【経営者インタビュー②】プロレスリングWAVE 二上(GAMI)社長・桜花由美専務が語る!GAMI社長の野望、レスラーに求めるもの、小鉄イズムの後継者として

<ピュアな人が欲しい! WAVEのレスラーに求めるもの>

山口:WAVEにはどんなレスラーが必要ですか?

桜花:(迷わず)純粋な子。素直な子、かわいい子! 顔はもちろん、心も。

GAMI:ピュアな人!

桜花:うちってピュアじゃないんです(笑)

GAMI:みんなスレてるんです。

桜花:人生を分かり切っちゃってる感じがする。


山口:水波さんのマイクアピールも熱いじゃないですか。

GAMI:そういうのじゃなくて、ザ・新人がいいんです。Marvelousの桃野(美桜)さんとか、挨拶もハキハキしてかわいい。

桜花:うちでいうと長浜とか朱崇花とか……ああいうのはかわいくない。大人っぽく見せようと、大人になろうとしている感じがする。まだ若いんだからかわいく挨拶してよ、って思うんです。うちの子たちは大人になろうとしているのが、すごく嫌です。今が若いんだから若い感じでいなよって思うのに、朱崇花なんか昭和が好きで、中森明菜とか。

GAMI:スレてるよね。

桜花:化粧も昭和。赤い口紅はやめなさいって。

山口:なんでなんでしょうね? 大人になりたい、背伸びしたくなるような?

桜花:若いうちは大人になりたがるんです。飯田も私服がすごくババくさい。24なのに、もっと若い格好をしなよ、もっと脚も出しなよ、って。

GAMI:私なんてGパンにスカジャンにTシャツですよ(笑) 50に手が届きそうなところで(笑)

桜花:早く大人になりたくてっていうけど、大人には勝手になるから。

山口:桜花さんはどうでしたか?

GAMI:老けてましたね。

桜花:18の頃は大人になりたくて大人びた格好をしてたんですけど……

GAMI:小学校六年生から大人やん(笑)

桜花:ハイヒールはいてたり、当時は大人になりたかったですね。プロレスラーになってから逆に若返りました(笑)

GAMI:子供の頃の写真を見たら「この頃いくつ?」「小学六年生です」って。どう見てもスナックで働いてるオバサンやんってくらい老けてました。

桜花:小六くらいで、20代前後に見られてました。身長も160あったし、ストッキングはいて、ヒールある靴も履いて。

山口:GAMIさんは……

GAMI:全然ない。虫捕りカゴとか持って天真爛漫(笑) ランドセルしょってウワーって走ってるような子です。

桜花:逆に今はストッキングはかないですから。若いうちに若い格好をして、若い感じでいてほしいですね。飯田や長浜はもっとフリフリでもいい。大人な感じにしちゃうので。

山口:最近の女子プロレス業界はセクシー路線ですね。昔はほとんどレオタードでしたよね?

GAMI:私でさえSPEEDOの水着で出ましたよ(笑)

山口:フレッシュだなというか、昔の全女を思い出しますね。

桜花:……うちの新人はそういうコスチュームにしますか!

GAMI:したいくらいやわ。

山口:新人さんのコスチュームは勝手に決めてるんですか?

桜花:自分たちで決めてもらってます。

山口:気合を入れてこじゃれたものを。スクール水着みたいなのじゃなくて……。

GAMI:シンプルが一番ですよ! 男子は黒パン! 私も最近黒パンにはまってて、うちの後藤(恵介)には黒パンにしろ!って言ってます。

後藤選手Twitterより

桜花:で、坊主ね!

GAMI:後藤の対戦相手に大日本プロレスの野村卓矢くんを呼んだら、若くてかわいくて黒パン似合ってて、すごくいい。やっぱ黒パンがいいなーってずっと写メ撮ってた(笑)

山口:彼は人気あるし、先輩に対しても向かっていきますね。

GAMI:後藤と半年しかキャリアが違わないのに、後藤が勝てる要素が全くない。

桜花:後藤の対戦相手を選ぶ基準は、若手でイケメンなんですけど……

GAMI:今はさらに黒パン。それが絶対なんです。男子プロレスも見に行って、黒パンリサーチしてます。

山口:新人選手について、スター発掘・育成・スカウトなど、苦労されている点はありますか?

GAMI:発掘は全くないですね。

山口:来てもらってから上げるスタイルですか?

