清水ひかりプロレス復帰までの道のり「今はいろんなものに目を向ける時間でもいいのかな」

――清水さんの欠場中、周りで清水さんの「清水ひかりエイド」的なことをやっていただいている方もおられますね。これにはどういう気持ちになりましたか。

清水 はい、もうみなさんには感謝しかありません。waveさんには恩があり過ぎて、もう返しきれないくらいの恩になりすぎて。夏(すみれ)さんもお店で募金をしてくださったりして、もうみなさんに、どうやってお返しをしたらいいのかって思うくらい。本当に感謝しかないです。でも、そのときに、「あ、一人じゃないな」ってすごく感じました。ユニットになってから、カラーズメンバーがいつもそばにいてくれてはいたんですけど、アクトレスガールズを抜けたときに、全部が自分次第みたいな今までと違う感覚があって、ひと試合ひと試合が大事だって思っていたんです。自分で頑張んなきゃって思っていたんですけど、もっと周りを見ていたら良かったなって思いました。助けてくれる人がこんなにいたんだって。だから、戻ったときにどんな形でも返していけたらなって思いました。まだ全然、その返し方というのが見つけられていないんですけど…。

――そんな欠場が続くなかでZAN1(wave式人気投票で、1位に輝くとレジーナ王座への挑戦権利が与えられる)で2位になりましたね。

清水 なんともいえない悔しさと安ど感がありましたね。でも、ZAN1があったことによって、今まで目を向けていなかったレジーナのベルトを初めて意識したんですよ。

――これまで何の接点もなかったですからね。

清水 2位になったことによって気づかされましたね。それと、ファンの方のありがたさを感じました。私は欠場していたから、もし1位になったとしても挑戦がかなうかわからないじゃないですか。そんななかで挑戦してほしい、巻いてほしいって、そう思ってくれている人がいることがうれしくて。やっぱり私はベルトに絡んでいきたいし、自分が巻きたいものを巻いていきたいから。そういう気持ちの中で、みんなから「このベルトはどう?」と言われているのがうれしくて。初めての感覚でしたね。いままでもファンの方から応援してくれているという気持ちはありましたけど、あそこで2位になれて、みんなのあったかさを知ることができました。

――もし、本当に1位になって挑戦することになっていたら、現王者は宮崎有妃選手です。

清水 はい、「もしかしたら挑戦していたかも?」って考えたときに、「挑戦したかったな」って思えたんですよ。それは、いまベルトをお持ちなのが宮崎さんというのもすごく大きかったです。宮崎さんはカラーズに対して、よくしてくださっているので。あーみんを育ててくれたり、いまも櫻井裕子を(3・17大阪での)挑戦者に指名してくださって。宮崎さんだったからレジーナに目が向いたというか。だから、来年は1位になるくらいの、そうなってから挑戦したい気持ちもありつつ、今ベルトを持っている宮崎さんに挑戦したい気持ちもあります。2位になったことで復帰に向けて、プラスになる気持ちが大きくなった出来事でした。

――それだけ宮崎選手はカラーズとのかかわりが深いですよね。

清水 いま、あーみんが「師匠」って呼んで宮崎さんに付いていって、次に裕子が挑戦することになって。そうなってくると、今度、SAKIさんはどういう動きをするのかなあとか、いま想像をしています。でも、宮崎さんに自分が挑戦して勝ちたいですね。

――宮崎選手から櫻井選手を挑戦者に指名する理由として「カラーズを背負っているのはSAKIちゃんだけじゃないか、もっと頑張んなきゃいけないんじゃないのか」という発言があり、奮起を促す意味での挑戦指名だったと思うんですが、あの経緯を清水さんはどのように感じましたか?

