【プロレスのある風景 Vol.15|榎本タイキ】

光速で非日常の世界へいざなうデスマッチの挟持

僕はプロレスの名のつくものは何でも大好きです。大好きなのですが苦手なものがあって、それが実はデスマッチなのです。シンプルに痛そうなのが観てて怖くて、その世界に足を踏み込むまで時間がかかりました。

でも恐る恐る覗いたデスマッチの世界は、怖さや痛さはもちろんあるのですが、それ以上に爽快感や不思議な人間味があることに驚き、次第に惹かれていきます。

そんな僕が「これは観たい!」とデスマッチ目当てで行ったのが9.16横浜文化体育館で行われた大日本プロレス。王者・竹田誠志選手vs伊東竜二選手のBJW認定デスマッチヘビー級戦。

デスマッチの絶対王者として君臨しつつあるチャンピオンの前についに立ちはだかったデスマッチドラゴン。この試合形式は蛍光灯300本デスマッチ。ロープのみではなくマットにも大量の蛍光灯が敷きつめられました。

ゴングが鳴り両者が歩くだけでボンボンと蛍光灯が破裂し、みるみる破片の山に。そこから凄まじい死闘を展開。

プロレスは非日常な世界のものですが、このデスマッチはその先の超非日常へといざないます。それでいてまぎれもなく目の前で起きているリアル。

この試合を観てプロレスの魅力に改めて気づきました。プロレスのすごさは普段日常で抱えている悩みや常識を一気に吹き飛ばしてくれること。

プロレスを観るという選択をすることで、ある意味自分の枠を超える作業をしたことになるのではと思います。そのプロレスを選べた自分ならまた日常のリアルな出来事にもきっと立ち向かっていける。

プロレスにはそんな元気づける力が宿っていると感じました。途中で蛍光灯を伊東選手の後頭部にあてがって投げたドラゴンスープレックス。もはや言葉が出ませんでした。

死闘の末、竹田選手の激勝し負けた伊東選手は「『今日は』負けた」と強調。次は勝つという意思表示。デスマッチドラゴンの存在感の大きさはまるで敗者だと思わせないほど凄かったです。

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