【KAIRI×ジャングル叫女】大切な後輩の支援に名乗り出たKAIRIが叫女に希望したものとは

女子プロレスラー・ジャングル叫女は2月21日の記者会見で、フリーランスサミット『NOMADS’』4月14日新宿FACE大会(ジャングル叫女AID)を最後に無期限の欠場に入ることを発表した。

2度目受けた手術の失敗による後遺症が深刻で日常生活にまで支障をきたす状態となっている。ドクターと話し合いのすえ、現状でのプロレス続行は難しいと判断。

半月板の再手術、後遺症の原因究明および治療の為に無期限の休業に入ることとなった。

怪我との闘いの最中、叫女が誰にも頼れなかった心情を吐露した相手がスターダム時代の先輩である“海賊王女”KAIRIだった。

そんなKAIRIからのアドバイスでクラウドファンディング(ジャングル叫女AID)がスタートし、気持ちも前向きになった叫女に、KAIRIがスペシャルな支援を申し出た。

今回はプロレスTODAYで2人の特別対談を実現。

①ジャングル叫女の怪我について


※本人提供

――今回ジャングル叫女選手は、4.14NOMADS’新宿FACE大会を最後に長期欠場に入ります。その後は膝の治療やリハビリをされるわけですが、膝の怪我について打ち明けられた時はKAIRI選手はどう思われましたか?

KAIRI「そもそもの膝の怪我っていうのは、だいぶさかのぼるよね?」

ジャングル叫女「そうですね、あと表に言ってなかった部分もあって…。たぶんKAIRIさんはよくなってるだろうと思って、連絡をくださったと思うんですけど」

KAIRI「そうそう、でもずっと怪我してテーピングとかしながら試合続けてるのは知ってて」

ジャングル叫女「それで2回目の手術が終わって、アメリカで復帰をしたのが去年の9月で。その時は自分が今の状態を周りの人には伝えていなくて、治ってるということで復帰した感じにはなってて」

KAIRI「アメリカに行くっていうのもね、事前に教えてくれて」

ジャングル叫女「会いに行ったんですよ」

KAIRI「行く前にジムまで会いに来てくれて。その時もすごく元気な笑顔だったので…。でも怪我して試合ができないときって本当に…思考もネガティブな方にいっちゃうのは誰しもがそうだし、焦りも絶対あるし。私達女子レスラーって、やっぱ年齢とかキャリアとかいろいろ考えると思うんですよね。その中で怪我の手術が終わって、リハビリも乗り越えてアメリカに行くって聞いたとき本当に正直嬉しくて。これまで我慢してきた分、叫女がやりたいことをたくさんやってほしい、もっともっと世界中で。叫女のプロレスは特別で、それは私がスターダムにいた頃から思っていたんですよね。叫女は試合に込める魂というか、自分に対しても対戦相手に対しても、そしてファンの方にも全ての人に対して想いを込めながら試合をするので、やっぱり伝わる量がすごくて。組んだことも戦ったこともありますけど、どの試合もハッキリ覚えてるんですよね。なのでもっとたくさんの人に影響を与える子だって分かっていたので、アメリカで絶対ウケるよ!って。叫女の試合は、絶対好評だから楽しんできてねって」

ジャングル叫女「そうですね。そう送り出してくださった感じで」


※本人提供

KAIRI「アメリカでもちょくちょくツイートしてくれたりしてて、自分であえてそうして載せてたんだよね?だから私も楽しかったんだろうなと思って、アメリカどうだった?みたいな感じで連絡して。1年耐えてよく頑張ったね、長かったよね?みたいな感じでたわいもない会話とかをしていて、叫女も始めは普通に返してくれてたんだけど」

ジャングル叫女「…そのとき、自分の中ですごく落ちてたタイミングで。もうアメリカで試合ができない、これ以上できないっていうタイミングでKAIRIさんから連絡あって。KAIRIさんから連絡あるときっていつもそうなんですよね、なんか本当に自分がもう立ち上がれないっていうか、めげそうなときとかに連絡くれるんですよね。それですごい感情があふれてしまって、LINEですごい長文を送ってしまって。もうめっちゃ失礼だなって今思うと」

KAIRI「全然だよ」

ジャングル叫女「いや、めっちゃ失礼だと思います!」

KAIRI「でもそれはうちは嬉しかったの。ありのままの気持ちをぶつけてくれて、やっぱ我慢してることが一番ね…。誰にも言えなくてつらいだろうし、やっぱりレスラー同士じゃないと分からないこともあるし」

ジャングル叫女「言えてなかった想い、どこにも発信できない想いをKAIRIさんだったら受け止めてくれると思ったから言ってしまったんだろうなと思うんですけど。あとから反省みたいな」

KAIRI「全然何も!うちは本当に嬉しかったし。そのときだよね?クラウドファンディングをすすめたの」

――やはり打ち明けたことによって、何か新しい希望の光のようなものが見えたという感じですか?