清水 裕子もきっといろいろ考えていたと思います。私もカラーズになった時すごいその気持ちがありました。SAKIさんだけが前に立ってくださるというか、守って下さるというか。でも、SAKIさんのおかげで私たちもいろんな団体さんに出させてもらってて。だから出たときに爪痕を残さなきゃいけないという気持ちが大きくて。カラーズになって、初めてのベルトもwaveさんだったから、私を表に出せるところはwaveさんと思って必死にもがいていたんですよ。キャッチ(CATCH THE WAVE)にも出させてもらったときに、掴みに行かなきゃというか、波女にならなきゃと必死に頑張って。もがき方はそのときに模索しなきゃいけないし、自分で頑張んなきゃいけないって思っていました。

――なるほど、清水さんも同じようにカラーズを背負っていくという気持ちは強かったわけですね。

清水 はい、裕ちゃんもキャッチはすごく頑張っていたし、賞ももらって。ただCOLOR’Sになった時とはちょっと違って、いまは二人が欠場で。ただ頑張ればいいというところから、もう一個、彼女に責任が押し寄せているというか。

――それが3・17レジーナ戦という舞台につながっていますよね。

清水 もともと器用な子ではないし、自分の感情を表に出す子ではない。彼女はストレスがたまったらいっぱいごはん食べるっていうタイプなんですよ。でも、いま少しづつ爆発してきている気がしていて。その大きな爆発をレジーナで出せれたらベルトを巻くというのも可能性は0じゃないかなと。ただ最後のひと殻をぶち破らないと話にもならない。心配もありつつ、楽しみもありつつ、期待もありつつ、頑張ってもらいたいですね。

――その櫻井選手が挑戦する同じ日の夜に、カラーズとプロミネンスによる合同大会もありますが、、両ユニットの合同をどう感じていますか。

清水 初めてカラミネンス(SAKI&世羅りさ)でベルトを取った時に二人の仲が悪かったんですね。でも私は個人的に世羅さんが好きで、仲良くなってくれたらいいのになって思いながら見てました。でも、いろいろあって、仲が良くなってカラミネンス興行にまで進展して、私はハッピーです。試合に出れないのは悔しいことなんですけど、ユニットが力を合わせてできるということは新しいことだと思うし、一緒になってどうなるのかとかすごく楽しみです。昼にレジーナがあるので、裕ちゃんがベルトを巻いて出てきてくれたら最高ですね。


――ユニット活動の一方で、清水選手個人としては、アイスリボンでの松下楓歩選手との“ひーかほ”でもインターナショナルリボンタッグへの挑戦を直前に欠場ということになりまして。

清水 はい、申し訳なかったです…。私は仲良くなるまで時間がかかるタイプというか、結構、バリケード貼っちゃうタイプなんですよ。それをぶち破ってきたのが楓歩だから。私が欠場して、心がふさぎこんだときに家に飛んできたんですよ。いま落ち込んでいるんだろうなって気が付いて、パッと来てくれて。後輩でそういうことができる子ってなかなかいないじゃないですか。だから大切にしたいなって思っているし、一番アイスのベルトに近い子だと思ってていて。シングルのベルトもタッグのベルトも。でもこの間、(12・31対星いぶき戦)シングルのベルトは取れなかったけど、それが彼女にとってもっと強くなる要素だと思います。

――清水選手がケガしてからはお二人の接点は?

清水 電話したりとか、一緒にやってるアプリのゲームの話をしたりとかはしています(笑)。「いまアイスはこういう状況ですよ」とか楓歩も話してくれるので。いまベルトを巻いている二人(弓李&芦田美歩)と、じゃあ私たちはやりたいのとか、今のアイスのタッグのベルトに対してほしいと思えるのかとか。でも、いまアイスに新しい子が入ってきていて、その子たちが強くなっていくのに、ベルトというのが必要だと思うんです。そして、そこを支えていく先輩が必要なので。楓歩もまだキャリアは浅いですけど、そっち側に立たなきゃいけない。彼女の中でその折り合いが全然ついていないんですよ。でも、人に教えたからこそ変わるプロレスもあるし、成長できることもたくさんあるから、私にこだわらず、この子を強くしてあげたいって楓歩のなかに思えるんだったら、私だけにこだわらず、どんどんベルトにも挑戦してほしい。自分をしっかり持っている子なので、それを尊重しつつ、ベルト戦線に絡んで行ってほしいなって思います。

