らない人が多いと思うので、このトーナメントから見ても楽しいと思うんですよね。なのでぜひここからアクトレスガールズを見ていただけたら。


©アクトレスガールズ


⑥最後に、今後の見所や期待感

一昨年の末にインパクトのある発表をしたので苦手意識がある方もいらっしゃるとは思うんですけど、純粋にプロレスに打ち込む女の子たちばかりなので、一度まっさらな気持ちで試合を見に来てほしいです。アクトレスガールズとはなんなのかが分かりにくい状況になってしまっていると思うので、今年はアクトレスガールズが何なのかを映像化して皆さんにお伝えできればと思っています。アクトレスガールズが何を目指して、今どういうことをしているのかというのが分かってもらえると思うので、そちらも楽しみにしていただきたいです。

インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)

<選手・試合写真提供:アクトレスガールズ>

▼アクトレスガールズ公式サイト
https://www.actwresgirlz.com/

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▼インタビュー(動画)はコチラからご覧ください。

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