政岡泰志の「ホゲーッ!昭和プロレス愛宣言」第5回

コブラクロー。インドの狂虎、タイガー・ジェット・シンの必殺技です。なぜかこの技のことを最近よく考える。なんと卑怯で残忍な技かと思う。

相手の首をクローで締め上げ倒しフォールしてしまう。首しめは反則だが5秒以内の反則はプロレスでは許されるのでその間にスリーカウント入ってしまう。

卑怯で残忍かつ屁理屈な技コブラクロー。喉輪落としに似てなくもないんだ。

首に喉輪を決めて持ち上げ落とせば喉輪落とし、チョークスラムとしてメジャーな技になった。コブラクローはシンしかやらない。

自分が今考えるのは何故かコブラクローなのです。具体的には人に仕掛けてみたい。

危険な思想だ。相手を持ち上げたらメジャーなチョークスラム、そのまま押し倒して首を締め付ければコブラクロー。

やりたいコブラクロー、無軌道な若者たちに・・・・・危険思想だ。

それにしても、タイガー・ジェット・シンこわかったなあ!。

サーベルもターバンも奇声もこわかったけど、上田馬之助と肩を組んでの入場がこわかった!

なぜ、このインドの人は金髪の日本人と肩を組んでいるのか?肩を組む?意味不明で背筋が凍った。

自転車食べるシンの写真見たこともある。ウソでしょ!電話帳引き裂くとかバスを引っ張るとかのアピールは分かる。

しかし自転車食べるは意味不明です。ハンセンともブロディとも同時代の一方の悪役王ブッチャーのこわさとも違う。

シンは狂っていたから。狂ったふりか。ホントはまともなんだよね?と確認したくなる。でないと不安になる。

話はちょっと変わりますが自分はお化け屋敷でお化け役のバイトをしたことがあるのですが、よくサラリーマンに絡まれることがあったのですね。

お前時給いくらだ?みたいにからかわれて、ムカついたけど、いま思うとあのサラリーマン達はほんの少しこわかったんじゃないでしょうか。

まさかと思うけどホントにお化けだったらどうしようという心の片隅にある恐怖がからかう態度になったんじゃないですかね。

女の人は素直に怖がってくれてました。逆に女性のほうが強いということか。

シンの話に戻しますと、あそこまで狂人になりきり、しかもリングではいい仕事もこなすシンはすごかったんだなあ。

輪島の日本デビューもザ・グレートカブキの日本でのビッグマッチデビューもシンだった。馬場さんからの信頼も実はあったのか。

信頼される狂人って憧れます。コブラクローでジャンボ鶴田からフォール奪ったのも見た記憶あります。やるじゃないシン。

ジャイアント馬場の最後のシングルの相手も意外にもタイガー・ジェット・シンだし。

しかし、やはり、シンの抗争相手はアントニオ猪木です。猪木のライバルはたくさんいそうだけどシンの抗争相手と言えば、やはり猪木でしょうか。

ところで今日は1月5日。昨日の東京ドームに一切触れず、タイガー・ジェット・シンとコブラクローについて考えてしまった。

取り残された昭和プロレスファン。さらに元号変われば遥かに遠くなるのか。いいです、昭和でいいのです。

きっとSNSとかあったらシンの狂人ぶりもあばかれてしまったかもしれないし。コンビニで買い物するシンとか。

いや、シンならスマホ向けられたら素人にも襲いかかっていたに違いない。ぶれない狂人。

自分もあそこまで役になりきってみたいものです。もっと言えば狂人の役やってみたいのです。

政岡泰志

下北沢を中心に活動し今年で25周年を迎える劇団、動物電気の主宰。
作・演出・俳優を兼ねる。天性の間合いと独特の存在感を持ち、人間の可笑しみと哀しさ、それぞれに行き来自在な心情の機微を絶妙なさじ加減で演じる。
また、舞台の “ ガヤ ” として多数 の役を次々演じわける器用さにも定評がある。
小劇場界きっての昭和プロレスファン。

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