【W-1】<3.15大田区総合体育館大会まとめ①>至宝奪回は社長としての最後の大仕事! 選手とファンの思いを背負い、カズが覚悟の出陣!!

WRESTLE-1最高位のベルト、WRESTLE-1チャンピオンシップ。

歴代王者にはWRESTLE-1の創設者であり、プロレスリングマスター・武藤敬司も名を連ねる団体の至宝である。そのベルトをあろうことか、放り投げるという暴挙を働いた男がいる。

現在の第16代WRESTLE-1チャンピオンシップ王者である、プロレスリング・ノアの中嶋勝彦だ。

 

大晦日に開催された『WONDER CARNIVAL』参戦をきっかけに、中嶋は1.12後楽園大会で稲葉大樹の持つWRESTLE-1王座に挑戦。

圧倒的な力でこれを破り、王者として君臨することになった。

そして、2.12後楽園大会で行なわれた初防衛戦では、元王者の芦野祥太郎も撃破。

稲葉、芦野、いずれもマットに沈めたのは必殺のヴァーティカルスパイクだった。

その実力をWRESTLE-1の選手とファンたちに、まざまざと見せつけたのだ。

その芦野戦の直後だった。

中嶋は稲葉戦後と同様、またもやベルトを無造作にリング上に放り投げたのだ。

この中嶋の行動に、セコンドに就いていたWRESTLE-1所属選手らも血相を変えて詰め寄った。

しかし、コーナーに追い詰められた中嶋は目の前の選手たちには目もくれずマイクを持つ。

そして、呼び出したのがWRESTLE-1の社長であるカズ・ハヤシだった。

中嶋はリングに上がってきたカズに対して、こう言い放った。

 

「このベルトをかけて勝負をするっていうことですか? いや、お忙しい中、来ていただいて申し訳ないんですけども、俺の答えはイエスかノーかで言ったらノーです」

自ら呼び出し、タイトルマッチをちらつかせながらも「答えはノー」という、この中嶋の人を食った言葉にカズが怒った。

ニヤつく中嶋の顔面にトラースキックを見舞い、マイクを取ると「次の挑戦者はカズ・ハヤシだ!」と、次期挑戦者に名乗りを上げたのだ。

この一撃を受け、中嶋も3.15大田区総合体育館大会でのタイトルマッチを受諾。

タイトルマッチの正式な決定は後日となったが、この時点で両者の思いは大田区総合体育館での決戦へと、方向が向いた。

大会終了後、バックステージで「獲り返さないといけない理由がある」と語ったカズの目にはうっすらと涙が浮かんでいた。

 

その涙の理由は2月29日の会見で知ることとなる。

同日の会見で、カズは4.1後楽園大会をもって、WRESTLE-1の無期限活動休止を発表したのだ。

複雑な思いを抱えながら、その直後に行なわれた3.15大田区総合体育館大会の会見に出席したカズ。

5日前の2.24豊橋大会で足を負傷し、決定していた他団体の参戦をすべて欠場するという状態での出席だった。

「その(怪我をした)状態で俺と向き合うのかと。僕もナメられたもんだなと素直に思います。その状態で僕に勝って、ベルトを獲り返すつもりでいるんですか? 獲り返せる訳ないでしょう」と豪語する中嶋。

それに対してカズは「3月15日までには100%万全の体調で持っていくつもりです。もう雑念を入れたら勝てないというか、まあタイトルマッチに臨む姿勢とは言えないんで。大丈夫です」と、挑発的な中嶋の言葉にも怒ることなく、あくまで冷静な表情で返答した。

すでに覚悟は決めている。カズの目に涙はもう浮かんでいない。

 

カズと中嶋はかつて全日本プロレスのジュニア戦線でしのぎを削った仲。

2人が最後に闘ったシングルマッチは、2006年7月3日に行われた第1回の『ジュニアヘビー級リーグ戦』の決勝戦だった。

会場はリニューアル前の大田区総合体育館(当時は大田区体育館)で、20分を越える大接戦の末、カズがファイナルカットで中嶋に勝利している。

あれから約14年の月日が経ち、奇しくも場所も同じ、大田区総合体育館で再戦することになったカズと中嶋。

当時はジュニア戦線のトップに君臨していたカズも、全日本離脱後の現在は団体を引っ張る長となった。

一方、当時は17歳の少年だった中嶋も、現在は32歳。GHCヘビー級王座を戴冠するなど、所属するノアを代表するレスラーに成長した。

 

