【DDT】納谷幸男が遠藤哲哉との激闘制し、涙の『D王』初制覇!「上野さん、俺とあなたとどちらがDDT最強かベルトかけて戦ってください!」

 DDTプロレスが1月3日、東京・後楽園ホールで「D王 GRAND PRIX 2023 the FINAL」を開催した。シングル最強決定リーグ戦の優勝決定戦は納谷幸男が遠藤哲哉を下して涙の初制覇を果たした。納谷は同28日、後楽園で“真の最強”の座をかけて、上野勇希の持つKO-D無差別級王座に挑む。

 納谷は2022年の「D王」で初めて優勝決定戦に進むも、上野に敗れて優勝はならず。それでも精進を続け、昨年3月には無差別級王座に初挑戦(当時の王者は火野裕士)するも惜敗。その後、足のケガによる欠場もあったが、着実に力を付けてきた。2年連続で優勝決定戦まで歩を進めた納谷に対峙したのは、過去3度、無差別級王座を戴冠した実力者の遠藤だった。

 序盤、レスリングの攻防、シュルダータックル合戦から一進一退の戦いが続く。10分過ぎ、納谷は場外でボディスラム、DDTを繰り出すエグい攻め。遠藤はサスケスペシャル、スワンダイブ式エルボーを叩き込む。納谷は逆エビ固め、逆片エビ、ダイビング・エルボードロップで攻め込む。

 納谷の雪崩式バックドロップを回避した遠藤はハンドスプリング・スクリューキック、エクスプロイダー、バーニングスター・プレスと猛攻も、カバーが遅れてフォールは奪えず。さらに遠藤は納谷の巨体を抱え上げて旋回式ト―チャーラックボム、2発目のバーニングスター・プレスを敢行も剣山で阻止される。納谷はニーリフト3連発もカウントは2。

 遠藤は丸め込み、ケサ斬りチョップ、ローリング・チョップ3連発も、4発目をかわした納谷がヒザを叩き込む。チョークスラムを2カウントで返された納谷は、足をクラッチしてバックドロップ、そして正調の世界一のバックドロップを決めて遠藤を沈めた。

 納谷は「数年前までこんなところに出れる選手じゃなかった俺を、応援してくれた団体のみんな、家族、ファンの皆さん、本当にありがとうございます。D王優勝したけど、まだまだ俺の夢はあります。それは、このDDTでKO-D無差別級のベルトを巻くことです。上野さん、出てきてください」と呼び掛けた。

 上野がリングインすると、納谷は「D王優勝して、DDT最強になったと思ってます。俺とあなたでどっちがDDT最強か、そのベルトをかけて戦ってください」と挑戦表明。上野は「納谷はデカい体でみんなの期待を全部受け止めて、D王で最強になってるよ。もちろんやりましょう。でも、このベルトはDDTで一番おもろいヤツが持つベルト。みんなに見てもらうために、DDTの先頭に立って、KO-D無差別級チャンピオンとして、思いっきりやろう」と快諾。決戦の場は1・28後楽園に決まった。

 バックステージで納谷は「このDDTに来て、初めて結果を残すことができました。数年前まで、しょっぱくて、笑われてた自分が死ぬ気で努力して、こうやってDDTの最強になることができました。でも、まだDDTの本当の意味での最強になるためには上野さんを倒して、KO-D無差別級チャンピオンにならなければいけないと思っています。まだまだ上に行きます。DDTをもっと引っ張っていきます」と涙。

 惜しくも、「D王」初制覇がならなかった遠藤は「納谷に完敗です。去年のDDT最後の12月24日、樋口和貞に勝利して。12月31日、年越しプロレスで(6人タッグトーナメントで)優勝して。2024年、今日納谷幸男に勝って、最高のスタートを切るつもりだったんですけど、そううまくはいかないですね。これ以上の地獄はないと思うので。俺は今DDTの一番下にいます。ここからは上がっていくだけだから、ここから巻き返します」と肩を落としながらも、巻き返しを期した。すると佐々木大輔が現れ「今日も勝てなかったな。その理由、俺にはわかるぞ。もうオマエの横に秋山準はいない。バーニングなんか、もう必要ないだろ。俺と一緒に世界を変えよう。今日は疲れてるだろうから、返事は今日はいらない。また会おう」と勧誘。遠藤は「アイツの言うこともわからなくもない。2024年、答えを出そう」と揺れる胸中を吐露。

