【プロレスのある風景 Vol.57|榎本タイキ】

これぞ仙女!あの日を忘れない
 
 仙女新宿FACE大会を観戦。東日本大震災のことを風化させない思いから、毎年3.11に東京で行われ続けてきた興行。そしてWWEと契約し渡英した里村明衣子選手の5ヶ月ぶりとなる日本での試合。
 
 今は配信などで時間も場所も選ばずプロレスを観られる便利な環境になりましたが、それでもやっぱり生で同じ空間にいる選手を観られるというのは大きいです。会場も里村選手が登場すると声には出せなくとも、久しぶりのその姿に大歓迎モードになっていました。
 
 しかも組まれたのが同じく仙女創設から共に団体を守り抜き、里村選手をそばで支え続けてきたDASH・チサコ選手。この2人がフルパワーで闘うシングルマッチはこの先そう何回も観られるものではないと思います。
 
 百戦錬磨の里村選手の攻撃を、強い気迫と要所で放つ強烈な張り手で押し返すチサコ選手がすごかった。そしてやっぱり里村選手はレスラーとして力量がケタ違いだし、今本当に世界と闘っている自信と喜びに満ち溢れていました。
 
 最後はデスバレー・ボムで里村選手の勝利でしたが「これぞ仙女!」という闘いを両選手に観せて頂きました。「あの日を忘れない」と銘打って3.11に東京で開催する大会は、10年目の区切りとして今回が最後とのこと。
 
東北魂を心に秘めながら、ますます新しくなっていく仙女をこれからも追いかけ続けたいと思います。
 
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