【ノア】中嶋勝彦「最後を締めるのは俺!」<1・1日本武道館決戦への道②>
【GHCヘビーへの思い入れ】
――GHCヘビーはこれまで二度、現在も戴冠されてますが、このベルトを持ってみて、中嶋勝彦としての思い入れだったり、ノアを背負うという部分については?
中嶋 全く違いますね。
――違いますか?
中嶋 第28代と第36代じゃあ。
――あの時と今では全然違う?
中嶋 違いますね。
――どういう風に違いますか?
※28代GHCヘビー級王座を獲得した2016年当時の中嶋勝彦
中嶋 あの時はね、俺の中では過去(第28代戴冠時)は何もできなかったっていうのが。あれ、何試合したっけなあ?7回くらい防衛して、1年ぐらい持っていたんですよ。でも、何一つ俺のやりたいことができなかったんですよね、あの時は。
――なぜそういう風に思われるんですか?
中嶋 したいことができなかったから…
――でも、七度の防衛というとそれなりの実績だとは思いますが。
中嶋 実績と言えばあったとは思うんですけど、でもまだ俺があの時ベルトを持っていても影響を与えられなかったっていうのが、俺の反省点というか、過去の中嶋勝彦でした。
――たしかに今では影響力が全然違いますよね。
中嶋 今はそういうのはちょっと感じてはいるので。なんとかこれを、まあそれぐらいエネルギーになってますね、今。
――ノアの強さの象徴になりつつあると思います。
中嶋 本当ですか?
――丸藤さんはノアの象徴と思いますが、強さの象徴は杉浦さんのイメージが強かったと思うんですけど、今は中嶋選手が強さの象徴に段々変わってきてるなというイメージがあります。キックもそうだし、力強さをすごい売りにして。あとは、負けん気とか、自我とか、喧嘩スタイルというか。ちょっと向こうっ気の強いスタイルも含めて、その辺が強さっていう部分に見え隠れしてるなと思います。ご自身的には、どうですか?
中嶋 あんまりそれ言ったら、俺いっぱい技受けなきゃいけなくなっちゃう。嫌ですよ(笑)
――本当にその辺はすごい感じますね。蹴りのシャープさだとか、力強さっていうのは、今までも相変わらずなんですけど、凄みが増したんじゃないですか?
中嶋 それは嬉しいです。
――ご自身的には、そう思いませんか?
中嶋 あんまりそういう風にダイレクトに褒められることないから。金剛に入ってあんまり褒められることないから。
――そうですか?でも、歴戦の強者といろんな対峙をしていたときに、見劣りしないというか、むしろ食って掛かっているようなイメージがあるので、そういう部分でチャンピオン像というのが、たしかにおっしゃっているように前回のときのチャンピオン像とは、全く違う。本当にチャンピオンとして振る舞っているなっていう印象がありますね。
中嶋 自覚というか、自信を持って、今はリングに上がれているなっていうのが実感しています。
――試合をしていても、チャンピオンシップなんかを迎えるにあたっても、当時と今だと心境は違うんですか。
中嶋 違うと思いますね。当時のことはあんまり思い出せないぐらいですもん。
――今のほうが、どっしり構えているっていう感じですね。
中嶋 あんまり動じなくなってきているというとあれなんですけど「なんとかなる」っていう。なんか変な自信というか、自覚というか。結局、チャンピオンですからどうにかしなきゃいけないんですよ。その意識はすごく強くなれたというか、守る強さを持てるようになったというか。うまく言葉にできないですね。
――当時はチャンピオンとして肩の重荷をすごい感じていたんじゃないかなと思うんですけど、今はどうですか?
中嶋 当時はどうにかしたくてしょうがなかったです。
――そうですよね。なんか傍目で見ていても…
中嶋 空振りでした、完全に。
――当時は空振り。
中嶋 自分で勝手に素振りやっている感じですね。「誰も俺の素振り見てない」みたいな。構えているのにっていう。誰もボール投げてこないみたいな。
――たしかにすごい頑張ってるなっていうのは、傍から見ていても感じてましたよ。でも、今のほうが本当に落ち着いているというか。
中嶋 いろんな環境というか、状態が整ったんだろうなっていうのはあります。
――それってチームの支えみたいなものが大きかったりするんですしょうか?
中嶋 そうだと思いますし、会社自体もすごい変わったので。そういうのも大きいと思います。
――たしかにサイバーファイトという会社になって、試合に集中できる環境づくりは整ってきたっていうのも大きいですよね。
中嶋 あの時と一番違うのは、勝負に出れるという環境が、あることですかね?すごい環境にみんないるので。それをあの時があったからこそ、今感じられているっていう。だから、それは大きいかもしれないですね。
――試合中にちょっと狂気じみた笑顔を見せますが、試合をしていて楽しくなるんですか?
中嶋 それもありますね。
――蹴りごたえがあるなっていうようなときとか。ニヤリとして、この試合面白いと感じてるんじゃないかなと思うときとか、やりごたえがあるなっていう感触が表情に出るんですかね。
中嶋 そうだと思います。
――その辺も魅力が増したと思います。
中嶋 褒めますね、俺を褒め殺しに(笑)