GAMI:桜花もそうだったけど、タレント兼女子プロレスラーが嫌いなんです。プロレスをやりたくて入ってきた人を、ちゃんと使いたい。片手間に考えてるのは好きじゃないです。

山口:新人の成長を見極めるポイントはどこですか?

GAMI:試合中に上を向くようになったらじゃないですか。若手さんって下を向くんです。お客さんが見えないし、声も通らない。余裕が出てきたら周りの声も聞こえるし、お客さんの顔も見える。まだ駄目だって子は、下を向いてますね。

山口:人気・実力・個性は人によって違いますよね。イチオシの選手というのは、団体から引っ張るパターンと、ファンから押してもらうのと、どっちですか? ファンから押し出されるパターンが一番理想とは思いますが。

GAMI:水波がチャンピオンなんですけど、水波・大畠は安定ラインに来ているんです。山下は、山下ファンというよりプロレスファンが声援を送ってくる。あと、勝手に敵を増やしてくれる。山下と戦いたい、外部の人が来てくれるんです。

桜花:何をしでかすか分からないところが面白いんでしょう。がむしゃらなんです。

GAMI:リミッターが外れたときの山下が、ものすごくいい。だけどなかなか外れない。普段は残念なのに、なぜか外に行ったらいい試合をするんです。

桜花:いつ外れるかが分からないから、それを見るのが楽しい(笑)

山口:団体対抗戦の方が火が付きやすいタイプでしょうか?

GAMI:ムキになってやるのがすごい。去年のDUAL SHOCK WAVE、ダイナマイト・関西さんとのタッグもよかった。

山口:いい試合をコンスタントにできる人が本当のトップになって、プッツンする人が次世代のエース候補という感じですか?

GAMI:夏も山下も香萌も同期で、山下が今一歩抜けてるけど、10年たったら全員一緒だろうなって思います。

山口:男子なら、三人いてもひとりが飛び抜けますね。棚橋さんとKENSOさんと柴田さんとか、あの中でも棚橋さんが抜けましたね。

GAMI:あとはその団体にずっと所属していることでは。

桜花:背負っているものの違いだったり。

山口:チャンピオンがテリトリーを回って飯食わせるみたいなものあるじゃないですか。チャンピオンがどれだけ盛り上げてご飯を食べさせられるか、どれだけの満足度を与えられるかが、昔ながらのキモかなと思っています。前回の大会でも水波さんが大畠さんを仕留めて、ネクストもしっかり伝える。興行として非常に面白い、しっかりとした作りでしたね。

GAMI:だいたい水波がメインなんで。水波と大畠がメインでやっていれば、85%くらいはきっちり締めて終わってくれる。

山口:他団体の若手注目選手はいらっしゃいますか?

GAMI:他団体の若手……

桜花:若手ってどこまで?

山口:最近で言うとSareee選手とか……

GAMI:Sareeeちゃんは若手じゃないですよ。6年やってますから。

桜花:だけどあのフレッシュさ、新人臭さが抜けない。

山口:女子プロレスの場合、若い時からやっている子が多いから、何歳までを若手と呼んでいいのか……。

桜花:キャリアで3年くらいですね。

GAMI:それなら山下はまだ若手。今年で4年目かな。

桜花:若手と言ったら長浜・朱崇花あたりじゃないですか。でも長浜も新人臭くない……。

GAMI:他団体の若手なら、私、門倉凛。

桜花:私は桃野。Marvelousの新人がフレッシュで、応援してあげたくなる。うちの子たちは「俺たちがいなくても勝手にできるでしょ」ってオーラを出してる。

GAMI:うちらがそういうオーラなんで。誰も助けてくれない

桜花:だからダメなんです(笑) 大変な姿を見せないのがかっこいいとは思わないけど、そうやって生きてきてしまったので、それを見て、泥臭いのはダサいって思ってるかも。

山口:経営者の姿を見てプロレスラーの色ができてくるということは、あるかもしれません。普通の会社でもそうですね。社長の色が会社を作っていくというか。

GAMI:トップが私ですからね(笑)

桜花:自我が強い奴らばっかり集まっちゃってる。それをまとめるのが大変なんです。

GAMI:全然言うこと聞きません。ダメって言ってることを、言ってるそばからやってる。

桜花:GAMIさんの下にいるって思ってないんですよ(笑)

 

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