【SSPW】間下隼人「タイガーマスクにはなれなかったけど、僕だって“虎”なんだ」新弟子時代からの過酷な半生を激白!

■「なんでプロレスの練習しないの?」――初代タイガーの衝撃発言から急飛躍!ジャガー横田&日高郁人の指導で“プロレスラー”として覚醒

――間下選手はここ数年で身体も大きくなり、試合内容も格段に良くなってレジェンド王座戴冠まで果たしました。この飛躍にはどのような理由があるのでしょう

「3年くらい前ですかね。先生が『なんでプロレスの練習しないの?』って仰ったんですよ。僕ら、ガチンコの練習しかしてなかったんで。トレーニングに関しても『なんでウエイトしないの?』って。まあ、結果的に先生が高く評価なさっている日高郁人コーチが就任なさって、プロレスの練習とウエイトトレーニングが解禁されて。初めて他団体の選手がしてきたような練習を経験して、『あっ、初めて“プロレス”を習ってるな』って感覚になりましたね(笑)」

――佐山先生から受けてきた“闘い”のための修練が前提としてあった上で、日高コーチの指導によってブレイクスルーが起きたということですね

「まさにそうですね。細かい力の使い方が分かったというか。ベンチプレスも始めて2年くらいで150kgまで上がるようになって。日高さんにフォームの指導をしてもらったらどんどん上がるようになって、150kgも行けるかなと思ったら行けちゃったんで僕もビックリしました。まだまだ上の重量も行けそうなんで頑張っていこうかなと」

――ベンチプレス150kgというのは簡単に到達できる領域ではないと思います

「でも、先生に報告したら『150はスタートラインだから』って(笑)先生は僕よりも全然軽い体重で200kg以上挙げていたわけなので、僕もまだまだ修行が足りません」

――同じ頃にジャガー横田選手も女子マッチのプロデューサー&相談役として参画しました。ジャガー選手からの指導もあったのでしょうか

「ジャガーさんにも本当に良くしてもらってて。初対面で『アンタは身体も大きいんだから遠慮しないでちゃんと行ったほうが良い』『遠慮してる内はアンタは今より上に行けない。いいもん持ってるんだから自信を持て』ってご指導くださって。周りがスゴい人ばっかりだったんで、僕は自信っていうものを欠片も持てずにずっとやってたんですけど、『あのジャガー横田が「自信持て」って言うならちょっと持ってみようか』って思えて。佐山先生が僕の基礎を作ってくださって、その上に日高コーチが技術を与えてくれて、ジャガーさんが精神面のリミッターを外してくれた。本当に、偉大な皆さんのおかげで今の間下隼人があるんだなあとしみじみ思います。先生は僕のことなんて切ろうと思えばいつでも切れたはずなのに、見捨てずに今でも近くに置いてくださっているので。もっともっと成長した姿を先生に見ていただきたいです」

 

■「タイガーマスクにはなれなかったけど、僕だって“虎”なんだ」――団体を背負うチャンピオンとしての危機感、コンプレックスを力に変えて前に進んでいく覚悟

――長い長い下積みを経て、37歳でようやくプロレスラーとして完成してきたという印象があります

「僕も年齢を重ねてきましたけど、上がスゴすぎるんですよ。まだ若虎としては若頭補佐的な役割というか(笑)SSPWを見渡すと、将軍岡本選手ですら僕より上ですし、関本大介さんも上、シュレックさんも50ちょっと、アレクさんも52歳。闘う人が一回りは上なんです。僕が上の人たちを超えていかないと、結局この新調されたベルトの価値も上がっていかないんです。おこがましいかもしれないですけど、僕が団体の時計の針を進めたと思ってるんです。僕ももうそんなに若くはないですけど、40代~50代で回ってたこの団体で新たな流れを作り出せたなと。ここで負けたら時間を戻しちゃうことになるんで、僕が勝って、勝って、針を進めて進め続けないと団体の発展はない気がしてるんです」

