【W-1】「大口を叩いた人間を黙らせられるなら、誰が中身であろうと関係ない」“ストップ・ザ・ヒート”最後の砦!W-1クルーザーディビジョン王者・吉岡世起インタビュー

昨年12月26日の後楽園ホール大会で3度目のW-1クルーザーディビジョンチャンピオンシップの戴冠を果たした#STRONGHEARTSの吉岡世起。

今回は、3.15大田区総合体育館で開催される『WRESTLE WARS 2020』にて、『CRUISER FES 2020』優勝者のヒートと初防衛戦を行なうことになった。

ヒート出現時には、「ヒートには興味はないけど、マスクの奥の中身の男には用事がある」と語った吉岡。どのような気持ちでヒートとの決戦に臨もうとしているのか?話を聞いた。

 

──3.15大田区総合体育館大会で、『CRUISER FES 2020』優勝者のヒート選手を相手に初防衛戦を行うことになりました。ヒート選手は開幕前に、「当たり前のように優勝する」と宣言していました。参戦した選手は一様に「ヒートを止める」というようなコメントをしていたんですけど、結局優勝を許す結果となってしまったんですが、チャンピオンとしてどのようにご覧になられていたんですか?

 

吉岡 みんな言ってましたよね、「俺がヒートを止める」って。でも、結局、止められなかったのが結果ですよね。『CRUISER FES』の試合はほとんど見ていたんですけど、ヒートのいいようにやられていた感じですよね。

 

──開幕前からのヒート選手の挑発的な言葉があったからか、「ストップ・ザ・ヒート」がテーマのようなトーナメントになっていました。W-1サイドから見ると、主役の座を奪われているような感じはあったんじゃないですか?

 

吉岡 確かに、優勝してチャンピオンを倒してやるという声があまり聞こえてきませんでしたからね。まあ、僕はトーナメントに出てないんで、知ったこっちゃないんですけど(笑)。ただ、ヒートが主役のトーナメントになったというのは確かですよね。でも、それはトーナメントまでで、クルーザーのタイトルマッチは別物です。

 

──トーナメント前に、誰が優勝して、誰が自分の前に立つのか予想とかはしなかったですか?

 

吉岡 予想はしていないですね。誰が優勝しようが、チャンピオンとしてやることに変わりはないですからね。誰が挑戦者になろうが、きちっと防衛するだけなんで。ただ、個人的に来てほしい選手は何人かいました。だから、ヒートもその何人かのうちの一人になりますよね。まあ、あんだけの口を叩いたわけだから、クルーザーのチャンピオンとして自分の力で黙らせたい気持ちはありますよ。あんだけの大口を叩いて優勝できなかったら、赤っ恥ですから。腕が落ちてなくて何よりですよ(笑)。

 

──ヒート選手に関しては、吉岡選手は「ヒートには興味はないけど、マスクの奥の中身の男に用事がある」というようなことをおっしゃっていました。

 

吉岡 はい。純粋に僕はヒートをあんまり知らないんですよ。ヒートが出ている時期って、全然日本のプロレスを見ていなかったんで。

 

──ヒート選手が新日本プロレスで活躍していたのは、2002年から2004年くらいですからね。

 

吉岡 僕はその時期はアメプロを見ていたんで、日本のプロレスには疎かったんですよ。だから、ヒートに興味がないというのは本心です。あんまり知らないから。ただ、その中身がW-1の初代クルーザーチャンピオンだった人だとしたら、確かに用事はありますね。

 

──つまり、田中稔選手だとしたら、ということですね。

 

吉岡 はい、そっちだとしたなら思いはありますよね。W-1を辞めた選手ですし、あの人が辞めたあと、クルーザーのベルトの価値を上げるために残った選手がどんな思いでやってきたのかっていう気持ちはありますよ。別に出ていった選手を恨んだりする気持ちはないんです。でも、僕らの気持ちを知らずにいきなり来て、「ベルトを欲しい」と言われても、すんなり渡せるかという気持ちはありますよね。確かに田中稔に僕はシングルで勝ったことがないんですよ。タイトルマッチを何回もやっているんですけど、シングルで勝っていないのが事実です。ただ、もし、その時のイメージで大口を叩いているんだったら、「違うぞ」と言いたいですね。あの人は今のW-1を知らないし、今の吉岡世起を知らない。

 

──吉岡選手にとって、田中稔という選手の存在は大きいですか?

 

吉岡 ヒートはおいといて、田中稔は凄く大きな存在ですよ。僕が全日本プロレスに初めて上がった時に組んだのが稔さんでしたし、その後もなんだかんだで気にかけてくれましたからね。W-1に入った時も凄く面倒を見てくれたし、一時期タッグを組んでもいました。そのあと分かれて、タイトルマッチをやっても勝てなかった。子供の時にテレビで見ていた選手ですし、様々な思い入れがある選手ですよね。

 

──もし、推測通り、ヒートの中身が田中稔だとしたら、吉岡選手にとって、超えたい存在なんでしょうか?

 

吉岡 田中稔は超えたいです。試合を見ていても、年齢的には落ちてもいいはずなのに、動きは未だに落ちてないですし、コンディションも抜群にいいですよね。この間、ノアでシューティングスタープレスをやったらしいですからね。しかも、初公開で。

 

──獣神サンダー・ライガー選手の引退の日に合わせて繰り出したんですよね。

 

吉岡 そういう点では尊敬すべき選手なんですよ。改めて凄い選手だなと思いますし、見習わないといけない部分もあります。でも、それはあくまでも田中稔であって、ヒートではない。

 

──あくまで今回の相手はW-1のクルーザー級の選手に対して挑発的になっているヒート選手ということですね。

 

吉岡 そうです。いきなり出てきて、挑発的な言葉を吐いたヒート。それを叩き潰すだけです。W-1のクルーザーチャンピオンとして叩き潰すだけ。別に中身が違っていたら違っていたでいいです。あんだけの大口を叩いた人間を黙らせられるなら、誰が中身であろうと、この際関係ないですからね。

 

──なるほど。会場となる大田区総合体育館は、1年前に本来ならタイトルマッチをやる予定だったじゃないですか? 1年越しのリベンジにもなりますよね。

 

吉岡 それはありますね。誰に対してというわけじゃないですけど、自分自身に対するリベンジですよね。ただ、大田区で試合をしたことがないので、どういう会場かわからない(笑)。まあ、それはともかくとして、前回ベルトを巻いていた時は、他団体や外の選手との防衛戦が多かったんですよ。今回のヒートは、僕が知らないだけで大物じゃないですか? もしかしたら、最後になるW-1のクルーザー王座のタイトルマッチで、大物食いをして価値を上げておきたいですよ。この何年かでクルーザーのベルトを持っていたのは、児玉、アンディ、パンテーラ、そして僕だけなんですよ。みんな試合を通して、ベルトの価値を高めることに力を注いできたと思いますし、実際に高められたと思うんですよ。それを最後に外に知らしめるには、絶好の相手なんじゃないかなと思っていますね。ただ、僕のファイトスタイルはヒートとの相性がめっちゃ悪いですよね(笑)。

 

──相性? 不安材料があるということですか?

 

吉岡 試合を見ていると、めちゃくちゃ足責めをするじゃないですか? 僕は機動力が武器なんで、そう考えるとめちゃくちゃ相性が悪いんですよ。マジでイヤ(笑)。でも、チャンピオンにはそれを乗り越えて、自分のスタイルを貫き通す強さも必要ですから。どんだけ潰されようが、意地でも走り抜いてやるぞっていう思いで大田区大会に臨みます。

 

──わかりました。それでは、タイトルマッチを期待しております!

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