【新日本H.G.メイ社長特別インタビュー】<第3弾>企業コラボやタイアップ、海外団体との差別化、座右の銘について!
今年1.4東京ドーム大会後に新日本プロレスリングの代表取締役社長兼最高経営責任者であるハロルド・ジョージ・メイ社長に初インタビューを実施!
今回は企業コラボやタイアップ、海外団体との差別化、座右の銘など沢山の質問にお答え頂いた。(独占インタビュー第3弾)
【企業コラボ、タイアップ】
山口:知名度でいうと本当に上がりましたし、お子さんが観戦されるのも増えてきましたよね。それに、プロレス業界以外の方からプロレスのイメージが変わったよねという話もよく聞きます。
スポンサードでも過去にはないくらい企業が増えてきたという印象がありますし、新たな企業とのタイアップもされていますよね。
メイ社長:タイアップ、コラボ、スポンサー、いろんなやり方があるかと思います。ただスポンサーをしてくださる企業というのは、何かメリットを感じてスポンサーになってくださるので、我々が提供できる価値が上がっている証だと思っています。お客様の年齢層も今までよりも広くなりましたし、ロイヤリティーも非常にあるお客様が多いですよね。
男女問わず国内外問わず、言語や文化も問わずというのはコンテンツとしてなかなかないと思います。年齢・性別・言語の壁がない、全方位に対してアピールできるというのは本当にすごいことだと思います。
【海外団体との差別化について】
山口:海外でいうとWWEがあったり、AEWが立ち上がったりしますが、新日本プロレスとしての攻めというか向かう方向性はどのようにお考えでしょうか?
メイ社長:我々は今年で47年の歴史があり、新日本独特のプロレスを展開しているわけで、その独特さというか、違いというか、我々の特徴をアピールしていくのが一番の重要点です。
そのためにも先ほどの入口となる動画だとか、SNSだとか、興行ももちろんそうですが、新日本らしさを見せていく。これが一番大事だと思います。それが誇りであり、日本のプロレスなんです。
山口:メイ社長の中では、新日本プロレスという名前を海外に発信していく際にネーミングを変えていきたいとかはあるんですか?
メイ社長:逆ですよ。これは我々、日本のプロレスですから。それはあえて『新日本プロレス』で訴えたい。
山口:ジャパンブランドのプロレスということですね。
メイ社長:そうです。そこなんです!日本のプロレスなんです。伝統、スタイルや47年の歴史全部含めて、新日本プロレスなので。それをアピールしていきたいですね。
【座右の銘】
山口:メイ社長が新日本プロレスを日本ブランドのプロレスとしていろいろ考えられていらっしゃるというのがお伺い出来て、とても面白かったです。最後になりますが、メイ社長の座右の銘があったら教えてください。
メイ社長:よく聞かれるんですが、特にないんですよ。それを言ってしまうとそれに囚われてしまうんです。それって時代とともに変わるので。その時々で立場や心境も違うし、メンバーも違うし、何ていうか進化していくんですよね。座右の銘なんてあったら、もうそれに囚われて進化しない人間じゃないですか。
あるいはいつまでもずっと同じことを言っているのであれば、ずっと達成できていないことだっていう証でもあると思うんです。30年も40年も言っていて、まだ達成できてないの?っていうことになるじゃないですか。
山口:深いですね(笑)。
メイ社長:そのときどきで心に届く言葉は違います。日本人と外国人でも心に届く言葉は違うわけですし。何がいい悪いじゃなくて、そういうものだと思います。
山口:でもその2つを兼ね備えているメイ社長だからこそ、国内外、グローバルな視野を持って挑めるわけですよね。
メイ社長:僕は自分の強みはそこだと思っています。グローバル化は間違いなく進んでいくわけで、それはプロレスに限らずどんな業種でもそうです。そのときに他の文化と接するわけでしょう。
相手の土俵に上がって相撲を取らなくてはいけないわけで、そのときに重要なのは言葉だけじゃないんですよ。文化の理解がないと、ただ単に通訳を交わして交渉なんていうのは、まあ6割くらいはそれで済むかもしれませんが、残りの4割は違いますよ。
山口:文化の違いは大きいですよね。
メイ社長:だから僕がいつも言っている例は、例えば日本語でね。「この商品買いませんか?」ってなったときに、僕が日本人だとして「いいですねー、素晴らしい。考えておきます。」って言ったとするじゃないですか。
通訳の人がそのまま英語に訳すと、「I think about it.」なんですよね。それだと非常にポジティブ。上司と相談してあとからいい返事をくれるんだと思うわけです。でも日本語では「考えておきます」っていうのは「NO」なんですよね。
山口:限りなく「NO」に近いですよね。
メイ社長:で、1週間後に電話がきて「あの件どうなりましたか?」って言われてもね。「あのとき考えとくって言ったよね?なんで電話してきたの?」ってなりますよね。
それと一緒で伝わらないわけですよ、交渉の場では。でも日本の場合は、「検討しておきます」っていうのが「考えておきます」「I think about it.」ってことなんですよね。
通訳の人がそれを理解していたらいいんだけど、そういうニュアンスとかは直接話さないと難しいと思います。「難しいと思います」も「NO」なんですよね(笑)。
英語だと、「難しい?じゃあどうすればいいですか?」ってなるんです。日本人は「難しいって言ってるじゃん」ってなるんだろうけど、英語で直訳だと「難しいのであれば、どうしたらOKになりますか?」と、絶対そう突っ込んできますよね。
だからちゃんと「NO」と言わないといけないのです。
山口:その辺、日本語はあいまいですよね。
メイ社長:海外のジョークなんですけど、日本人が「YES」と言ったら「Maybe」だと。「Maybe」と言うと「NO」なんだと。「NO」と言ったらそれは日本人じゃないと(笑)。
山口:(笑)。それは面白いですね。確かに日本人ははっきり「NO」とは言わないですよね。
メイ社長:海外でそんなジョークがあるくらい。「出来ません」もなかなか言わないですよね。「それは非常に難しい」だったりとか。「これはなかなかちょっと・・・」だったりとか。
「なかなかちょっと」ってなんなんだって海外の人は思っちゃうわけですよ(笑)。
山口:本日は色々なお話を有難うございました。2019年の新日本プロレスの仕掛けを楽しみに応援させて頂きます。
メイ社長:こちらこそ、新日本プロレスをどうぞ宜しくお願いします。
(インタビュアー:山口義徳)
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