14年の歳月が流れ、2人のレスラーとしての立場は大きく変化した。

しかし、変わらぬ思いもあるのかもしれない。

中嶋の中に、14年前のリベンジという気持ちがあったとしたら、後楽園でカズの蹴りを食らった後のバックステージでの活き活きとした表情は頷ける。王者という立場を利用して、リベンジの機会を自ら作ったと言ってもいいだろう。

一方のカズも、現在の中嶋を、「本当に失礼な選手になったなと思いますね。同じ大田区体育館で闘った相手とは思えない。ぶっちゃけ別人ですよね」と評しながら、「その変わった中でもまだまだあの時のような、ギラギラと上を見続けている中嶋勝彦に見える」と語った。

挑発的で掴みどころのない中嶋だが、カズの目には若き日の面影が写っているようだった。

 

しかし、今のカズに感傷に浸っている程の余裕はない。

中嶋と闘う舞台は団体活動休止前、最後のビッグマッチ『WRESTLE WARS 2020』である。

至宝が流出したまま団体が活動を休止するなど、社長としてこれ以上の屈辱的なことはない。

現在はタイトル戦線から一歩引き、リング上は自身が育てた若い選手たちに託していたカズが、なぜ今回ベルト奪回に立ち上がったのか?

それは社長として、最後まで仕事を全うする覚悟を決めたからだろう。

外敵王者の中嶋に、WRESTLE-1の6年9カ月の歴史を侮辱されたままでは、心置きなく団体を休止することはできない。

きれいな店仕舞こそ、カズに託された最後の大仕事。

WRESTLE-1の選手、そしてファンの思いを背負い、覚悟を決めた社長が大田区総合体育館のリングに立つ。

 

ー大会詳細ー

 

【大会名】

「WRESTLE WARS 2020」3.15東京・大田区総合体育館大会

 

【日時】

2020年3月15日(日)15時試合開始/14時開場

 

【場所】

東京・大田区総合体育館

 

【対戦カード】

▼第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負

藤村加偉 vs 仁木琢郎

 

▼第2試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負

アンディ・ウー&アレハンドロ&エル・イホ・デル・パンテーラ vs タナカ岩石&本田竜輝&SUSHI

 

▼第3試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負

頓所隼&ペガソ・イルミナル&田中将斗(プロレスリングZERO1)vs CIMA(#STRONGHEARTS)&T-Hawk(#STRONGHEARTS)&鬼塚一聖(#STRONGHEARTS)

 

▼第4試合 8人タッグマッチ 30分1本勝負

近藤修司&征矢学&立花誠吾&エル・リンダマン(#STRONGHEARTS) vs 伊藤貴則&一&MAZADA&歳三

 

▼第5試合 WRESTLE-1クルーザーディビジョンチャンピオンシップ 60分1本勝負

【第15代王者】吉岡世起 vs 【挑戦者】ヒート

※第15代王者・吉岡世起、初の防衛戦。

 

ー 休憩 ー

 

▼第6試合 スペシャル6人タッグマッチ 30分1本勝負

武藤敬司&浜亮太(大日本プロレス)&中之上靖文(大日本プロレス) vs 河野真幸&崔領二(ランズエンド)&KAZMA SAKAMOTO(フリー)

 

▼第7試合 シングルマッチ 30分1本勝負

羆嵐 vs 岡林裕二(大日本プロレス)

 

▼セミファイナル WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ 60分1本勝負

【第19代王者組】芦野祥太郎&児玉裕輔 vs 【挑戦者組】稲葉大樹&土肥孝司

※第19代王者組・芦野祥太郎&児玉裕輔、4度目の防衛戦。

 

▼メインイベント WRESTLE-1チャンピオンシップ 60分1本勝負

【第16代王者】中嶋勝彦(プロレスリング・ノア) vs 【挑戦者】カズ・ハヤシ

※第16代王者・中嶋勝彦、2度目の防衛戦。

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