※本人提供

ジャングル叫女「本当はじめて、自分の気持ちとか今の膝の状態とかを打ち明けられた方だったんですよね。KAIRIさんは全部受け止めてくれて、話してくれてありがとうとか、そんな状態って知らなかったからごめんねというような優しい言葉をかけてくださって。そして叫女は本来太陽みたいに人を照らす存在だし、私もたくさん元気をもらったからっていう言葉に何かを思い出したんですよね。自分は本当はめっちゃポジティブだし、人に元気を与えるためにプロレスラーをやってたんだって思い出して。なんかそれを考えられないくらい、痛いし辛いし、試合も出来ないからもう帰らなきゃいけないし、この先どうなっちゃうんだろうっていう絶望の淵だったので。その時の言葉があったから、そういえばそうだったなって思い出させてくれて。そのときにクラウドファンディングに挑戦してみたら?という言葉もいただいたんです」

 

②クラウドファンディングを提案した経緯

――KAIRI選手は、なぜクラウドファンディングを提案されたんですか?

KAIRI「叫女からは、2回も手術したけれど原因が分からないと。時間もお金もかけてね、せっかくチャレンジしたことが成果に現れなかったということで、それって本当に雲をつかむような状態だなと思って。でもやっぱり何かしら光がないと…自分だったら耐えられないと思ったんですよね。そのためには現実的にならないといけないじゃないですか。叫女の試合を見たいファンの人、わたしもその1人ですけど、たくさんいると思うんですよね。それでみんながハッピーになれる方法、Win-Winになれる方法はないかなと思ったときに、以前プロレスTODAYさんにジムを立ち上げる際にご紹介いただいたクラウドファンディングがプラスに働くんじゃないかなと思ったんですよね」

ジャングル叫女「KAIRIさんにその提案をいただいたとき、直感というか何か希望が見えた感じがしたんですよね。わたしもクラウドファンディングという存在は知っていましたし、チャレンジをしてみたいというきもありましたけど、なかなか自分1人では踏み切れなくて…。だからKAIRIさんにそういう言葉をいただいて、踏み切る勇気、きっかけをもらえたと思いました。それでもやはり怖かったですよね、金額もすごく大きくなるし…」

――やったことない事は不安も大きいですよね。でも結果的に、本日のインタビュー時点では残りあと1日ありますが目標金額を大幅に達成しました。まだ終わってはいませんが、このクラウドファンディングをやったことについて、心境はいかがですか?

KAIRI「本当にすごい!」


※本人提供

ジャングル叫女「そうですね、やっぱり治療の先がまだ見えなくて…原因が分からないので、それが今まですごく辛かったというのが一番にあったんですよね。どうせ病院に行っても原因が分からないと言われたり、そのたびに本当に病院でも泣けてくるしで病院にも行きたくなかったし。過呼吸になったりしてもう立ち上がれないと思ったこともたくさんあったんですけど、クラウドファンディングが始まってから治療に前向きに挑戦できるようになりました。こんなにたくさんの方が応援してくださってるんだと思ったら、すごく頑張れて。先が見えなかったり、原因が分からなかったりしても痛い治療にも耐えられるかなっていう気持ちになってます。現実的な話をすると、保険適用外の治療とかもあって、先生には効果がどのくらい出るかは分からないけれど、試す価値はあるって言われていたので、それもご支援いただいた資金でチャレンジできるかなと思っているので、本当にありがたいですね」

KAIRI「まず気持ちが本当に嬉しいよね」

ジャングル叫女「本当に!」

KAIRI「でもそれは叫女が今までみんなに渡していた愛が帰ってきたんだと思うんだよね。叫女がgiverの(与える)人だからだと思う。スターダムにいたころからそうなんですよね。みんなの誕生日とか率先して準備したり、みんなの旅行とかも企画してくれたりして。本当に叫女が中心になって、いつもやってくれてたんですよ。giveの人です、マジで」

ジャングル叫女「いやぁ、もう泣けてきますね」

KAIRI「私がアメリカに行くときも、今でも持ってますけど、みんなからメッセージを集めてくれたり、会を開いてくれて。そういうのは絶対忘れない、IYOさんもそれは本当に叫女すごいって言ってるし。だから余計、クラウドファンディングって苦手なんじゃないかなって…そうでしょ?」

ジャングル叫女「そうなんですよ。最初は受け取れないって思ったり…」

――でも本当に多くの方が、叫女選手を支えたいという気持ちで支援の輪が広がりましたよね。最初は実行委員会のメンバーも不安に思う気持ちはありましたが、本当に愛されている選手だなというのを感じました。

KAIRI「リターン品もね、叫女自身が考えたんだよね?」

――そうです。叫女選手が普段は手に入らないようなものをリターン品として、ファンの方・支援してくださる方が喜んでくださるものを考えてくださいましたね。

ジャングル叫女「本当にクラウドファンディングに挑戦して良かったです。不安な気持ちも徐々に吹き飛んでったし、やってよかったなっていうのがもうとにかく今ずっと思ってて。、やってなかったら正直どうなってたかわかんないです。もう治療のこととか全部投げ出して、どっかに消えていたかもしれないし、プロレスも嫌いになってたかもしれないと思うので…。あらためてプロレスをすごい好きだなって思ったし、治療も痛みだけが続いてすごく辛い気持ちになっていたので、プロレスの力を本当にあらためて感じることが出来ました。だからこそ、自分が怪我を治して、またみんなに元気を与えたいなっていうのを強く思いますね」

 

⇒次ページ(KAIRIが支援としてスペシャルなものを提供、復帰を目指すジャングル叫女にメッセージ)

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