 納谷を迎え撃つことが決まった上野は「D王で優勝して、最強は納谷。どっちが最強か決めましょうじゃない。このベルトはDDTで一番おもろいヤツが持つベルト。DDTの先頭に立って、みんなにいい夢見せたい。その一番前を走るのは俺やから。納谷がどんだけすごかろうが、デカかろうが、俺が一番おもろいから。俺はまだまだやりたいことも、やりたいヤツもいっぱいいるから負けられへん。今ベルトかけて一番やりたいヤツは納谷幸男。最強をぶっ飛ばして、俺がDDTで一番おもろいヤツとして、またこのベルトを巻くよ」と王座死守を誓った。

 また、「D王」大会実行委員長の小橋建太氏は「(決勝は)本当にいい試合で、遠藤君が最後行くかなと思ったんですけど、納谷君がしっかり反撃して勝利を奪った。納谷君の涙を見て、いい優勝だったなと思いました。(1年前とは)試合運びが全然違う。成長は見えました。対応力が見えました。(上野に挑戦するが?)今回は納谷君の勝利の可能性、非常に高いですね。勢いもあるし、元々体のデカさだったり、基礎体力もあるし。今の勢いもあって、奪取の可能性は高いと思います。そこを簡単にいかせないのが上野君のプロレス頭。いろんなバリュエーションで攻めてくる。そう簡単にはいかないけど、勢いは納谷君。(リーグ戦全体を通して)みんないい試合して、得点差があまり出なかったところに、接戦であったという。そういう試合を重ねていったから、D王の価値も毎年上がってきた。一つひとつの試合をファンのみんなに魅了することができれば、D王の価値が高まっていくと」と総括した。

【大会名】D王 GRAND PRIX 2023 the FINAL
【日時】2024年1月3日(水)
【会場】東京・後楽園ホール
【観衆】1194人(超満員)

▼オープニングマッチ 30分一本勝負
●高尾蒼馬&翔太&夢虹 vs 佐々木大輔&KANON○&MJポー
8分15秒 コブラツイスト2.0

▼第二試合 30分一本勝負
秋山準&○大石真翔 vs 岡田佑介&須見和馬●
7分42秒 フジヤマ・ニーロック

▼第三試合 スペシャルタッグマッチ~勝俣瞬馬復帰戦 30分一本勝負
坂口征夫&●岡谷英樹 vs 勝俣瞬馬&小嶋斗偉○
9分37秒 片エビ固め
※変形フェースバスター

▼第四試合 30分一本勝負
HARASHIMA&大鷲透&○平田一喜 vs 高木三四郎&彰人&アントーニオ本多●
12分5秒 奇跡を呼ぶ一発逆転首固め

▼第五試合 スペシャルタッグマッチ~AJPWvsDDT 30分一本勝負
斉藤ジュン&○斉藤レイ vs 樋口和貞&瑠希也●
11分40秒 体固め
※斉藤いぎなりスマッシュ

▼アイアンマンヘビーメタル級選手権試合
<王者>●クリスマスツリー vs 黒潮TOKYOジャパン○<挑戦者>
20時11分 体固め
※クリスマスツリーが防衛に失敗、黒潮が第1600代王者となる。

▼第六試合 アイアンマンヘビーメタル級選手権試合 60分一本勝負
<王者>○黒潮TOKYOジャパン vs 男色ディーノ●<挑戦者>
11分31秒 TOKYOワサビ
※第1600代王者が防衛に成功。

▼セミファイナル スペシャルタッグマッチ 30分一本勝負
○上野勇希&飯野雄貴 vs 高梨将弘&正田壮史●
10分26秒 片エビ固め
※Jul.2

▼メインイベント D王 GRAND PRIX 2023優勝決定戦 時間無制限一本勝負
●遠藤哲哉<Aブロック1位> vs 納谷幸男○<Bブロック1位>
26分59秒 片エビ固め
※世界一のバックドロップ。納谷がD王 GRAND PRIX 2023優勝。

〈写真提供:DDTプロレスリング〉

⇒次ページ【動画】優勝した納谷の試合後のマイク

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