――復帰後、アイスリボンでのひーかほの立ち位置がどうなるかも、今から楽しみにしています。現在、欠場されている中で、結構、ファンの方との交流をされていますよね。ケン玉大会やら麻雀大会を企画されたりして。

清水 アハハハハ。欠場してから、カラーズ大会だとポートレートとかの売店ができて、みんなとちょっとづつお話しすることはできるんですけど、欠場してお客さんと話す時間が全然なくなったんです。それが純粋に寂しくて。みんなと話す時間ができたらいいなって思って、そういう機会を作ってみたんですね。ケン玉大会については、YMGさんでYMG対カラーズをしたときに私が体を動かせないからってことで、そこでケン玉大会をやって、一切うまくないかなかったんです(笑)。私は1個でもうまくいかないと火が付くタイプなんですよね。うまくなりたいっていうのもあってケン玉大会をやったんですけど、そしたら全勝しました(笑)。

――火がついてケン玉が強くなっていたわけですね(笑)。

清水 はい、今はそういう時間が欲しいんですけど、麻雀はまだできていないんです。やっている人はあまりいないみたいですね。声を挙げていただいたのがGAMIさんだけで(笑)。私とGAMIさんがいるところにあと誰が入る?(笑)。

――ぜひこの場を借りて募集しましょう(笑)。麻雀をやろうとしたきっかけは?

清水 もともと麻雀が好きだったんですよ。点数計算とかができないので、みんなに教えてもらいながらやれればいいなあって。いま時間があって、何もしていない時間があると、よくないほうに考えがちな思考になっている気がして、何でもいいから趣味というか勉強の時間に使えたらいいなって。プロレスラーで雀士みたいな。急激にケン玉もうまくなってきているので、「ケン玉の資格も取れば?」とか言って貰えて。

――新たな肩書が増えていきそうですね。

清水 はい、今までいろいろプロレスにこだわっていたけど、いまはいろんなものに目を向ける時間でもいいのかなあって。そこから皆と交流する時間も増えて、プロレスに復帰してからもそういう時間を大切にしていければいいなって思います。アクトレスガールズをやめてから、今までが怒涛だったかなって。試合数も倍以上になったし、気を張り過ぎていたかなと。みんなとゆっくりする時間もとれて、ファンの方がプロレスに対してこういう気持ちなんだということも知れたし、私に対しても周りがこう思っているんだなってわかって、新しい視界が広げられたと思います。いまは、こういう時間も大切にしていきたいなって、そう思います。

<インタビュアー:泉井弘之介>

「PROMINENCE×COLOR’S合同興行」
日時:2024年3月17日(日) 17:00開場/17:30試合開始
会場:176BOX
大阪府豊中市庄内東町5丁目7-25

【対戦カード】

◆DUALSHOCK WAVE~WAVE認定タッグ選手権試合(30分1本勝負)
<王者組>SAKI&世羅りさ vs 救世忍者乱丸&ハイビスカスみぃ<挑戦者組>
※第34代王者組の初防衛戦
 
◆6人タッグマッチ
米山香織&櫻井裕子&炎華 vs 青木いつ希&狐伯&石川奈青
 
◆ハードコアマッチ
旧姓・広田エリザベスさくら vs 夏実もち
 
◆3wayマッチ
さくらんボニータ vs 藤田あかね vs 田中きずな
 
◆タッグマッチ

倉垣翼&柊くるみ vs 松本都&花園桃花

▼大会情報はプロミネンス公式Xにて
https://twitter.com/prominence2022

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