【編集長コラム】「妖怪!? エル・サムライの復活なるか」

リング復帰なるか? 今、エル・サムライの動向に注目が集まっている。

先月、プロレス・格闘技専門チャンネルCS放送「サムライTV」に登場した際には「もう、体がついていけない」と、リング復活に消極的だったサムライ。現在、所属している名古屋のスポルティーバエンターテインメントでも、実戦からは遠ざかっている。

とはいえ、かつて新日本プロレスのジュニア戦線を支えたテクニックは、いまだ語り草で、レジェンド・ブームの昨今、サムライのリング登場を待ち望む声は高まる一方だ。

4月19日に名古屋スポルティーバアリーナで開催されるトーク・イベントに出演するサムライ。共演者に「必ず、復活させる」と意気込む、かつての「盟友」ケロちゃんこと田中秀和リングアナウンサーがエントリーしている。となれば「爆弾発言」が飛び出すかも知れない。

元来、口数の少ないサムライだが、かつて、たった一人でマイクを握ったことがある。連休中に開催された新日本プロレスの名古屋大会。選手バスが大渋滞に巻き込まれ、高速道路上で身動きがとれなくなってしまった。

とても試合開始時刻に間に合いそうもない。通常通り会場入りできたのは、愛知県在住のサムライと、実家のある岐阜で治療中だった棚橋弘至のみだった。そこで二人が順番に尾崎仁彦リングアナウンサーとのトーク・ショーで選手の到着を待つことになった。

とはいえ、トークも得意とする棚橋はともかく、口下手で知られるサムライは大慌て。「えっ、俺が? 無理っすよ。何をしゃべるんですか。何分ですか。間が持ちませんよ」と、リングに上がる前から冷や汗タラタラ。そのマスクからは、いつになく湯気が立ち上り、左右の飾りが小刻みに震えていた。「大丈夫だから。詰まったらすぐに棚橋が駆けつけるから」と、説得されて登場した。

いきなり「どうもすいません」と挨拶し、つかみはOKだったが、やはり後が続かない。気の毒なほど、あせりまくる姿に「サムライコール」が爆発したものの、尾崎アナのフリにも、無言のサムライ。次第に微妙な空気が流れ出した。

そこに「選手到着」の朗報が届き、同時に棚橋の当時の入場テーマ曲「HIGH ENERGY」が流れ出した。一気に肩の荷が下りたサムライは、棚橋とバトンタッチすると、逃げるようにリングから去っていった。

「試合よりも緊張しましたよ」と、急いでマスクを脱いで汗をぬぐったサムライが、まずは大好きなタバコで一服した姿を、今でも鮮明に思い出す。ヘビースモーカーとしても名を馳せる。それなのに常人離れしたスタミナを誇り、仲間内では「妖怪」と呼ばれていたものだ。

あの「掴みどころがないのにスゴイ」と、称せられたサムライの「妖怪ファイト」が戻ってくるのか? 田中アナにあおられて、どんな発言が飛び出すか? サムライの言動から目が離せない。

※ジグザグジギー宮澤聡氏所蔵のプロレスカード

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