【新日本】海野翔太が持参した思い出のグローブは非情の残骸に…「俺は“マジの裕二郎さん”を引き出したい」

新日本プロレスの春の最強決定トーナメント『NEW JAPAN CUP 2026』第4戦が3月10日、岡山・シゲトーアリーナ岡山にて開催された。

第4試合には、今後のトーナメントの行方を占う重要なダブル前哨戦が組まれた。

3月12日の高松大会で激突する小島聡と成田蓮、そして3月14日の名古屋大会で対峙する海野翔太と高橋裕二郎の因縁が、リング上で激しく交錯した。

本間朋晃が吉野家の紅ショウガを手に登場する中、続く海野翔太は自身の入場袋から野球のグローブとボールを取り出し、リングへと上がった。

それは、幼き日に「プロレスラー・高橋裕二郎」と交わしたキャッチボールの大切な思い出の品であった。

しかし、感傷的な空気を極悪軍団HOUSE OF TORTUREが許すはずもなかった。

試合は開始の合図を待たずに無法者たちの奇襲によって幕を開ける。

成田蓮と小島聡が場外やコーナーで激しい打撃戦を展開する一方、海野翔太と高橋裕二郎も真っ向からエルボーを打ち合う意地の張り合いを見せた。

海野翔太がかつての憧れの姿を引き出そうと奮闘するも、乱戦の果てに待っていたのは無情な結末であった。

ディック東郷や金丸義信の介入によってペースを乱された正規軍は、孤立した本間朋晃がチェーズ・オーエンズの凶器攻撃(ブランディングアイアン)からのCトリガーを食らい、無念の3カウントを聞いた。

決着後、海野翔太は持参したグローブを高橋裕二郎へと差し出した。

一瞬、高橋裕二郎がそのグローブへ手を伸ばそうとしたように見えた刹那、横からチェーズ・オーエンズが冷酷に拾い上げ、無惨にも場外へと投げ捨ててしまった。

夢の続きを示す象徴は、悪の連携の前にあっけなく宙を舞った。

バックステージに戻った極悪軍団は、対戦相手への侮蔑と嘲笑を並べ立てた。

成田蓮はベテランの小島聡を汚い言葉で罵り、高橋裕二郎は海野翔太との純粋な思い出を徹底的に否定して見せた。

 

成田「オイ、小島!もう一回言ってやるよ、テメーなんぞな、ケツを拭く紙にもなりゃあしねえ男なんだよ。テメーに“芯”があるのかどうか、明後日、見てやるよ。……小島、ザマーみろ」

裕二郎「20年以上前の……翔太とのキャッチボールの思い出?そんなよ、ウ●コみたいな思い出はよ、トイレットペーパーと一緒に、便器に流してやったよ。……これマジ」

一方、理不尽な暴行と暴言を受けた正規軍側も、決して屈してはいなかった。

プロレスラーとして35年の年月をリングに捧げてきた小島聡は、キャリアの重みを盾に若き無法者へ向けて力強く吠えた。

小島「今日もHOUSE OF TORTUREの思うがままだろ?だから、どうしたっていうんだ? 成田!テメー、プロレスラーになって何年だ? 30年以上経ってんのか? (俺は)35年もやってんだぞ? キャリアだけで、マウント取れるかって? 取れるに決まってんだろ!だから『プロレスはキャリア』って言うんだ!」

そして、思い出の品を投げ捨てられた海野翔太は、大切に拾い集めたグローブを胸に抱きながら、かつての「裕二郎お兄ちゃん」の本来の姿を取り戻すための切実な願いを吐露した。

海野「(※グローブを抱えながら)いや、ぶっちゃけ、よくわかんねえんだわ。誰が正解でもないし、誰も間違ってないけど。俺の生まれた環境、育ってきた環境、俺の思い出……。それは、(※グローブを掲げて)プロレスラー・高橋裕二郎とキャッチボールしたことなんだ。3年前から言ってること変わってないぞ?ひとつだけ。俺は、“マジの裕二郎さん”を引き出したい。TORTUREの今のポジションでいいわけないだろ? それを望んでんのは、裕二郎さん本人でもなくて、裕二郎さんを、裕二郎お兄ちゃんを、ずっっっと応援し続けてきたファンの皆の気持ちだ。俺もイチ、裕二郎お兄ちゃんファンとして、そんな裕二郎お兄ちゃんを見たい。そして、また夢の続き、キャッチボールをすること。そして、試合に勝つこと。以上」

悪に染まりきり思い出を汚す男と、ファンの代弁者としてかつての輝きを取り戻そうとする男。

決して交わることのない2人の想いは、3月14日の名古屋大会で行われるトーナメント2回戦のリングで、どのような結末を迎えるのだろうか。

<写真提供:新日本プロレス>

◆プロレスTODAY(LINEで友達追加)
友だち追加