【編集長コラム】「新日本プロレス ジュニアの祭典開幕」

新日本プロレス「ジュニアの祭典」ベスト・オブ・ザ・スーパー・ジュニア25が開幕(18日、東京・後楽園ホール)する。

四半世紀、25回目の記念大会となる今年。毎年、日本マット界にジュニア旋風を呼び込んでいるイベントだが、前身の大会を加えれば29回目であり、いまや世界中のファンの視線を集めるようになった。

ジュニア戦士のスピードとテクニックは日ごと向上し、その攻防はスローモーション再生を見ても、一度では見極められないほど。リングサイドのテレビ放送席でも、瞬きもできない。

華麗な空中弾の応酬、空中での考えもつかない動き、連続技…ジュニアの祭典では間違いなく「現代プロレスの最先端」かつ「世界最高峰のジュニアバトル」が披露される。

世界でも指折りのジュニア戦士が集う今大会の参加選手の口から出てくるのが「タイガーマスク」の名前である。

多くのジュニア戦士が憧れ、プロレス界入りを目指したきっかけとする初代「タイガーマスク」。1981年、アニメの世界から飛び出してきたヒーローが、衝撃のデビューを果たし、2年余りの大活躍後、いったん引退したが、当時の映像を振り返っても、今でも手に汗にぎるばかり。

現在もリングに上がった時のソバット、身のこなしなどは「やはり天才」と、うなってしまう。黄金の虎戦士が色あせることは、永久にないだろう。

日本プロレス史はタイガーマスクの「前」と「後」で、はっきりと分けられるが「ジュニア」を語るうえで。もう一人、忘れてはいけないレジェンドがいる。

日本マット界に「ジュニア」を持ち込んだのは、藤波辰巳(現・辰爾)である。1978年、世界格闘技の殿堂ニューヨークのMSGでWWWFジュニアヘビー級王座を獲得し「ドラゴンブーム」を巻き起こした。

凱旋帰国後、女性ファンが会場に殺到。40年前に、今でいう「プ女子」ブームを巻き起こしているのだ。

ドラゴンブームの後タイガーマスクは、ちびっ子ファンを呼び込んだが、藤波、タイガーマスクの登場で、男性ファンが大半で白黒だった新日本プロレスの客席が、一気に華やかになったものだ。

藤波、タイガーマスクの系譜を受け継ぐ新日本プロレスのジュニア。獣神サンダー・ライガーの活躍を経て、今年の主役はIWGPジュニアヘビー級王者ウィル・オスプレイと「新生ボーンソルジャー」として、新日マットに再登場した石森太二である。

「スペース・キング」オスプレイは「21世紀のタイガーマスク」と言っても過言ではなく「重力を自由自在に操っている」としか思えない。変幻自在の動き、想像力あふれる攻撃…火星に降り立つ初の人類はこの人ではあるまいか。

見事にビルドアップされた肉体を誇る石森の腹筋は「シックスパック」。ほれぼれする肉体で、切れ味鋭いアタックを連発するが「シックスパック」ならぬ「ワンパック」いや「0(ゼロ)パック」ボディの私からしてみれば、同じ人類とは思えない。

「オスプレイVS石森」が5・18開幕戦のメインイベント。今年のスーパージュニアが「40年のジュニア史」に続く、新章の幕開けを告げることは間違いない。見逃さない方が良い。

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