――そのために、アレク選手を超えなければならない

「ちょっと言い方は失礼かもしれないですけど、このカードが決まったときに周りから『なんで今アレクなの?』って言われたんです。でも、多分今なんです。今しかないんです。僕が遅かったとか、アレクさんが早かったとかじゃなくて、このタイミングでアレクサンダー大塚と闘えるというのは僕にとってプロレスだけじゃなくて人生にとってプラスになるという確信があるんです。さっきも言いましたけど、アレクさんがマルコ・ファスを倒したときに、僕は本当に勇気をもらったんです。そのときにもらった勇気の恩返しをしたい。その気持ちに尽きますよ」

――間下選手からは団体を背負う“責任感”というより、現状を変えたいという“危機感”の方を強く感じます

「仰るとおりです。SSPWのファンって、佐山先生を見に来てるんですよ。当たり前のことですけど。その中で、『佐山先生が戻られるまで間下の試合を見よう』って思われる選手にならないといけない。タイガー・クイーンが出てきたときに『これはまずい』と思ったんです。僕らがやらなきゃいけなかったことを一晩でやっちゃったんですから。今は『クイーンの試合を見よう』って思われる選手になってるじゃないですか。それで女子も伸びてきて、今大会でも男子と女子で3試合ずつってカード編成になってますけど、僕はこれに納得してない。しちゃいけないと思ってて。ジャガーさんのネームバリューにはどうやっても勝てないですけど、試合内容だけは負けないように……。いや、気持ちの上でも負けずに本気で嫉妬して、反骨心をむき出しにして、全力で噛み付いていかないと女子に負けちゃいますよ。俺は、妹弟子にだって負けたくないんです」

――最後になりますが、改めてアレク戦への意気込みと、ファンへのメッセージをお願いします

「純粋な実力面では、アレクさんの方が上だと思います。ただ、SSPWのお客さんは僕の下積み時代をずっと見てくれた方も多いんで支持率は僕が勝ってると思います。『間下、よくここまで頑張ったなあ』って思いで応援してくれてるファンの方の気持ちは裏切れないんで、死ぬ気で勝ちにいきます。僕はチャンピオンとして、佐山先生がリングに帰られたときに『間下、よく頑張ったな。よく持ちこたえてくれたな』って言っていただけるような試合をしていかないといけないんです。僕はタイガーマスクになれなかった人間です。ただ、マスクを被ってないだけで僕も“虎”なんだってことをリングで証明します。3月21日は是非後楽園ホールにお越しください!」

【対戦カード】

《Wメインイベント② レジェンド選手権試合 60分1本勝負》
[第17代王者]間下隼人(ストロングスタイルプロレス)
vs
[挑戦者]アレクサンダー大塚(AODC)

《Wメインイベント① 女子タッグ選手権試合60分1本勝負》
[王者]ジャガー横田(SSPW女子タッグ王者/CRYSIS/ワールド女子プロレス・ディアナ)
&藪下めぐみ(SSPW女子タッグ王者/ CRYSIS/フリー)
vs
[挑戦者]ダーク・タイガー(DarkerZ)&ダーク・チーター(DarkerZ)

《第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負》
スーパー・タイガー(ストロングスタイルプロレス)&船木誠勝(フリー)
&ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)
vs
ダーク・ウルフ(DarkerZ)&村上和成(フリー)&関本大介(大日本プロレス)

《第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負》
タイガー・クイーン(ストロングスタイルプロレス)&雪妃真矢(フリー)
vs
Sareee(フリー)&本間多恵(フリー)

《第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負》
関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)&日高郁人(ショーンキャプチャー)
vs
澤田敦士(無所属)&政宗(フリー)

《第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負》
野崎渚(フリー)
vs
柊くるみ(プロミネンス)

※対戦カードは変更となる場合がございます。

<写真提供:ストロングスタイルプロレス>

➡次ページ【動画】「ストロングスタイルプロレスVol.28」2024年3月21日 後楽園ホール大会 告知VTRへ続く

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